こどものしくみ

(さとうをなめたらあまいあじなのはしってる)

砂糖を舐めたら甘い味なのは知ってる

(だけどひこうきぐもがどんなあじするかはしらない)

だけど飛行機雲がどんな味するかは知らない

(このなつやすみがいつかおわることしってる)

この夏休みがいつか終わること知ってる

(だけどぼくらがしんだらどうなるかはぴんとこないまま)

だけどぼくらが死んだらどうなるかはピンとこないまま

(さいこうのさいこうのおもいでたちは)

最高の最高の思い出たちは

(せいちょうのせいちょうのいたみとともに)

成長の成長の痛みとともに

(きもちわるいむしでもてづかみで)

気持ち悪い虫でも手掴みで

(きもちがいいとほおをあからめて)

気持ちがいいと頬を赤らめて

(さいていなおとぎばなしでもまだいばしょはそこにあった)

最低なおとぎ話でもまだ居場所はそこにあった

(こどものしくみおしえてよねえ)

こどものしくみ教えてよねえ

(おとなのせんにゅうかんはしょうもないのねえ)

大人の先入観はしょうもないのねえ

(ひくいしんちょうをぶきにしながら)

低い身長を武器にしながら

(かんじょうのしくみをぶんかいしてねえ)

感情のしくみを分解してねえ

(すべてをみすかしやんなってもねえ)

すべてを見透かしやんなってもねえ

(なつのよるどきどきしたかったきみと)

夏の夜ドキドキしたかった君と

(おとなにもらったおもちゃのふえをならしてる)

大人にもらったおもちゃの笛を鳴らしてる

(だからやましいきもちではくちのふりをつづけてる)

だからやましい気持ちではくちのふりを続けてる

(まるでゆうやみのじらいげんをはしるみたいだな)

まるで夕闇の地雷原を走るみたいだな

(かげがのびてくまつりばやしはとおのく)

影が伸びてく祭囃子は遠のく

(そうぞうのそうぞうのちっちゃなはなびは)

想像の想像のちっちゃな花火は

(あいぞうをあいぞうをのみこむように)

愛憎を愛憎を飲み込むように

(くじらのせなかでおぼれるたびにえにっきにしゅせいはいるたびに)

鯨の背中で溺れるたびに絵日記に修正入るたびに

(ちょうしづいたげんじつがついにひみつきちをぶっこわした)

調子づいた現実がついに秘密基地をぶっ壊した

(こどものしくみおしえてよねえ)

こどものしくみ教えてよねえ

(せんぱいのりんりかんはもんだいないのねえ)

センパイの倫理観は問題ないのねえ

(ふるいななふしぎまにうけながら)

古い七不思議真に受けながら

(みにくいこころをこうかいしてねえ)

醜い心を後悔してねえ

(えがおのしゃしんやぶらないでねえ)

笑顔の写真破らないでねえ

(せみしぐれわくわくしたかったずっと)

蝉時雨ワクワクしたかったずっと

(かやのなかでねむっていたむかしのぼく)

蚊帳の中で眠っていた昔の僕

(へいわそうなねがお)

平和そうな寝顔

(こどもしくみおしえてよねえ)

こどものしくみ教えてよねえ

(おとなのせんにゅうかんはしょうもないのねえ)

大人の先入観はしょうもないのねえ

(ひくいしんちょうをぶきにしながら)

低い身長を武器にしながら

(かんじょうのしくみをぶんかいしてねえ)

感情のしくみを分解してねえ

(すべてをみすかしやんなってもねえ)

すべてを見透かしやんなってもねえ

(びんのらむねをこぼしながらまた)

瓶のラムネをこぼしながらまた

(みにくいこころをこうかいしてねえ)

醜い心を後悔してねえ

(ひょうげんのじゆううばわないでねえ)

表現の自由奪わないでねえ

(なつのよるどきどきしたかったずっと)

夏の夜ドキドキしたかったずっと

(なんでもできるとしんじていた)

なんでもできると信じていた

(ちいさなてのひら)

ちいさなてのひら