収容室

(かれはそとをしらずにいきてきたから)

彼は外を知らずに　生きてきたから

(こっからのがれたいなんておもわない)

こっから逃れたいなんて思わない

(ちいさなまどにふちどられたそらにやるせなさすかして)

小さな窓に縁どられた空に　やるせなさ透かして

(ふまじめしゅたいせいなくくらいめ)

不真面目　主体性なく暗い目

(ねがいやもくひょうなんてないいきがつづいてるわけがわからない)

願いや目標なんてない　息が続いてる訳が分からない

(かれはそとをしらずにいきてきたから)

彼は外を知らずに　生きてきたから

(せかいのひろさにそうぞうはいたらないとじこめられてるときづくためには)

世界の広さに想像は至らない　閉じ込められてると気付く為には

(しらなきゃはてしなさせきららないきざまのかげひなた)

知らなきゃ果てしなさ　赤裸々な生き様の陰日向

(だけどここにいるかぎりはついてまわるわびしさ)

だけどここにいる限りは　ついて回る侘しさ

(あのときひとりになってやみにひたっていだくもやもや)

あのとき一人になって　闇に浸って　抱くもやもや

(それらがこどくじゃないってふこうじゃないっておしえてくれた)

それらが孤独じゃないって　不幸じゃないって　教えてくれた

(あなたはどこにいたってひびきわたってつたわるこえ)

あなたはどこにいたって　響き渡って　伝わる声

(たずねたあなたはだれとうたなまえしるよしもなく)

尋ねたあなたは誰　問うた名前　知る由もなく

(あらうられあらうられ)

アラウラレ　アラウラレ

(かれはそとをしらずにいきてきたから)

彼は外を知らずに　生きてきたから

(うとまれるのがとうぜんとおもっていたんだ)

疎まれるのが当然と思っていたんだ

(いたくてもくちにはださずにさけびごえたえしのんでｓｏｓすらめんどうで)

痛くても口には出さずに　叫び声　耐え忍んで　SOSすら面倒で

(ささくれだったおもてむきそのじつ、ひかんでできたほねぐみ)

ささくれ立った表向き　その実、悲観でできた骨組み

(かれはそとをしらずにいきてきたから)

彼は外を知らずに　生きてきたから

(かちはかるのがぶっしつだけとしんじてないものねだりでほしがって)

価値図るのが物質だけと信じて　無い物ねだりで欲しがって

(じぶんはがらんどうではいるかんおけおやにはできないかおむけ)

自分は伽藍洞で入る棺桶　親にはできない顔向け

(ひげしたところできりがないじこけんおはいじきたない)

卑下したところできりがない　自己嫌悪は意地汚い

(あのときやめときなってひきとめたっけだれもがみんな)

あのとき止めときなって　引き止めたっけ　誰もが皆

(それらをおこっていいってきらっていいっておしえてくれた)

それらを怒っていいって　嫌っていいって　教えてくれた

(あなたはたったひとりがんばりなってせなかをおした)

あなたはたった一人　頑張りなって　背中を押した

(さりゆくせなかにあめふいにわかれなのりもせずに)

去りゆく背中に雨　ふいに別れ　名乗りもせずに

(あらうられあらうられ)

アラウラレ　アラウラレ

(かれはそとをしらずにいきてきたから)

彼は外を知らずに　生きてきたから

(じゆうであることのこわさをしらなかった)

自由であることの怖さを知らなかった

(はてのないすいへいせんにたちすくみふるえるひざをおさえて)

果てのない水平線に立ちすくみ　震える膝を押さえて

(かれはそとをしらずにいきてきたから)

彼は外を知らずに　生きてきたから

(せかいをしったときはじめておもった)

世界を知ったとき　初めて思った

(ようやくほをはるもとからないぜこんぱす)

ようやく帆を張る　元から無いぜコンパス

(ほどなくおそわるあんたのなまえは「おんがく」)

ほどなく教わる　あんたの名前は「音楽」

(あのときりかいしゃなんてふようだなんておもってたけど)

あのとき理解者なんて　不要だなんて　思ってたけど

(それらがこんきょになってゆらいになっていみをあたえた)

それらが根拠になって　由来になって　意味を与えた

(どれだけまちがったってきらわれたってじぶんでいいと)

どれだけ間違ったって　嫌われたって　自分でいいと

(みとめてくれたあなたいまでもまだくされえんのつれ)

認めてくれたあなた　今でもまだ腐れ縁の連れ

(あらうられあらうられ)

アラウラレ　アラウラレ