瓜売りに瓜二つ

(「うりうりそのものですぞ！」)

「瓜売りそのものですぞ！」

(「さすがでんか！！」)

「さすが殿下！！」

(「よおっ！にほんいち～！！」)

「よおっ！　日本一～！！」

(うりうりに～うりふたつ～)

瓜売りに～瓜二つ～

(よっ！)

よっ！

(めされそうらえ～)

召されそうらえ～

(よい！よい！よいよいよ～い)

よい！よい！よいよいよ～い

(ちゃはいらんかの？)

茶はいらんかの？

(はあいらんいらん)

はあいらん　いらん

(あじかかわしかわし)

あじか　買わし　買わし

(よい！よい！よいよいよ～い)

よい！よい！よいよいよ～い

(うりうりが～うりうりにきて（よっ！）)

瓜売りが～　瓜売りに来て(よっ！)

(うりうりのこし～)

瓜売り残し～

(よいよいよい！)

よいよいよい！

(うりうりかえる（よっ）うりうりのこえ～)

売り売り帰る(よっ)　瓜売りの声～

(うりくだされ！)

瓜くだされ！

(おうりくだされ！)

お売りくだされ！

(うれのこりうりが（はっ！）)

売れ残り瓜が(はっ！)

(うりうりきれた)

瓜売り切れた

(よっ！よっ！い～～～よおっ！)

よっ！よっ！い～～～よおっ！

(「いちたろう！ちょうしはいかがじゃ」)

「一太郎！　調子はいかがじゃ」

(「でんかのかくべつなるはいりょにより、このとおりにございます」)

「殿下の格別なる配慮により、この通りにございます」

(「どうじゃ！ほんもののうりうりのようじゃろ！」)

「どうじゃ！　本物の瓜売りのようじゃろ！」

(「はい。みまごうほどにうりふたつですな」)

「はい。見紛(みまご)うほどに瓜二つですな」

(「あぁ！わしはほんもののうりうりさえもこえてみせるぞ！)

「あぁ！　儂は本物の瓜売りさえも超えてみせるぞ！

(さあ、みなのもの！おもうさまさわげえ！もりあがるのじゃあ！」)

さあ、皆の者！　思うさま騒げえ！　盛り上がるのじゃあ！」

(うりうりに～うりふたつ～（よっ！）)

瓜売りに～　瓜二つ～(よっ！)

(うりうりに～うりふたつ～（よっ！）)

瓜売りに～　瓜二つ～(よっ！)

(「あまりたのしくないかい？」)

「あまり楽しくないかい？」

(「え．．．？」)

「え...？」

(「なんだかつまらなそうだよ」)

「なんだかつまらなそうだよ」

(「．．．ああ。おとうとたちがいたらおおいにたのしんでいるでしょうな」)

「...ああ。弟たちがいたら大いに楽しんでいるでしょうな」

(「きみって．．．」)

「キミって...」

(「はい？」)

「はい？」

(「いや」)

「いや」

(「あんたじしんはどうだ？ときかれているんだよ」)

「あんた自身はどうだ？と聞かれているんだよ」

(「わたしじしん．．．．．．」)

「私自身......」

(「おいおい、はなしこんでないでほれ」)

「おいおい、話し込んでないでほれ」

(「こっちやこっち」)

「こっちやこっち」

(「これこれ。かおがこわいぞ」)

「これこれ。顔が怖いぞ」

(「ほれほれ、なかへ」)

「ほれほれ、中へ」

(「ちょっ．．．．．．」)

「ちょっ......」

(うりうりが～うりうりにきて（よっ！）)

瓜売りが～　瓜売りに来て(よっ！)

(うりうりのこし～（よいよいよい！）)

瓜売り残し～(よいよいよい！)

(うりうりかえる（はっ！）うりうりのこえ～)

売り売り帰る(はっ！)　瓜売りの声～

(（よっ！よっ！い～～～よおっ！）)

(よっ！よっ！い～～～よおっ！)