知らないんでしょ？/平井堅

(しらないんでしょあのこのこえがほねにひびくごぜん０じいたい)

「知らないんでしょ？」あの子の声が骨に響く　午前０時　痛い

(くちびるのはしだけわらってたわたしのこときらい)

唇の端だけ笑ってた　私のこと　嫌い？

(わたしとあなたならどっちがこわれてるのみせて)

私とあなたならどっちが　壊れてるの？　見せて

(おなじかばんにおなじきょうふがつまっているほらね)

同じ鞄に同じ恐怖が詰まっている　ほらね

(いいかえせずうつむくわたしほんとうはねわらってたのしらないんでしょ)

言い返せず　俯く私　本当はね　笑ってたの　知らないんでしょ？

(あのこをきずつけたいのにほめてしまうこんなにこんなにみにくくわらうの)

あの子を傷つけたいのに　褒めてしまう　こんなに　こんなに　醜く笑うの

(よごれているのにそのてをつないでしまうわたしはわたしはしずかなうそつき)

汚れているのに　その手をつないでしまう　私は　私は　静かな嘘つき

(わたしなんてしらないんでしょわたしなんてみえてないんでしょ)

私なんて知らないんでしょ？私なんて見えてないんでしょ？

(あなたにわらいかけてはこころでなんどもころすの)

あなたに笑いかけては心で　何度も殺すの

(わたしなんてしらないんでしょわたしなんていなきゃいいんでしょ)

私なんて知らないんでしょ？私なんていなきゃいいんでしょ？

(あなたにわらいかけてはこころでなんどもころすの)

あなたに笑いかけては心で　何度も殺すの

(しらないんでしょあのこにいいたいことすべてのみこんでるいたい)

知らないんでしょ？　あの子に言いたいこと全て　呑み込んでる　痛い

(わたしはうまくへんじできてるあなたのこときらい)

私は上手く返事できてる？　あなたのこと　嫌い？

(くちびるをなめるしぐさまねてどれいになるみてよ)

くちびるを舐める仕草真似て　奴隷になる　見てよ

(おなじあしたにおなじきょうふがまっているのほらね)

同じ明日に同じ恐怖が待っているの　ほらね

(あなたのかなしいものがたりほんとうはねわらってたのしらないんでしょ)

あなたの悲しい物語　本当はね　笑ってたの　知らないんでしょ？

(あのこをしりたくないのにしらべてしまうなんどもなんどもまっくらななかで)

あの子を知りたくないのに　調べてしまう　何度も　何度も　真っ暗な中で

(まどわされてるのにそのこえをきいてしまうわたしはわたしはよくいるうそつき)

惑わされてるのに　その声を聞いてしまう　私は　私は　よくいる嘘つき

(わたしなんてしらないんでしょわたしなんてみえてないんでしょ)

私なんて知らないんでしょ？　私なんて見えてないんでしょ？

(あなたにわらいかけてはこころでなんどもころすの)

あなたに笑かけては心で　何度も殺すの

(わたしなんてしらないでしょわたしなんていなきゃいいんでしょ)

私なんて知らないでしょ？私なんていなきゃいいんでしょ？

(あなたにわらいかけてはこころでなんどもころすの)

あなたに笑いかけては心で　何度も殺すの

(あなたがわらいかけてもこころでなんどもころすのしってるんでしょ)

あなたが笑いかけても心で　何度も殺すの　知ってるんでしょ