ウィスパー/キタニタツヤ

(だれにもきこえないさけびを)

誰にも聞こえない叫びを

(ともだちさえしらない、すきとおるつばさを)

友達さえ知らない、透き通る翼を

(かくしていた)

隠していた

(とけてくあめだま、さびしくて)

溶けてく飴玉、寂しくて

(おとなへとちかづく)

大人へと近づく

(つまさきでたってる)

つま先で立ってる

(あたたかなたいようさえまぶしくてうとましくおもえてしまうこと)

あたたかな太陽さえ眩しくて疎ましく思えてしまうこと

(じぶんだけがまちがいをかかえてるきがしてかなしくもなるけど)

自分だけが間違いを抱えてる気がして悲しくもなるけど

(よわさをかかえたぼくたちに)

弱さを抱えた僕たちに

(でもこどくをあいせるぼくたちに)

でも孤独を愛せる僕たちに

(おまじないのめろでぃをくれるような)

おまじないのメロディをくれるような

(ひみつのにげばしょがあるよ)

秘密の逃げ場所があるよ

(きょうかしょをとじたぼくたちに)

教科書を閉じた僕たちに

(わるいことをしりたいぼくたちに)

悪いことを知りたい僕たちに

(じぶんらしさのりずむをくれるような)

自分らしさのリズムをくれるような

(ちいさくひびくささやきを)

小さく響くささやきを

(いつも)

いつも

(ないているきみのめがしらをぬぐって)

泣いている君の目頭をぬぐって

(わらっているきみのいまをいろどって)

笑っている君の今を彩って

(いつも)

いつも

(あいたくちからあふれそうなよわねを)

開いた口から溢れそうな弱音を

(うたがうわがきして、すこしらくになる)

歌が上書きして、少し楽になる

(はしりだしたぼくらのおいかぜになるおと)

走り出した僕らの追い風になる音

(かくしたおさないはね、いまならとべるかな)

隠した幼い羽、今なら飛べるかな

(てんしたちがくれたやさしいおもいこみのうたを)

天使たちがくれたやさしい思い込みの歌を

(そらからばらまこう、まちじゅうにつもるほど)

空からばら撒こう、街じゅうに積もるほど

(たがいをしりたいぼくたちに)

互いを知りたい僕たちに

(でもきずをおいすぎたぼくたちに)

でも傷を負いすぎた僕たちに

(やわらかなはーもにーをくれるような)

柔らかなハーモニーをくれるような

(てさぐりのことばがあるよ)

手探りの言葉があるよ

(くつずれがいたむぼくたちに)

靴擦れが痛む僕たちに

(それでもあるいてゆくぼくたちに)

それでも歩いてゆく僕たちに

(いきることをてつだってくれるような)

生きることを手伝ってくれるような

(ちいさくひびくささやきを)

小さく響くささやきを

(いつも)

いつも

(ないているきみのめがしらをぬぐって)

泣いている君の目頭を拭って

(わらっているきみのいまをいろどって)

笑っている君の今を彩って

(いつも)

いつも

(あいたくちからあふれそうなよわねを)

開いた口から溢れそうな弱音を

(うたがうわがきして、すこしらくになる)

歌が上書きして、少し楽になる