僕をそんな目で見ないで

(ぼくをそんなめでみないでまましんだのがはずかしくなるだろ)

僕をそんな目で見ないでまま　死んだのが恥ずかしくなるだろ

(ぐにゅぐにゅのほっぺが)

ぐにゅぐにゅのほっぺが

(ぽっぷこーんのようにふっとんだぼくを)

ポップコーンのように　吹っ飛んだ僕を

(そんなめでみないでぱぱしんだのがなさけなくなるだろ)

そんな目で見ないでぱぱ　死んだのが情けなくなるだろ

(むかいのぱれーどは)

迎いのパレードは

(たましいをぴんせっとでひょいとぬいてほうりなげて)

魂をピンセットでひょいと抜いて　放り投げて

(ちんとんしゃんしゃばだばだば)

ちんとんしゃん　しゃばだばだば

(とれろとれろとれもろられるらとれもろるらりら)

とれろ　とれろ　トレモロ　ラレルラ　トレモロル　ラリラ

(とろとろにむけたぼくは)

トロトロにむけた　ぼくは

(どこにいくんだろ？)

どこにいくんだろ？

(おそらをとびこえて)

お空を　飛び越えて

(おるごーるのくしばにはさまる)

オルゴールの櫛歯に挟まる

(くしばのふるえがきもちいいので)

櫛歯の震えが　気持ちいいので

(ぴゅっぴゅっとこきざみにぼくははじけちゃう)

ぴゅっぴゅっと小刻みに　僕は弾けちゃう

(からだがちいさくとびちってぼくはたくさんになる)

体が　小さく　飛び散って　僕はたくさんになる

(からっぽののうみそがとろとろにとろけておほしさまになる)

空っぽの　脳みそが　トロトロにとろけて　お星様になる

(へいたいのじゅうせいはなりやまない)

兵隊の銃声は　なりやまない

(えんそうはなりやまない)

演奏は　なりやまない

(おるごーるはいつまでもとまらない)

オルゴールは　いつまでも止まらない

(とおいくにのはてでおるごーるはなりつづける)

遠い国の果てで　オルゴールは鳴り続ける

(だいじょうぶみんなほしになればなかまさ)

大丈夫みんな　星になれば仲間さ

(にじのようにひかるたましいのさいごは)

虹のように光る　魂の最期は

(ぷるんとぐみのように)

ぷるんとグミのように

(くだけてとけてきえるだから)

砕けて溶けて消える　だから

(ぼくをそんなめでみないでまましんだのがはずかしくなるだろ)

僕をそんな目で見ないでまま　死んだのが恥ずかしくなるだろ

(かわいいじぶんをきもちよさにまけてすてちゃったぼくを)

かわいいじぶんを　気持ちよさに負けて　捨てちゃった僕を

(そんなめでみないでぱぱしんだとこみないでおくれよ)

そんな目で見ないでぱぱ　死んだとこ見ないでおくれよ

(だってしぬのはきもちよかったぼくははずかしくって)

だって死ぬのは気持ちよかった僕は　恥ずかしくって

(じゃんじゃんぱっじゃんじゃんぽっしゃんしゃんぱら)

じゃんじゃんぱっ　じゃんじゃんぽっ　しゃんしゃんぱら

(どろりとろるとれろとれろとれもろられるらとれもろるらりら)

ドロリトロル　とれろ　とれろ　トレモロ　ラレルラ　トレモロル　ラリラ

(しろくとろとろにぱらぱらはらららら)

白くトロトロに　パラパラ　ハララララ…

(おひるのかえりみち)

お昼の　帰り道

(じてんしゃでくだりみちくだるくだる)

自転車で下り道　くだるくだる

(ほじょりんつけてせまいおうちのせまいすきまのあいだをぬけて)

補助輪つけて　狭いおうちの　狭いスキマの　間を抜けて

(はじめてかぜになるぼくのこころはかぜにこわされる)

初めて　風になる　僕の心は　風に壊される

(こんなにきもちいいなんて)

こんなに　気持ちいいなんて

(ぼくがかぜにこわされてくのは)

僕が風に壊されてくのは

(いつまでもくだるくだるおわらないさかみち)

いつまでも下る下る　終わらない坂道

(ひとのすがたはどこにもみつけれない)

人の姿は　どこにも見つけれない

(いえはしょうめつしてでんせんはゆがみくねる)

家は消滅して　電線は歪みくねる

(かぜにけずられてからだがあかくとける)

風に削られて　体が赤く溶ける

(そしてぼくはきえるたましいをのこしたまま)

そして僕は消える　魂を残したまま

(あるはずのないじてんしゃといっしょに)

あるはずのない　自転車と一緒に

(いつまでもどこまでも)

いつまでも　どこまでも

(ぼくをそんなめでみないでままぼくはもうどこにもいないんだから)

僕をそんな目で見ないでまま　僕はもうどこにもいないんだから

(ままはみにかーやまんがをいっぱいかってくれたよね)

ままはミニカーやまんがを　いっぱい買ってくれたよね

(そんなめでみないでぱぱぼくはきえるのがきもちよかったんだ)

そんな目で見ないでぱぱ　僕は消えるのが　気持ちよかったんだ

(ぱぱはおるごーるやおもちゃのへいたいをいっぱいつくってくれたけど)

ぱぱはオルゴールや　おもちゃの兵隊を　いっぱい作ってくれたけど

(ぼくはもうどこにもいないぼくのたましいはゆめのせかいへきえた)

僕はもうどこにもいない　僕の魂は　夢の世界へ消えた

(ままのいっぱいのおもちゃもいっしょになかよくとけてきえたんだね)

ままのいっぱいのおもちゃも　一緒に仲良く　溶けて消えたんだね

(ぼくはもうどこにもいないまたゆめであうまでさようなら)

僕はもうどこにもいない　また夢で会うまでさようなら

(ぱぱのへいたいさんはおるごーるのすきまからてをふっていた)

ぱぱの兵隊さんは　オルゴールの隙間から　手を振っていた