おおかみは赤ずきんに恋をした

(ぐうぜんからはじまるひつぜんのわんしーんとおくにみえたのはゆれるあかいろ)

偶然から始まる必然の一場面　遠くに見えたのは揺れる赤色

(ふしぎなもりのおくでみつけたくろいかげとなにかがはじまるよかんこわくてにげだした)

不思議な森の奥で見つけた黒い影と　何かが始まる予感、怖くて逃げ出した

(であいはおわりにつづくしなりおだからわざととおまわりをした)

「出会い」は終わりに続くシナリオ　だからわざと遠回りをした

(あいたいなんてふれたいなんてはなしたいなんておもわない)

会いたい、なんて　触れたい、なんて　話したい、なんて思わない

(かよわいきみとずるいぼくがであうそれがおわりさ)

かよわい君と狡い僕が　「出会う」それが終わりさ

(ざんこくだってののしったってうんめいはかわらない)

残酷だって罵ったって　運命はかわらない

(ああどうしてきみがどうしてぼくがおおかみとあかずきんなんだ)

ああ、どうして君が？どうして僕が？おおかみと赤ずきん、なんだ

(きっときみはきょうもこのみちをおとずれるそしてぼくはきょうもずっとみまもるしかできない)

きっと君は今日もこの道を訪れる　そして僕は今日もずっと見守るしかできない

(きみはあのきのさきでいつもどおりかくれてるわたしはきづかぬふりしたままとおりすぎた)

君はあの木の先でいつも通り、隠れてる　私は気付かぬふりしたまま通り過ぎた

(しせんはからまないこえはとどかないためいきだけがむなしくかさなる)

視線は絡まない声は届かない　ため息だけが虚しく重なる

(あえなくたってふれなくたってはなせなくたっていいから)

会えなくたって　触れなくたって　話せなくたっていいから

(たよりないきみとぎこちないぼくがそこにいるだけでいいんだ)

頼りない君とぎこちない僕が　其処に居るだけでいいんだ

(これがこいだっていわないならことばなんてなくていい)

これが恋だって言わないなら　言葉なんて、無くていい

(ああかんがえたってかんがえたってえんでぃんぐはかわらない)

ああ考えたって考えたって　エンディングは変わらない

(あいたかったんだふれたかったんだはなしたかったほんとは)

会いたかったんだ　触れたかったんだ　話したかった、ほんとは

(かわいいきみとやさしいぼくがであいむすばれるえんど)

かわいい君と優しい僕が　出会い、結ばれる結末

(なんかいだってなんかいだってかみさまにねがったよ)

何回だって何回だって　神様に願ったよ

(でも)

でも…

(かなしいくらいかなしいくらいおおかみとあかずきんなんだ)

悲しいくらい、悲しいくらい　おおかみと赤ずきんなんだ

(ないてるきみをなぐさめたくてのばしたうでがふるえる)

泣いてる君を慰めたくて　伸ばした腕が、震える

(あいしているよだきしめたいよだけどできないんだよ)

愛しているよ抱きしめたいよ　だけど、できないんだよ…！

(どうあがいたってどうねがったってつめもきばもきえない)

どう足掻いたってどう願ったって　爪も牙も消えない

(だからただまってるよきみのなみだがやむまであのきのさきで)

だから、ただ待ってるよ　君の涙が止むまで、あの木の先で

(ずっと)

ずっと…