コオロギのバイオリン

(さめてくゆめがゆめならばなぜよるはくるのだろう)

さめてく夢が夢ならば なぜ夜は来るのだろう

(いっしゅんのまぼろしじゃないえいえんのやすらぎをどうかください)

一瞬の幻じゃない 永遠の安らぎをどうか下さい

(みえなくなってしまったよつかれはててしまったよ)

見えなくなってしまったよ 疲れ果ててしまったよ

(いつからかまいごになったいつからかものくろになったこころ)

いつからか迷子になった いつからかモノクロになった心

(あおじろいがいとうむしたちのしがい)

青白い外灯　虫達の死骸

(さびついたらんかんつきかげのじゅうじか)

さびついた欄干　月影の十字架

(けせないかこをけすためにこのよるはうたうだろう)

消せない過去を消すために この夜は歌うだろう

(いっしゅんのまやかしじゃないえいえんのやすらぎをどうかください)

一瞬のまやかしじゃない 永遠の安らぎをどうか下さい

(たくさんのやさしさたちがぼくをくるわせてしまったんだ)

沢山の優しさ達が 僕を狂わせてしまったんだ

(たくさんのあいじょうたちにぼくはゆるされてしまったんだ)

沢山の愛情達に 僕は許されてしまったんだ

(しぼんだみずふうせんからっぽのすいそう)

しぼんだ水風船　からっぽの水槽

(まよなかのぷーるこおろぎのばいおりん)

真夜中のプール　コオロギのバイオリン

(ぼくにとってきみのこえはやすらぎ)

僕にとって君の声は安らぎ

(ぼくにとってきみのうたはてんごく)

僕にとって君の歌は天国

(ぼくにとってきみはかみさま)

僕にとって君は神様

(ぼくにとってきみのこえはやすらぎ)

僕にとって君の声は安らぎ

(ぼくにとってきみのうたはてんごく)

僕にとって君の歌は天国

(ぼくにとってきみはかみさま)

僕にとって君は神様

(つづいてくこのむじょうさにどうかまけないでうたってくれ)

続いてくこの無情さに どうか負けないで歌ってくれ

(ひたすらにちいさなはねをずっとふるわせてかなでてくれ)

ひたすらに小さな羽根を ずっとふるわせて奏でてくれ

(こおろぎのばいおりんこおろぎのばいおりん)

コオロギのバイオリン コオロギのバイオリン

(けしきがかわってゆくこのにおいもわすれてゆく)

景色が変わってゆく この匂いも忘れてゆく

(またであうだろうきみのこえに)

また出会うだろう 君の声に

(いつかはぼくらははいになるいつかはぼくらもつちになる)

いつかは僕らは灰になる いつかは僕らも土になる

(そのまえにすこしだけすこしだけこのいのちを)

その前に少しだけ 少しだけこの命を

(かんじていたいかんじていたい)

感じていたい 感じていたい

(ただそれだけでただそれだけで)

ただそれだけで ただそれだけで

(こんや、ひかりになるこんや、ひとつになる)

今夜、光になる 今夜、ひとつになる

(はぐれたこころをとりもどしにいくやすらぎのなかで)

はぐれた心を取り戻しにいく 安らぎの中で