君に届くな

(じんつうざいでかんどわるいあさきせつをいだくのもでおくれた)

陣痛剤で感度悪い朝　季節を抱くのも出遅れた

(しろいそふとくりーむがしろいしゃつにおちて)

白いソフトクリームが白いシャツに落ちて

(きるふくもきるゆめももうわからない)

着る服も切る夢ももうわからない

(しんさくとかもうでなきゃいいのにかわらないわたしがふるくなっていくみたい)

新作とかもう出なきゃいいのに　変わらない私が古くなっていくみたい

(あなたのはちみつしあわせをほしつしてよ)

あなたのはちみつ　幸せを保湿してよ

(ざらつくくちびるきみにとどくな)

ざらつく唇　君に届くな

(ゆらゆらいきてたいゆらゆらいきってたい)

ゆらゆら生きてたい　ゆらゆらイキってたい

(わいふぁいとんでないばしょならかえりたい)

ワイファイ飛んでない場所なら帰りたい

(ゆらゆららいふけずられていきたくないわ)

ゆらゆら　ライフ削られて生きたくないわ

(ゆめのえんちょうせんちきゅうにししゅうして)

夢の延長戦　地球に刺繍して

(ちまめができたならまたうたおう)

血豆ができたならまた歌おう

(ゆううつはぴんぼけしてるから)

憂鬱はピンボケしてるから

(すきだけどとどくなそれがしあわせ)

好きだけど届くな　それが幸せ

(こんなにせまいへやでほんをよんでも)

こんなに狭い部屋で本を読んでも

(わたしがわたしだということだけがふへんで)

私が私だということだけが普遍で

(しあわせこそどくそうてきでなければとおもうほどともだちとはそういする)

幸せこそ独創的でなければと思うほど　友達とは相違する

(とびらはおもくなるじぶんでもあけられないほど)

扉は重くなる　自分でも開けられないほど

(わたしがとうめいになればそとにでれる)

私が透明になれば外に出れる

(きょうのよていはくつぞこにべったりはりつくこどくを)

今日の予定は靴底にべったり張り付く孤独を

(だらしなくあるいてかくさんすること)

だらしなく歩いて拡散すること

(あかいでんしゃもなくなったてあかのついたゆめじゃどきどきできない)

赤い電車もなくなった　手垢のついた夢じゃドキドキできない

(ことばにならないみたこともないだれもしらない)

言葉にならない　見たこともない　誰も知らない

(あたまのおかしいへいわをのぞんでいる)

頭のおかしい平和を望んでいる

(こんなのありかよーってやつじゃないとわたしがへいわにころされる)

こんなのありかよーってやつじゃないと　私が平和に殺される

(はがしたかさぶたそふとくりーむにうめこんで)

剥がしたカサブタ　ソフトクリームに埋め込んで

(わたしのりんかくがとけていく)

私の輪郭が溶けていく

(えあこんのかぜがてぃっしゅぺーぱーをゆらして)

エアコンの風がティッシュペーパーを揺らして

(ざらつくせいかつきみにとどくな)

ざらつく生活　君に届くな

(ゆらゆらいきてたいゆらゆらいきってたい)

ゆらゆら生きてたい　ゆらゆらイキってたい

(おなかからくろいつばさがはえたの)

お腹から黒い翼が生えたの

(きみがわらったりきみがなくのがわたしのことだなんてゆるせない)

君が笑ったり君が泣くのが 　私のことだなんて許せない

(ゆめのえんちょうせんちきゅうにししゅうして)

夢の延長戦　地球に刺繍して

(ちまめができたならまたうたおう)

血豆ができたならまた歌おう

(ゆううつはぴんぼけしてるから)

憂鬱はピンボケしてるから

(すきだけどとどくなそれがしあわせ)

好きだけど届くな　それが幸せ

(だれにもにてないひとなんてきもちわるい)

誰にも似てない人なんて気持ち悪い

(べーじゅのこーとだけはかわないきもちわるい)

ベージュのコートだけは買わない　気持ち悪い

(だれかがわたしのなかのわたしじゃなさにおかねをはらったきもちわるい)

誰かが私の中の私じゃなさにお金を払った　気持ち悪い

(こうしてたべていきてこころがぼうちょうしてきもちわるい)

こうして食べて　生きて　心が膨張して　気持ち悪い

(そのすべてをぜんせかいにぶちまけたいわたしのすべてを)

その全てを全世界にぶちまけたい私のすべてを

(きみにだけはとどけたくないほどきみがすき)

君にだけは届けたくないほど　君が好き