心霊写真 -29-

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師匠シリーズ
以前cicciさんが更新してくださっていましたが、更新が止まってしまってしまったので、続きを代わりにアップさせていただきます。
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順位 名前 スコア 称号 打鍵/秒 正誤率 時間(秒) 打鍵数 ミス 問題 日付
1 ぎんなんまる 8267 8.5 96.6% 327.8 2807 97 59 2026/08/03
2 ミッチャンズ 8264 8.8 94.1% 316.3 2787 173 59 2026/08/01
3 berry 8149 8.2 98.9% 336.2 2768 28 59 2026/08/01
4 subaru 8020 8.3 96.7% 335.9 2789 95 59 2026/07/29
5 kaa 6939 S++ 7.1 96.8% 392.8 2817 91 59 2026/07/30

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問題文

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(「しゃしんや、いるか」) 「写真屋、いるか」 (ししょうはちゃいむをならしたあと、がんがんとどあをたたく。) 師匠はチャイムを鳴らした後、ガンガンとドアを叩く。 (なかからものおとがしたかとおもうと、しばらくしてどあがほそくあけられる。) 中から物音がしたかと思うと、しばらくしてドアが細く開けられる。 (「ぼくがいないことがあったか」) 「ぼくがいないことがあったか」 (めがねのおくのくらいめがどあのすきまからのぞく。) 眼鏡の奥の暗い目がドアの隙間から除く。 (どあちぇーんがはずされ、ぼくらはへやのなかにまねきいれられた。) ドアチェーンが外され、僕らは部屋の中に招き入れられた。 (なかにはいると、いしゅうとしかいいようのないにおいがはなをつく。) 中に入ると、異臭としか言いようのない匂いが鼻をつく。 (へやちゅうのいたるところにごみがちらかっているが、) 部屋中のいたるところにゴミが散らかっているが、 (においのげんいんはそれだけではない。) 臭いの原因はそれだけではない。 (このへやのしゅじんは、そのいっしつをあんしつにかいぞうして、) この部屋の主人は、その一室を暗室に改造して、 (そこでげんぞうさぎょうをしているのだ。) そこで現像作業をしているのだ。 (そのときにつかうえきたいのにおいがこのいしゅうのしゅたるげんいんだった。) その時に使う液体の匂いがこの異臭の主たる原因だった。 (「しゃしんや」はそのあんしつのどあのまえをとおりすぎ、) 「写真屋」はその暗室のドアの前を通り過ぎ、 (かたほうのあしをひきずりながらへやのおくにすすむと、) 片方の足を引きずりながら部屋の奥に進むと、 (さんだいのぱそこんにかこまれたつくえにとりつくようにしてすわった。) 三台のパソコンに囲まれた机にとりつくようにして座った。 (「さしいれだ」) 「差し入れだ」 (ししょうがさんぼんのめろんそーだをさしだすと、) 師匠が三本のメロンソーダを差し出すと、 (かれはうっすらとわらいながらそれをうけとった。) 彼は薄っすらと笑いながらそれを受け取った。 (いや、わらっているというより、くせなのだろう。) いや、笑っているというより、癖なのだろう。 (しゃべっているあいだもずっと、しゃっくりあげるようにへんなわらいごえのような) 喋っている間もずっと、しゃっくりあげるように変な笑い声のような
など
(くうきがもれるのだ。「ひ」「ひ」というぐあいに。) 空気が漏れるのだ。「ひ」「ひ」という具合に。 (かみはのびほうだいで、) 髪は伸び放題で、 (みるからにふろにもめったにはいっていないようなふけつかんがある。) 見るからに風呂にもめったに入っていないような不潔感がある。 (そしてはちきれんばかりにふくれたはらやあご、そしてにのうでのにく。) そしてはち切れんばかりに膨れた腹や顎、そして二の腕の肉。 (へやにみちているのか、じしんのからだからただよってきているのか、そのにおいもふくめ、) 部屋に満ちているのか、自身の身体から漂ってきているのか、その匂いも含め、 (すべてがせいりてきなけんおかんをいだかせるおとこだった。) すべてが生理的な嫌悪感を抱かせる男だった。 (「きょうはじょしゅくんもいっしょか、たんてい」) 「今日は助手君も一緒か、探偵」 (ぼくはこのおとこをすきになれないのだが、どうも、とあたりさわりのないあいさつをする。) 僕はこの男を好きになれないのだが、どうも、と当たり障りのない挨拶をする。 (「きょうはちょっとききたいことがあってきた」) 「今日はちょっと訊きたいことがあって来た」 (ししょうはせおっていたりゅっくさっくをおろし、そのなかをがさがさとあさる。) 師匠は背負っていたリュックサックを下ろし、その中をガサガサと漁る。 (「おっと、そのまえに、ほうしゅうをきめようじゃないか」) 「おっと、その前に、報酬を決めようじゃないか」 (「あん?」) 「あん?」 (ししょうがてをとめ、けんあくなかおをしてにらみつけた。) 師匠が手を止め、険悪な顔をして睨みつけた。 (こういうわるそうなかおをさせると、ししょうはほんとうにさまになっている。) こういう悪そうな顔をさせると、師匠は本当に様になっている。 (「どうせやばいねたなんだろう。) 「どうせやばいネタなんだろう。 (ぼくのくちをかたくするのはかねのがくだけだ。) 僕の口を硬くするのは金の額だけだ。 (かねはいらないなんていう「しゃしんや」に、) 金は要らないなんていう「写真屋」に、 (だれがにんげんのしんじつのすがたがうつりこんだふぃるむをもちこむもんか」) 誰が人間の真実の姿が写り込んだフィルムを持ち込むもんか」 (「なにがにんげんのしんじつのすがただ。へんたいどもがおまえのところに) 「なにが人間の真実の姿だ。変態どもがお前のところに (もちこんでるのは、ただの・・しゃしんだろうが」) 持ち込んでるのは、ただの・・写真だろうが」 (「しつれいだな、それもしんじつのすがたのひとつさ。) 「失礼だな、それも真実の姿の一つさ。 (あほなかっぷるがまちなかでかおをくっつけあって、いえーいってまぬけな) アホなカップルが街なかで顔をくっつけ合って、イエーイって間抜けな (めんさらしてうつってるしゃしんに、ほんとうにうつるべきものはただのおとことおんなだ」) 面晒して写ってる写真に、本当に写るべきものはただの男と女だ」 (ひ、ひ。としゃべるあいまにもくうきがもれるおとがまざる。) ひ、ひ。と喋る合間にも空気が漏れる音が混ざる。 (「だけど、もっともおくふかいところにある、にんげんのしんじつとは・・・・・) 「だけど、最も奥深い所にある、人間の真実とは・・・・・ (ひ・・・・・そんなげれつなものとはほどとおい、しんぴてきなものだよ」) ひ・・・・・そんな下劣なものとは程遠い、神秘的なものだよ」 (こんなふうに。) こんな風に。 (「しゃしんや」はつくえからいちまいのしゃしんをとりだしてみせた。) 「写真屋」は机から一枚の写真を取り出して見せた。 (なにがうつっているのかさっしたぼくはとっさにめのしょうてんを) 何が写っているのか察した僕は咄嗟に目の焦点を (あわさないようにしたが、それでもすこしみえてしまった。) 合わさないようにしたが、それでも少し見えてしまった。 (にんげんのあたまがくだけて、ちとのうがあすふぁるとのうえにとびちっているしゃしんだった。) 人間の頭が砕けて、血と脳がアスファルトの上に飛び散っている写真だった。 (この「しゃしんや」のほんとうのしょうばいがこれだ。) この「写真屋」の本当の商売がこれだ。 (にばいていどのりょうきんをはらって、ふつうのしゃしんやではげんぞうしてくれない) 二倍程度の料金を払って、普通の写真屋では現像してくれない (えろしゃしんのたぐいをげんぞうするしごとがよのなかにはある。) エロ写真の類を現像する仕事が世の中にはある。 (しかし、そのとくしゅなしゃしんやでもげんぞうしてくれない、) しかし、その特殊な写真屋でも現像してくれない、 (ほんとうにあんだーぐらうんどなしゃしんがのこのよにはあり、) 本当にアンダーグラウンドな写真がのこの世にはあり、 (さらにそのすうばいのりょうきんをうけとってそれをげんぞうする) さらにその数倍の料金を受け取ってそれを現像する (げんこうほうからも、そしてじょうしきからもかけはなれたりんりかんをもつ「しゃしんや」。) 現行法からも、そして常識からも掛け離れた倫理観を持つ「写真屋」。 (それがこのおとこのなりわいだった。) それがこの男の生業だった。
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