永遠花火　タイピング

(てさぐりでさがすてんじらいたー)

手探りで探す点字ライター

(ふれてしまったあなたのはくい)

触れてしまったあなたの白衣

(おくじょうへにげてこいがいたむ)

屋上へ逃げて恋が痛む

(はるかにきくうちあげはなび)

遥かに聞く打ち上げ花火

(ははがしかるあなたをすきになっちゃだめと)

母が叱る　あなたを好きになっちゃダメと

(たやすくわすれられるなら)

容易く忘れられるなら

(ここでないたりはしていない)

ここで泣いたりはしていない

(でんしゃがとおりすぎるとき)

電車が通り過ぎる時

(あなたにすきといった)

あなたに好きと云った

(これでいいあなたにはきこえなくていいんだ)

これでいい　あなたには聞こえなくていいんだ

(かたおもいのこえはふるえちゃうから)

片想いの声は震えちゃうから

(てんじでさそうはなびたいかい)

点字で誘う花火大会

(あなたがたいぷしたなんじにあう？)

あなたがタイプしたなんじにあう？

(たどったゆびがしんじられない)

辿った指が信じられない

(ほえるぶらいゆにひかれてとしまえん)

吠えるブライユに引かれて豊島園

(ぼくにあなたはみえなくても)

僕にあなたは見えなくても

(だれよりあなたをみつめてる)

誰よりあなたを見つめてる

(はなびがうちあがるとき)

花火が打ち上がる時

(あなたにすきといった)

あなたに好きと云った

(そのこえはとどかない)

その声は届かない

(きょうはつたえなきゃ)

今日は伝えなきゃ

(はなびがうちあがるたび)

花火が打ち上がる度

(あなたにすきといった)

あなたに好きと云った

(おおごえでさけびつづける)

大声で叫び続ける

(あなたはなきだした)

あなたは泣き出した

(えいえんはなびがうちあがってる)

永遠花火が打ち上がってる

(だきついたのはあなたですか？)

抱きついたのはあなたですか？

(あなたをしょうかいしたひ)

あなたを紹介した日

(はははひとばんじゅうないていた)

母は一晩中泣いていた

(りょうてでさがしてるあなたのくちびるを)

両手で探してるあなたの唇を

(こんなにかっこわるいきすでもいいですか？)

こんなにカッコ悪いキスでもいいですか？

(ふたつのせんこうはなびひとつにまじわるとき)

ふたつの線香花火ひとつに交わる時

(ふたりのくちびるも)

ふたりの唇も

(ひとつにかさなった)

ひとつに重なった

(ときのゆるすかぎりあなたにこいしたい)

時の許す限りあなたに恋したい

(ぼくでもいいのかな)

僕でもいいのかな

(かおやせやかみはみえなくていい)

顔や背や髪は見えなくていい

(こころだけはみえるから)

心だけは見えるから

(じゅうねんさきも)

十年先も

(てらしてるふたりを)

照らしてるふたりを

(えいえんはなびそれは)

永遠花火それは

(いちずにおもうこころ)

一途に想う心

(あおよりあおくあかよりあかい)

青より蒼く赤より紅い

(ぼくらのえいえんはなび)

僕らの永遠花火