あの日 僕は咄嗟に嘘をついた

(あのひぼくはとっさにうそをついたんだ)

あの日僕は咄嗟に　嘘をついたんだ

(どんなうそかいまはおぼえていない)

どんな嘘か　今は覚えていない

(それはおとなになってもこころのどこかに)

それは大人になっても　心のどこかに

(にがいえきをにじませているようだ)

苦い液を　滲ませているようだ

(やさしさをかんちがいしてほんとうのきもちをすてた)

やさしさを勘違いして　本当の気持ちを捨てた

(とおくでくがつのせみがないた)

遠くで九月の蝉が鳴いた

(もしもやりなおせるならどこまでまきもどそうか)

もしもやり直せるなら　どこまで巻き戻そうか

(きみとはじめてであったひそれともすきになったひ)

君と初めて出逢った日　それとも好きになった日

(たったひとつのひみつつくってしまっただけで)

たった一つの秘密　作ってしまっただけで

(きみとぼくはちがうそらをみている)

君と僕は　違う空を見ている

(だけどそのまなざしはちゃんとおぼえてる)

だけどその眼差しは　ちゃんと覚えてる

(ほかのことはぜんぶわすれてるのに)

他のことは　全部忘れてるのに

(まるでかめらのしゃったーきったかのように)

まるでカメラのシャッター　切ったかのように

(ぼくのうそがじかんをとめたんだろう)

僕の嘘が　時間を止めたんだろう

(ふたしかなあいのせいできずつけることをおそれた)

不確かな愛のせいで　傷つけることを怖れた

(おもいはゆうだちみたいだった)

思いは夕立みたいだった

(なぜかこれでよかったといまではおもえてしまう)

なぜかこれでよかったと　今では思えてしまう

(だってこころのかたすみにこんないたみがあるから)

だって心の片隅に　こんな痛みがあるから

(もしもしょうじきだったらいたみもなにもないまま)

もしも正直だったら　痛みも何もないまま

(ぼくはもっとずるいひとになってた)

僕はもっとズルい人になってた

(もしもやりなおせるならどこまでまきもどそうか)

もしもやり直せるなら　どこまで巻き戻そうか

(きみとはじめてであったひそれともすきになったひ)

君と初めて出逢った日　それとも好きになった日

(たったひとつのひみつつくってしまっただけで)

たった一つの秘密　作ってしまっただけで

(きみとぼくはちがうそらをみている)

君と僕は　違う空を見ている