少女ナイフ５
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問題文
(まいにちちゃんとたのしいのにまいにちちょっとだけつまらなくて、)
81．毎日ちゃんと楽しいのに毎日ちょっとだけつまらなくて、
(わらっていてもなんだかくるしくて、)
笑っていても何だか苦しくて、
(ほんとうのわたしはどこにいてどんなかおをしているんだろう。)
本当の私はどこにいてどんな顔をしているんだろう。
(ないていたらどうしよう。)
泣いていたらどうしよう。
(ほんとうはないているわたしをまもるために)
本当は泣いている私を守るために
(ひっしにわらってとりつくろっているのがいまのわたしだとしたら、)
必死に笑って取り繕っているのが今の私だとしたら、
(おもいきりなけるばしょをください。)
思い切り泣ける場所をください。
(こわれてしまうまえに。)
壊れてしまう前に。
(ほめことばのように、きみはつよいねっていわれるとこわくなります。)
82．褒め言葉のように、君は強いねって言われると怖くなります。
(よわいわたしです。)
弱い私です。
(だいじょうぶってむりしてわらうことになれすぎてむりしていることをわすれて、)
83．大丈夫って無理して笑うことに慣れすぎて無理していることを忘れて、
(だいじょうぶじゃないことまでわすれてた。)
大丈夫じゃないことまで忘れてた。
(わたし、いまだきしめられてせなかをやさしくなでられたらなくとおもう。)
私、いま抱きしめられて背中を優しく撫でられたら泣くと思う。
(いきるっていたい。)
84．生きるって痛い。
(きょうもそとではにこにこして、)
85．今日も外ではにこにこして、
(ばんにんうけするおんなのこをやりとげ、)
万人受けする女の子をやり遂げ、
(ひとりになってひとがかわったようになきじゃくります。)
一人になって人が変わったように泣きじゃくります。
(あれからどれくらいたったでしょう。すきなひとができました。)
86．あれからどれくらい経ったでしょう。好きな人ができました。
(そのひとがこいびとになりました。わたしはとてもしあわせにくらしています。)
その人が恋人になりました。私はとても幸せに暮らしています。
(こいびとにとてもあいされて、わたしもこいびとのことをあいしています。)
恋人にとても愛されて、私も恋人のことを愛しています。
(きっとこのさき、わたしはしあわせになります。)
きっとこの先、私は幸せになります。
(たまにあなたのことをおもいだしてしまうことはあのひからなにもかわりません。)
たまにあなたのことを思い出してしまうことはあの日からなにも変わりません。
(なんどもおったきずになれてしまって、もういたくもなくて、)
87．何度も負った傷に慣れてしまって、もう痛くもなくて、
(「またか」とあきらめににたむなしさになみだもでてこないことがくやしい。)
「またか」と諦めに似た虚しさに涙も出てこないことが悔しい。
(きょうのわたしはいつもよりかわいくしあがったので、)
88．今日の私はいつもより可愛く仕上がったので、
(あなたにみせたくなったのです。)
あなたに見せたくなったのです。
(かわいいとおもわせたいのです。あわよくばほれさせたいのです。)
可愛いと思わせたいのです。あわよくば惚れさせたいのです。
(そんなつよがりをいいながら、わたしはただたんじゅんにあなたにあいたいだけなのです。)
そんな強がりを言いながら、私はただ単純にあなたに会いたいだけなのです。
(あいたいです。)
会いたいです。
(すきですとゆうきをふりしぼってふるえるこえではっしたわたしのきもちを、)
89．好きですと勇気を振り絞って震える声で発した私の気持ちを、
(「ありがとう」とかんしゃのことばでかえされて、)
「ありがとう」と感謝の言葉で返されて、
(わたしはかんしゃされたくてすきになったのではないのだから)
私は感謝されたくて好きになったのではないのだから
(ふるならはっきりとふってくれなければ)
振るならはっきりと振ってくれなければ
(わたしがどうしていいかこまるじゃないですか。)
私がどうしていいか困るじゃないですか。
(ちいさなころはすりむいたひざがいたいのだと、)
90．小さなころは擦りむいた膝が痛いのだと、
(ひどいことをいわれてかなしいのだと)
酷いことを言われて悲しいのだと
(おおきなこえでなぐさめてくれとしゅちょうするようにないていたのに、)
大きな声で慰めてくれと主張するように泣いていたのに、
(おとなになるとこころがいたいとこえをころしてなくのだとまなんだ。)
大人になると心が痛いと声を殺して泣くのだと学んだ。