embrace

(かくれてないででてこいよこのへやはだいじょうぶ)

隠れてないで出てこいよ　この部屋は大丈夫

(こどうのおとはふたつふたついじょうもいかもない)

鼓動の音はふたつ　ふたつ以上も以下もない

(にげみちのとちゅうとびこんだこのへやのなかで)

逃げ道の途中飛び込んだ　この部屋の中で

(きみはぼくにみつかったくびわのないすがたで)

君は僕に見つかった　首輪のない姿で

(ふるえてるのはきっとさむさのせいだけじゃないな)

震えてるのはきっと　寒さのせいだけじゃないな

(どんなせりふもきっとやくにたたないな)

どんな台詞もきっと　役に立たないな

(うでのなかへおいでかかえたこどくの)

腕の中へおいで　抱えた孤独の

(そのりんかくをなでてやるよ)

その輪郭を撫でてやるよ

(あかりのないへやでことばもくたびれて)

明かりの無い部屋で　言葉もくたびれて

(たしかなものはぬくもりだけ)

確かなものは　温もりだけ

(きみがそこにいないときづいたらとにかくさがすだろう)

君がそこに居ないと気付いたら　とにかく探すだろう

(そこにいるのにいないときづくときもあるだろう)

「そこに居る」のに「居ない」と気付く時もあるだろう

(このめがしりょくをなくしてもぼくはきみをみるだろう)

この眼が視力を失くしても　僕は君を見るだろう

(からだじゅうのさいぼうふるどういんできみをみるだろう)

体中の細胞フル動員で君を見るだろう

(こきゅうのおとがするやわらかいにおいもある)

呼吸の音がする　柔らかい匂いもある

(すべてこのてのひらにあつめてとじこめるよ)

すべてこの手のひらに　集めて閉じ込めるよ

(うでのなかへおいでかくしたいたみの)

腕の中へおいで　隠した痛みの

(そのきずぐちにふれてみるよ)

その傷口に触れてみるよ

(じかんのないへやでりゆうもわすれて)

時間の無い部屋で　理由も忘れて

(たしかなものをさがしただけみつけただけ)

確かなものを探しただけ　見つけただけ

(うでのなかへおいでみにくいほんねを)

腕の中へおいで　醜い本音を

(つむいだばしょにきすをするよ)

紡いだ場所にキスをするよ

(いのちのないせかいでぼくとおなじように)

命の無い世界で　僕と同じ様に

(いきてるものをさがしただけ)

生きてるものを探しただけ

(うでのなかへおいでこわがらないでおいで)

腕の中へおいで　怖がらないでおいで

(いきてるものをみつけただけ)

生きてるものを見つけただけ

(たしかなものはぬくもりだけ)

確かなものは温もりだけ