喪失寓意 -LOST BALLADE-

(かえるじかんをみうしなってさまようはてに)

還る時間を見失って彷徨う果てに

(まちのすきまにひそんだいぎょうのたましい)

街の隙間に潜んだ異形の魂

(ざっとうとけんそうにまぎれまちのぞんでいる)

雑踏と喧騒に紛れ 待ち望んでいる

(じんがいたちがさんざめくよるのおとずれ)

人外達がさんざめく 夜の訪れ

(つきないそのやみをはらおう)

尽きないその闇を祓おう

(まてんろうからとかいをふかんするんだ)

摩天楼から都会を俯瞰するんだ

(かくれんぼはおわりにしよう)

隠恋慕は終わりにしよう

(さびのようにやみにこびりついた)

錆の様に闇にこびりついた

(じょうがんにうつるかなしみを)

浄眼に映る悲しみを

(りんねからときはなつもういいよ)

輪廻から解き放つ「もういいよ」

(こだまするそのことばが)

木霊するその言葉が

(だれのみみにもとどかないままに)

誰の耳にも届かない儘に

(みえはしないもののそんざいのいたみ)

見えはしないモノの存在の痛み

(えいえんにかえすのさ)

永遠に還すのさ

(ものがたられることのないぐういたち)

物語られることのない寓意達

(このむねにとどめて)

この胸に留めて

(たどりつくべきばしょもしらされないで)

辿り着くべき場所も知らされないで

(みらいをつむいでゆく)

未来を紡いでゆく

(まいごとしてうまれてきたものたちの)

迷子として生まれてきた者達の

(せかいをみまもるため)

世界を見守る為

(かつてだれもがもっていたはずのおそれは)

嘗て誰もが持っていた筈の畏れは

(へんようしていまもそのむねにすくってる)

変容して今もその胸に巣食ってる

(ひとりぼっちなっていったのは)

独りぼっちなっていったのは

(とうぜんのきけつだなんて)

当然の帰結だなんて

(のろいたちはてまねいているのさ)

呪い達は手招いているのさ

(もっとくらいほうへ)

もっと暗い方へ

(つきないそのやみをはらおう)

尽きないその闇を祓おう

(のぞみもしないあそびのやくそくの)

望みもしない遊びの約束の

(ゆびきりをしいられているね)

指切りを強いられているね

(じぶんでさえもきづけないうちに)

自分でさえも気づけない内に

(そのままでかまわないよ)

そのままで構わないよ

(こころからときはなつもういいよ)

心から解き放つ「もういいよ」

(りふじんなくのうのばらっども)

理不尽な苦悩のバラッドも

(いまはそうしつさせてあげるから)

今は喪失させてあげるから

(ひとのたましいにおういんされてきた)

人の魂に押韻されてきた

(ぜつぼうをきぼうにかえよう)

絶望を希望に変えよう

(ものがたられることのないぐういたち)

物語られることのない寓意達

(このむねにとどめて)

この胸に留めて

(たいようとつきがまわってくあいまに)

太陽と月が廻ってく合間に

(みまもっていきたいんだ)

見守っていきたいんだ

(まいごとしてうまれてきたものたちが)

迷子として生まれてきた者達が

(うけついでいくおもいを)

受け継いでいく想いを

(おわらないあらそいつきないやみ)

終わらない争い 尽きない闇

(そのはざまで)

その狭間で

(こいねがうようにさけぶそのこえがなんども)

請い願う様に叫ぶその声が何度も、

(きょうもなんどももういいかいとひびく)

今日も何度も「もういいかい」と響く

(みえはしないもののそんざいのいたみ)

見えはしないモノの存在の痛み

(えいえんにかえすのさ)

永遠に還すのさ

(ものがたられることのないぐういたち)

物語られることのない寓意達

(このむねにとどめて)

この胸に留めて

(いきることのいみをもとめさまよえる)

生きることの意味を求め彷徨える

(じだいのまよいごたちよ)

時代の迷子達よ

(まだだよあしたへあゆみをとめるな)

「まだだよ」明日へ歩みを止めるな

(けつみゃくにねがいをきざんで)

血脈に願いを刻んで