夜とスピカ／七篠さよ

(うぞうむぞうのよぞらで)

有象無象の夜空で

(すぴかのほしをみうしなった)

スピカの星を見失った

(さっきまでたしかにそこにみえたのに)

さっきまで確かにそこに見えたのに

(さきのみえないよるのやみ)

先の見えない夜の闇

(しるべをなくしたぼくらは)

導を失くした僕らは

(ばらっくがいさまようまいごみたい)

バラック街彷徨う迷子みたい

(だんだんとおくなるひび、おもいで)

段々遠くなる日々、思い出

(どんどんふあんばかりつのって)

どんどん不安ばかり募って

(それでもとまらないのはじぶんではさ、わかってるんでしょ)

それでも止まらないのは 自分ではさ、わかってるんでしょ

(ねがって、ねがってほしがみえなくっても)

願って、願って 星が見えなくっても

(ぼくだって、きみだってこのてはなみだぬぐうためのものじゃない)

僕だって、君だって この手は涙拭うための物じゃない

(ねがって、ねがってはてがみえなくてもいつだって)

願って、願って 果てが見えなくても いつだって

(くものむこうのそらにはほしふる)

雲の向こうの宙には星降る

(いきさきのみえないたび)

行き先の見えない旅

(とおくなっていくあるくとぅるす)

遠くなっていくアルクトゥルス

(もうもどれないようなきがしてる)

もう戻れないような気がしてる

(さんざんひざ、すりむきつづけて)

散々膝、擦りむき続けて

(だんだんとおくひかりがさしたまだつかめなくたって)

段々遠く光が差した まだ掴めなくたって

(それでもまたあるきだすんだぼくらてをのばすよ)

それでもまた歩き出すんだ僕ら 手を伸ばすよ

(ねがって、ねがって)

願って、願って

(ほしがみえなくっても)

星が見えなくっても

(ぼくだって、きみだってゆめはかなえたくてみはじめたはずだろ)

僕だって、君だって 夢は叶えたくて見始めた筈だろ

(ねがって、ねがっていまはかなわなくても)

願って、願って 今は叶わなくても

(いつだってとまらなければいつかはそうでしょ)

いつだって 止まらなければいつかは そうでしょ

(もうあるけなくってもたびじはつづいていく)

もう歩けなくっても 旅路は続いていく

(きょうもまた、なみだのほし、いろどる)

今日もまた、涙の星、彩る

(いなほをもっためがみさまがじあいをくれる)

稲穂を持った女神様が慈愛をくれる

(ゆめをみたんだてをのばすよ)

夢を見たんだ 手を伸ばすよ

(ねがって、ねがってなにもみえなくっても)

願って、願って 何も見えなくっても

(いつだって、だれだってさいごどうなるかなんてじぶんしだいだろ)

いつだって、誰だって 最後どうなるかなんて自分次第だろ

(ねがって、ねがってまだむくわれないけれど)

願って、願って まだ報われないけれど

(よかったってそうおもえるようなあしたがくるから)

良かったって そう思えるような明日が来るから

(そのてをのばしてむかうんだ)

その手を伸ばして向かうんだ

(よぞらへ)

夜空へ

(ねがって、ねがって)

願って、願って

(なにもみえなくなってもぼくらは、まだ)

何も見えなくなっても 僕らは、まだ