ミジ子の恋

(ぷれぱらーとのなかからひとめぼれしました)

プレパラートの中からひとめぼれしました

(たいぶつれんずごしにあっため)

対物レンズ越しに合った目

(いっしょうのたけあわせ)

一生の丈合わせ

(いきてるすけーるちがうので)

生きてるスケール違うので

(かみさまありがとう)

かみさまありがとう

(これであいにゆけます)

これで逢いに行けます

(びしょうじょてんこうせい)

美少女　転校生

(ざわつくきょうしつぬけだして)

ざわつく教室抜け出して

(きゅうこうしゃのりかしつへ)

旧校舎の理科室へ

(およいでとらえて)

泳いで　捉えて

(こっちみて)

こっちみて

(たいぶつれんずごしにあっため)

対物レンズ越しに合った目

(とうしんだいめのまえにそろっちゃって)

等身大　目の前に揃っちゃって

(おおみえきってしまったはいいけど)

大見得切ってしまったはいいけど

(きみのなまえもしらない)

君の名前も知らない

(おちかづきになりたい)

おちかづきになりたい

(すきなすいしつとかきいてみたい)

好きな水質とか聞いてみたい

(すっとんきょうしんじるわけないんだって)

素っ頓狂　信じるわけないんだって

(まいくろてきじょうしきにあっかんべ)

マイクロ的常識にあっかんべ

(にんげんなんかにきょうみはないとか)

人間なんかに興味はないとか

(おっしゃらないでちょうだい)

おっしゃらないで頂戴

(おなじめせんにたちたいの)

同じ目線に立ちたいの

(かんそくぞっこうあきらめちゃ、め )

観測続行　諦めちゃ、め

(しんじられないほどあんちょくななまえ)

▼信じられないほど安直な名前…

(それでなじめるのはさいのうね)

▼それで馴染めるのは才能ね

(でも、もうしわけないけどおぼえておいて)

▼でも、申し訳ないけど覚えておいて

(いつかはとけるのがまほうなの)

▼いつかは解けるのが魔法なの

(りそうきょうとくとうせき)

理想郷　特等席

(かがくぶぶいんはふたりだけ)

科学部部員はふたりだけ

(きゅうこうしゃのかけどけいは)

旧校舎の掛け時計は

(くるってとまって)

狂って　止まって

(おっこちて)

おっこちて

(とりこわされるんだって)

取り壊されるんだって

(ひゃくねんめのはるやすみ)

百年目の春休み

(かがくぶ、はいぶになるんだって)

「科学部、廃部になるんだって」

(きみにあいたい)

君に会いたい

(うまくはしれない)

うまく走れない

(たいぶつれんずごしにあっため)

対物レンズ越しに合った目

(おうちみたいななみだをためて)

おうちみたいな涙を溜めて

(おいかけてきてしまったはいいけど)

追いかけてきてしまったはいいけど

(かけることばもしらない)

かける言葉も知らない

(うそでだましたくない)

嘘で騙したくない

(ほんのすこしだけをきいてほしい)

ほんの少しだけを聞いてほしい

(ずっとひとつしんじるものがあったって)

「ずっとひとつ信じるものがあったって」

(そのひかりにひかれたんだって)

その光に惹かれたんだって

(なくなっちゃったらいみとかない)

「なくなっちゃったら意味とかない」

(ねえそんなことないぜったい)

ねえ　そんなことない絶対

(わたしがしょうめいするんだから)

わたしが証明するんだから

(たいぶつれんずごしにあっため)

対物レンズ越しに合った目

(とうしんだいめのまえにそろっちゃって)

等身大　目の前に揃っちゃって

(おおみえきってしまったはいいけど)

大見得切ってしまったはいいけど

(きみのこころはすけない)

君の心は透けない

(かみさまごめんなさい)

かみさまごめんなさい

(あききょうしつほかにはだれもいない)

空き教室　ほかには誰もいない

(すっとんきょうしんじるわけないんだって)

素っ頓狂　信じるわけないんだって

(まいくろてきじょうしきにあっかんべ)

マイクロ的常識にあっかんべ

(しぜんはっかしそうなぷらんくとん)

自然発火しそうなプランクトン

(おわらないで、こい)

終わらないで、恋

(からだもぜんぶすけちゃうの)

体も全部透けちゃうの

(きいて)

聞いて

(ぷれぱらーとのなかからひとめぼれしました)

プレパラートの中からひとめぼれしました

(さいごのちゃいむでまほうがとけて)

最後のチャイムで魔法が解けて