心霊写真 -45-
師匠シリーズ
以前cicciさんが更新してくださっていましたが、更新が止まってしまってしまったので、続きを代わりにアップさせていただきます。
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| 順位 | 名前 | スコア | 称号 | 打鍵/秒 | 正誤率 | 時間(秒) | 打鍵数 | ミス | 問題 | 日付 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | berry | 8272 | 神 | 8.3 | 99.0% | 295.3 | 2466 | 23 | 61 | 2026/08/20 |
| 2 | HAKU | 7448 | 光 | 7.7 | 96.2% | 322.2 | 2497 | 97 | 61 | 2026/08/22 |
| 3 | りく | 6371 | S | 6.5 | 97.3% | 386.4 | 2531 | 69 | 61 | 2026/08/23 |
| 4 | Par2 | 4697 | C++ | 4.7 | 99.3% | 521.8 | 2466 | 15 | 61 | 2026/08/20 |
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問題文
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(もしこれがそうていがいのねんしゃだというのなら、)
もしこれが想定外の念写だというのなら、
(げんぞうされたものをみて「ろうじん」やせいねんしょうこうたちはおどろいただろう。)
現像されたものを見て「老人」や青年将校たちは驚いただろう。
(しんだはずのまさおかたいいがいっしょにうつっていることに。)
死んだはずの正岡大尉が一緒に写っていることに。
(そのことは、きょうふよりもむしろゆうきをこぶするものだったはずだ。)
そのことは、恐怖よりもむしろ勇気を鼓舞するものだったはずだ。
(ししてなお、おもいをおなじくするなかまのすがたに、よりいっそう、)
死してなお、思いを同じくする仲間の姿に、より一層、
(かれらのだんけつしんはきょうこなものになったのではないだろうか。)
彼らの団結心は強固なものになったのではないだろうか。
(「あ、しまった。こっちみてもらうのわすれてた」)
「あ、しまった。こっち見てもらうの忘れてた」
(ししょうはふうとうにのこっていた「ろうじん」とせいねんしょうこうたちのしゃしんのこぴーのほうをみて、)
師匠は封筒に残っていた「老人」と青年将校たちの写真のコピーの方を見て、
(じぶんのひたいをたたいた。)
自分のひたいを叩いた。
(「ろうじん」のかおがみえないしっぱいさくだ。)
「老人」の顔が見えない失敗作だ。
(「しゃしんや」のところでもそうだったが、)
「写真屋」のところでもそうだったが、
(ししょうはみょうにそのこぴーのほうにもこだわっている。)
師匠は妙にそのコピーの方にもこだわっている。
(きっちりしているのか、なんなのか。)
きっちりしているのか、なんなのか。
(なにもおかしいところはないはずなのに。)
なにもおかしいところはないはずなのに。
(「なつお、いまひまか」)
「夏雄、いまヒマか」
(ししょうはしゃしんをかたづけながらきいた。)
師匠は写真を片付けながら訊いた。
(「ひまじゃねえよ」)
「ヒマじゃねえよ」
(「うそつけ。ねぐせたってるぞ」)
「うそつけ。寝癖立ってるぞ」
(「おまえもな」)
「おまえもな」
(「え、まじで」)
「え、まじで」
など
(たしかにすこしたっていた。ししょうはうしろがみをさわっている。)
確かに少し立っていた。師匠は後ろ髪を触っている。
(なんだかこのふたりのかいわをきいていると、)
なんだかこの二人の会話を聞いていると、
(りゆうもなくむかむかしてくるじぶんがいる。)
理由もなくムカムカしてくる自分がいる。
(「・・・・・」)
「・・・・・」
(ししょうはそれからすこしのあいだだまり、そして「またな」といって)
師匠はそれから少しのあいだ黙り、そして「またな」と言って
(りゅっくさっくをせおいながらたちあがった。)
リュックサックを背負いながら立ち上がった。
(「ああ」)
「ああ」
(なつおはげんかんまでぼくらをみおくった。)
夏雄は玄関まで僕らを見送った。
(さんもんか、せめてさんどうまでみおくるというはっそうがなさそうなおとこだった。)
山門か、せめて山道まで見送るという発想がなさそうな男だった。
(ししょうがくつをはいてそとにでるときも、あくびをしながらあたまをかいていたが、)
師匠が靴を履いて外に出る時も、欠伸をしながら頭を掻いていたが、
(ぼくがそれにつづこうとしたしゅんかん、くびねっこをすごいちからでひっつかまれた。)
僕がそれに続こうとした瞬間、首根っこを凄い力で引っつかまれた。
(「おい」)
「おい」
(「なんですか」)
「なんですか」
(とっさににらみつけながらいいかえしたが、ないしんはどきどきしていた。)
とっさに睨みつけながら言い返したが、内心はドキドキしていた。
(「ふかいりするな」)
「深入りするな」
(ほとんどむひょうじょうでそういわれた。)
ほとんど無表情でそう言われた。
(そのことばのいみをどうとるべきかいっしゅんわからなかった。)
その言葉の意味をどう取るべきか一瞬分からなかった。
(ししょうに、それもじょせいとしてもかなこさんにちかづくな、というおどしなのか。)
師匠に、それも女性としても加奈子さんに近づくな、という脅しなのか。
(それとも、このしゃしんにまつわるいっけんにこれいじょうかかわるな、というけいこくなのか。)
それとも、この写真にまつわる一件にこれ以上関わるな、という警告なのか。
(「よけいなおせわです」)
「余計なお世話です」
(それがどちらにせよ、はらをきめたつもりでそういいかえした。)
それがどちらにせよ、腹を決めたつもりでそう言い返した。
(なつおは「がきが」とはきすてて、ぼくのはらをなぐった。)
夏雄は「ガキが」と吐き捨てて、僕の腹を殴った。
(きのう、いしだぐみのちんぴらみたいなはぬけちゃぱつになぐられたばしょのすぐちかくだった。)
昨日、石田組のチンピラみたいな歯抜け茶髪に殴られた場所のすぐ近くだった。
(いっしゅんいきがとまる。)
一瞬息が止まる。
(ほんのなでるていどのちからのぬけたいっぱつだったが、)
ほんの撫でる程度の力の抜けた一髪だったが、
(そのこぶしはいったいなにでできているのか、というくらいのいようなかたさで、)
その拳は一体なにで出来ているのか、というくらいの異様な硬さで、
(まるではらにいしをおとされたようだった。)
まるで腹に石を落とされたようだった。
(なにすんだ。)
なにすんだ。
(そうどなろうと、はいをむりやりこじあけていきをすいこんだとき、)
そう怒鳴ろうと、肺をむりやりこじ開けて息を吸い込んだ時、
(げんかんのそとから「なにしてんだよ」というししょうのこえがきこえた。)
玄関の外から「なにしてんだよ」という師匠の声が聞こえた。
(「もうよじになるぞ。はやくかえろう」)
「もう四時になるぞ。早く帰ろう」
(「・・・・・」)
「・・・・・」
(ぼくはなつおをせいいっぱいにらみつけながらへんじをし、くつのつまさきでじめんをたたいた。)
僕は夏雄を精一杯睨みつけながら返事をし、靴のつま先で地面を叩いた。
(「きをつけてかえれ」)
「気をつけて帰れ」
(なつおはぼくにたいするきょうみをうしなったように、)
夏雄は僕に対する興味を失ったように、
(ありていなことばをはいていえのなかへときびすをかえした。)
ありていな言葉を吐いて家の中へと踵を返した。
(「いもうとさんによろしく」)
「妹さんによろしく」
(ぼくもさっきのはらぱんちなんてなにもきいていない、というていでてをふった。)
僕もさっきの腹パンチなんてなにも効いていない、というていで手を振った。
(そしてそとにでて、ししょうのあとをおう。)
そして外に出て、師匠の後を追う。
(なんだあのやろう。ぼうりょくばかが。やくざとかわらないじゃないか。)
なんだあの野郎。暴力馬鹿が。ヤクザと変わらないじゃないか。
(そんなあくたいをこころのなかでつきながら、ししょうのよこにならんだ。)
そんな悪態を心の中でつきながら、師匠の横に並んだ。