卒業

(しぶやえきまえはきょうもうるさいなかなかふたりになれない)

渋谷駅前は今日もうるさい　なかなか二人になれない

(たまにはてをつなぎたいそんなにすなおになれない)

たまには手を繋ぎたい　そんなに素直になれない

(かえりのでんしゃはぎゅっとこみあいおりるとびらははんたい)

帰りの電車はギュッと混みあい　降りる扉は反対

(そのときふとめとめがあい)

その瞬間ふと目と目が合い

(ふたりてつないでいたんだ)

二人、手繋いでいたんだ

(してあげられることいくつもない)

してあげられることいくつもない

(しいてあげるならうでまくらくらい)

しいてあげるなら腕枕くらい

(むりにせのびかっこうつけたってあんまりきづいてくれない)

無理に背伸び、格好つけたって　あんまり気付いてくれない

(そんなきみにはわるぎがない)

そんな君には悪気がない

(でもぼくにはまるでよゆうがない)

でも僕にはまるで余裕がない

(ぼくをわかってくれないきみをわかってあげたい)

僕をわかってくれない　君をわかってあげたい

(かわぞいのまちしゅうでんしゃたち)

川沿いの町　終電車たち

(でんえんとしやじるしはみどり)

田園都市　矢印は緑

(ぼくはきみのなんだった)

僕は君の何だった

(ふゆになればもういちねんだね)

冬になればもう一年だね

(あいしたってあいされたってみがってだっておもった)

愛したって愛されたって　身勝手だって思った

(ぼくはわかんなかった)

僕はわかんなかった

(さよならはいわないで)

さよならは言わないで

(ぼくらともだちにもどろう)

僕ら、友達に戻ろう

(わかれてやっときづいたの)

別れてやっと気付いたの

(ねえなんでこんなにさみしいの)

ねぇなんでこんなに寂しいの

(かえてしまったつめのいろ)

変えてしまった爪の色

(わたしまっかにもどしたの)

私、真赤に戻したの

(おはようおやすみってだれにいうの)

おはよう、おやすみ、って誰に言うの

(あいつのぐちもすぐきいてほしい)

あいつの愚痴もすぐ聞いてほしい

(またおいしいおみせみつけたのやだひとりごとみたいだ)

また美味しいお店見つけたの　やだ、独り言みたいだ

(かわいたらんじぇりーおもわずわらったばらえてぃー)

乾いたランジェリー　思わず笑ったバラエティー

(へやにはわたしひとりきり)

部屋には、私、一人きり

(ふゆになるとまたおもいだすね)

冬になるとまた思い出すね

(なんてゆうかかなしかったときのことですらも)

なんて言うか、悲しかった時のことですらも

(わすれたくないっておもうの)

忘れたくないって思うの

(ありがとうっていわないで)

ありがとうって言わないで

(わたしたちこいびとにもどろう)

私たち、恋人に戻ろう

(きみよりかわいくていいこ)

君より可愛くていい子

(おれよりずっとやさしいひと)

俺よりずっと優しい人

(そんなのいくらでもいるよ)

そんなのいくらでもいるよ

(きみのこころがいやだったおれはこころがいたかった)

君の心が嫌だった　俺は心が痛かった

(でもきみがすきだった)

でも　君が好きだった

(いちまんかいまちがったって)

一万回間違ったって

(こいやあいをやめられないさ)

恋や愛をやめられないさ

(さよならだけをつたえるつもりがありがとうという)

さよならだけを伝えるつもりがありがとうと言う

(ぼくにとってきみにとってじゃなくふたりにとって)

僕にとって　君にとって　じゃなく　二人にとって

(こどものままじゃだめだでも)

子供のままじゃダメだ　でも

(おとなってなんだ)

大人ってなんだ

(しぶやえきまえはきょうもうるさい)

渋谷駅前は今日もうるさい

(なかなかひとりになれない)

なかなか一人になれない

(まちかどでひとがだきあいとうきょうはもうはるみたい)

街角で人が抱き合い　東京はもう春みたい

(かえりのでんしゃはすぐすわれた)

帰りの電車はすぐ座れた

(いつものえきとははんたい)

いつもの駅とは反対

(こいびとでもともでもない)

恋人でも　友でもない

(ふたりからのそつぎょう)

二人からの卒業