怖い話《だましたな!》

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問題文
(ありしまかせいはありしまみつろうがいちだいできずきあげたそざいめーかーだ。)
有島化成は有島満郎が一代で築き上げた素材メーカーだ。
(せんごすぐにそうぎょうしたちいさなまちこうばで、)
戦後すぐに創業した小さな町工場で、
(ぷらすちっくのかこうのしごとをうけおっていたが、)
プラスチックの加工の仕事を請け負っていたが、
(いまではしゃいんすうせんにんほどのだいきぎょうにまでせいちょうした。)
今では社員数千人ほどの大企業にまで成長した。
(そうぎょうしゃのありしまはがんこものでゆうめいで、かいちょうにしりぞいたあとも、)
創業者の有島は頑固者で有名で、会長に退いた後も、
(せいひんのきかくかいぎにかならずさんかして、ときにはしゃちょうをふくむけいえいじんをしかりとばしていた。)
製品の企画会議に必ず参加して、時には社長を含む経営陣を叱り飛ばしていた。
(そんなありしまももう90さいで、びょうしょうにふせっておりさきはながくないだろう。)
そんな有島ももう90歳で、病床にふせっており先は長くないだろう。
(ながいじんせいであらゆるゆめをじつげんしてきたかれだが、)
長い人生であらゆる夢を実現してきた彼だが、
(ひとつだけじつげんできなかったゆめがある。)
一つだけ実現できなかった夢がある。
(それは、かれがわかいころからゆめみていた「まぼろしのそざい」をはつめいすることだ。)
それは、彼が若い頃から夢見ていた「幻の素材」を発明することだ。
(それはとうめいで、ねつを100%しゃだんし、ねっしてもぜったいにへんけいしない)
それは透明で、熱を100%遮断し、熱しても絶対に変形しない
(ぷらすちっくである。)
プラスチックである。
(びょうしつにみまいにいったしゃちょうのきむらは、ありしまにこうつげられた。)
病室に見舞いに行った社長の木村は、有島にこう告げられた。
(「きむらくん、わしももうながくないだろう。)
「木村くん、ワシももう長くないだろう。
(さいごにいちどでいいから、まぼろしのそざいをおがんでからしにたかったのう。」)
最期に一度でいいから、幻の素材を拝んでから死にたかったのう。」
(そうつげられたきむらはいてもたってもいられなかった。)
そう告げられた木村はいてもたってもいられなかった。
(とうめいでねつをしゃだんするぷらすちっくはもうすでにかいはつにせいこうしているのだが、)
透明で熱を遮断するプラスチックはもうすでに開発に成功しているのだが、
(みっつめのようけんであるへんけいしないというてんがどうしてもじつげんできずにいるのだ。)
三つ目の要件である変形しないという点がどうしても実現できずにいるのだ。
(かいしゃにもどってほかのけいえいじんとぎろんしたけっか、きむらはおそろしいあいであをおもいつく。)
会社に戻って他の経営陣と議論した結果、木村は恐ろしいアイデアを思いつく。
(ありしまに、まぼろしのそざいがついにかんせいしたとうそをつくのだ。)
有島に、幻の素材が遂に完成したと嘘をつくのだ。
(どうせさきのみじかいろうじんだ、うそをいってもきづくまい。)
どうせ先の短い老人だ、嘘を言っても気付くまい。
(それよりもさいごにかいちょうのよろこぶかおがみたい。)
それよりも最期に会長の喜ぶ顔が見たい。
(きむらはそうかんがえた。)
木村はそう考えた。
(ありしまはそのはなしをきいてないてよろこんだ。)
有島はその話を聞いて泣いて喜んだ。
(なにしろ、じぶんのながねんのゆめがついにかなったのだから。)
なにしろ、自分の長年の夢が遂に叶ったのだから。
(「きむらくん、さいごのおねがいじゃ。)
「木村くん、最後のお願いじゃ。
(かんせいしたまぼろしのそざいをいだいてわしはしにたい。)
完成した幻の素材を抱いてワシは死にたい。
(かそうするときに、かならずかんにいれてくれ」)
火葬するときに、必ず棺に入れてくれ」
(きむらはありしまのてをにぎってうなずくと、そのままありしまはしあわせそうなかおをしていきたえた。)
木村は有島の手を握って頷くと、そのまま有島は幸せそうな顔をして息絶えた。
(ありしまのそうぎはせいだいにおこなわれた。)
有島の葬儀は盛大に行われた。
(やくそくどおり、そのかいはつとちゅうのぷらすちっくそざいをだきかかえるようにして)
約束通り、その開発途中のプラスチック素材を抱きかかえるようにして
(ほほえむようなかおのありしまに、みなはさいごのおわかれをした。)
微笑むような顔の有島に、皆は最期のお別れをした。
(そのままひるぎはかそうばへおくられたが、かそうがおわり、)
そのまま昼義は火葬場へ送られたが、火葬が終わり、
(しゅうこつにたちあったものたちはみなぎょっとしたかおをしていた。)
収骨に立ち会った者たちは皆ギョッとした顔をしていた。
(ぷらすちっくがねつでとけてありしまのかおをおおったため、)
プラスチックが熱で溶けて有島の顔を覆った為、
(ねつがしゃだんされてかおだけがのこっていたのだから。)
熱が遮断されて顔だけが残っていたのだから。
(そして、とうめいなぷらすちっくのしたには、)
そして、透明なプラスチックの下には、
(かっとめをみひらき、まるでだまされたむねんをうったえるかのように、)
かっと眼を見開き、まるで騙された無念を訴えるかのように、
(おおきくくちをあけていかりでゆがんだおそろしいぎょうそうのありしまのかおが)
大きく口を開けて怒りで歪んだ恐ろしい形相の有島の顔が
(そのままやけずにのこっていたのである。)
そのまま焼けずに残っていたのである。