メダカが見た虹/高田梢枝

(ゆうやけもとおりすぎてあしたまたあえるかなちいさなてとてつないで)

夕焼けも通りすぎて　明日また会えるかな　小さな手と手つないで

(かえりみちのうたうたったころがようしいっぱいにえがいたぼくのゆめ)

帰り道の歌歌った頃　画用紙いっぱいに　描いた僕の夢

(どんなふうにいきればしあわせになれるんだろうくるしいいまをかえたくて)

どんな風に生きれば　幸せになれるんだろう　苦しい今を変えたくて

(でもこたえはでないままどこへもいけずあおいそらみあげてた)

でも答えは出ないまま　どこへも行けず　青い空見上げてた

(じぶんがすきでじぶんがいやでふみだせばいいかわりたいそうねがえばいい)

自分が好きで　自分がイヤで　踏み出せばいい　変わりたいそう願えばいい

(このてぎゅっとにぎったこうしてぼくはころんですこしずつじょうずになって)

このてギュッとにぎった　こうして僕は転んで　少しずつ上手になって

(ちいさなよろこびもいつかたからものとわらっていえるかなつよさもやさしさもなくて)

小さな喜びもいつか　宝物と笑って言えるかな　強さもやさしさもなくて

(このあしはふるえたままでもあのそらににじをえがけるようになることずっとしんじてる)

この足は震えたままでも　あの空に虹を描けるようになること　ずっと信じてる

(どんなふうにいきてもしあわせになれないよきこえるたくさんのこえに)

どんな風に生きても　幸せになれないよ　聞こえるたくさんの声に

(あっというまそまってためいきついてほっとむねなでおろす)

あっという間染まって　ため息ついて　ホッと胸なでおろす

(じぶんがすきでじぶんがいやでふみだせないままかわれないときめつけて)

自分が好きで　自分がイヤで　踏み出せないまま　変われないと決めつけて

(このはねをおりまげたこうしてぼくはまるでばけつのなかのめだかさ)

この羽を折り曲げた　こうして僕はまるで　バケツの中のメダカさ

(ちいさなみずくさにからんであぶくだけはいていきてるあいもきぼうもなくて)

小さな水草に絡んで　あぶくだけ吐いて生きてる　愛も希望もなくて

(たいせつなのはじぶんだけでがらくたはあのそらもにじのいろもなにもしらない)

大切なのは自分だけで　ガラクタはあの空も　虹の色も何も知らない

(じぶんがすきでじぶんがいやでふみだすんだかわれるんだかならず)

自分が好きで　自分がイヤで　踏み出すんだ　変われるんだ　必ず

(このてぎゅっとにぎったそれでもぼくはまるでばけつのなかのめだかさ)

この手ぎゅっとにぎった　それでも僕はまるで　バケツの中のメダカさ

(ちいさなみずくさにからんであぶくだけはいていきてるつよさもやさしさもなくて)

小さな水草に絡んで　あぶくだけ吐いて生きてる　強さもやさしさもなくて

(このあしはふるえたままでもいつかはあめのなかにひとりでにじえがけるかな)

この足は震えたままでも　いつかは雨の中に　一人で虹描けるかな