トロイメライと空白

(まだゆめをみていたいそんなきがするんだ)

まだ夢を見ていたい　そんな気がするんだ

(ずっとゆめをみていたいそんなきがするのは)

ずっと夢を見ていたい　そんな気がするのは…

(ものがたりのようにいつかおわりがくるから)

…物語のように　いつか終わりがくるから？

(ましろなこなゆきがほおにささやいた)

真白な粉雪が　頬に囁いた

(ものがたりのねむりひめはめざめることのぞむだろうか)

物語の眠り姫は　目覚める事　望むだろうか

(すべてがおわりゆくせかいをみつけても)

全てが終わりゆく世界を見つけても…

(ゆめがゆめであることを)

夢が夢であることを

(こばんでしまいそうなほど)

拒んでしまいそうな程

(みたいものはゆめなのか)

見たいものは〝夢”なのか？

(だれかがのこしたまほうなのか)

誰かが残した〝魔法”なのか？

(はくぎんまうきおくのすみで)

白銀舞う記憶の隅で

(さけぶかすかないたみが)

叫ぶ　かすかな痛みが

(どうかこのひびをこわして)

どうか　この日々を壊して

(しまわぬように)

しまわぬように

(まだゆめをみていないそんなきもするんだ)

まだ夢を見ていない　そんな気もするんだ

(つめたいつきのこがみょうになつかしくて)

冷たい月の弧が　妙に懐かしくて

(ひげきのねむりひめはかなしみをうたうだろうか)

悲劇の眠り姫は　哀しみを唄うだろうか

(だれかがあいしたことばをなくしても)

誰かが愛した言葉を亡くしても

(じぶんがじぶんであることを)

自分が自分である事を

(こばんでしまいそうなほど)

拒んでしまいそうな程

(みたいものはゆめなのか)

見たいものは〝夢”なのか？

(だれかがのこしたまほうなのか)

誰かが残した〝魔法”なのか？

(けつまつをしるゆうきがもう)

結末を知る勇気がもう

(すこしだけあったのなら)

少しだけあったのなら

(きえたほんとうのおもいと)

消えた本当の思いと

(むきあえるのに)

向き合えるのに

(しあわせなゆめのつづきのぞんでしまいそうなほど)

幸せな夢の続き　望んでしまいそうな程

(むねがしめつけられそうなだれかがのこしたまほうが)

胸が締め付けられそうな　誰かが残した魔法が…

(ゆめがゆめであることをふりほどいてしまいそう)

夢が夢である事を　振りほどいてしまいそう

(みたいものはゆめじゃないだれかとのこしたまほうなのさ)

見たいものは〝夢”じゃない　〝誰かと残した魔法”なのさ

(いばらのおりにとじこめられたふかいねむりからどうかさまして)

茨の檻に閉じ込められた　深い眠りからどうか覚まして

(かのゆめにさそいこまれてきょうもましろのゆめをみる)

かの夢に誘い込まれて　今日も真白の夢を見る

(だれかのゆめにさそいこまれてきょうもましろのゆめをみている)

だれかの夢に誘い込まれて　今日も真白の夢を見ている