一丁目ゆきみ商店街

(きてしまったっておまえがわらう)

「来てしまった」ってお前が笑う

(むかしなつかしのえがおだ)

むかしなつかしの笑顔だ

(あのだがしやはまだあるかな)

あの駄菓子屋はまだあるかな

(きっときっとまだげんきだろう)

きっときっとまだ元気だろう

(いつものようにまちあわせた)

いつものように待ち合わせた

(あのおおきなさかをのぼりきったら)

あの大きな坂を登り切ったら

(１００めーとるもないような)

100メートルもないような

(はでなかんばんにあわぬしょうてんがい)

派手な看板似合わぬ商店街

(おれもおまえもいきなんかきらしちゃって)

おれもおまえも　息なんかきらしちゃって

(すっかりとしをとったなって)

すっかり年をとったなって

(おれらそんなとしくっちゃいないぜって)

おれらそんな　年喰っちゃいないぜって

(のぼりきるさか)

登り切る坂

(もうここはなくなってしまったね)

もうここは　なくなってしまったね

(むかしのようにわらうこともゆるされないでしょう)

むかしのように笑うことも　許されないでしょう

(ああいつかはきえるってしってた)

ああいつかは　消えるって知ってた

(でもぼくのなかのこれはずっと)

でも僕の中の　コレはずっと

(ここにあるでしょう)

ココにあるでしょう

(つぎはいつあえるんだろうな)

次はいつ会えるんだろうな

(さんねんごにでもあえりゃいいほうだろ)

三年後にでも会えりゃいい方だろ

(つぎまでにどっちかしんだりしてさ)

次までにどっちか死んだりしてさ

(そんなぶっそうなこというんじゃねぇ)

そんな物騒なこと言うんじゃねぇ

(そらをただただただよっていくくものように)

空をただただ漂っていく雲のように

(くだをかようけつえきのように)

管を通う血液のように

(わかれみちのはてにきえてゆく)

分かれ道の果てに消えてゆく

(うんめいさ)

運命さ…

(ごねんもたってひさかたぶりにおまえにれんらくとってみれば)

五年も経って久方ぶりに　おまえに連絡とってみれば

(おいよせよずいぶんはえぇじゃねぇか)

おいよせよ　ずいぶんはえぇじゃねぇか

(おいまてよおいまてよ)

おいまてよ　おいまてよ

(もうおまえはいなくなってしまったね)

もうおまえは　いなくなってしまったね

(むかしのようにわらうこともゆるされないでしょう)

むかしのように笑うことも　許されないでしょう

(またいつかはわらえるっておもってた)

またいつかは　笑えるって思ってた

(ほほえむようにこえもなくきえてった)

微笑むように声もなく　消えてった

(ああぜんぶなくなってしまうんだね)

ああ全部　なくなってしまうんだね

(むかしのようになくこともゆるされないでしょう)

むかしのように泣くことも　許されないでしょう

(いつまでもあるってしんじてたけど)

いつまでも在るって　信じてたけど

(ほほえむようにこえもなくきえてった)

微笑むように声もなく　消えてった

(でもぼくのなかのこれはずっと)

でも僕の中の　コレはずっと

(ここにあるでしょう)

ココにあるでしょう

(きえないでしょう)

消えないでしょう

(ふえていくでしょう)

増えていくでしょう

(わらえるでしょう)

笑えるでしょう