ペロンの野心

(おそれをしらぬえばはゆく のしあがるいきおいは)

恐れを知らぬ　エバは行く のし上がる勢いは

(まったく)

まったく

(とめられない)

止められない

(めにあまる)

目に余る

(きぞくやぐんじんてだまにとり)

貴族や軍人　手玉に取り

(したたか)

強か

(はいあがるいよいよほんりょうはっき)

這い上がる　いよいよ本領発揮

(あきれる)

呆れる

(どきょうのよさきぞくのせかいに ちかよるならどうぞどこまででもいいのです)

度胸の良さ　貴族の世界に 近寄るならどうぞ　何処まででも良いのです

(ほうせきうりばでほほえむのはじゆう ただしうりこなら)

宝石売り場で微笑むのは自由 但し売り子なら

(ひょうばんがよくないぺろん りくぐんじゃごしっぷは)

評判が良くないペロン 陸軍じゃゴシップは

(まったくだ)

全くだ！

(きらわれる)

嫌われる

(そうともきょうだい)

そうとも兄弟

(たちまちおおさわぎだ しゅりゅうはのしかんにえばといえば)

たちまち大騒ぎだ 主流派の士官にエバと言えば

(じょうだんじゃない)

冗談じゃない！

(ぺろんはばか しれいぶまでこともあろうにつれこんだ)

ペロンは馬鹿 司令部まで事もあろうに連れ込んだ

(じょゆうだぞしかもとりえはせくすだけで やぼうもてばなおあぶないきけんなおんなだ)

女優だぞ　しかも取り柄は　セクスだけで 野望持てば尚危ない　危険な女だ

(かくせはしないおまえのねらい そうともしらずにぶいぞぺろん)

隠せはしない　お前の狙い そうとも知らず鈍いぞペロン

(ばいた)

売女！

(しょうふだ)

娼婦だ

(えばをゆるしてはきぞくのなおれだ みぶんをわきまえぬふらちなおんなだ)

エバを許しては　貴族の名折れだ 身分を弁えぬ不埒な女だ

(きりつをまもりびょうきだけもらわなきゃなにしようとも ぺろんのじゆうだ)

規律を守り病気だけ貰わなきゃ何しようとも ペロンの自由だ

(そのかわりかのじょにはまもってもらうのだ きそくをここへはいれるな)

その代わり彼女には守って貰うのだ 規則を　此処へは入れるな

(しばりつけとけべっどにかたく こえあげさすなべっどのそとで)

縛り付けとけ　ベッドに固く 声上げさすな　ベッドの外で

(いんばい)

いん売！

(しょうふだ)

娼婦だ

(このいちねんはどうえば おおいにみのりあったでしょう)

この一年はどうエバ 大いに実りあったでしょう

(さてらいねんのけいかくは ことしいじょうのはくりょくで)

さて来年の計画は 今年以上の迫力で

(おしばいどころじゃありません すくいたいのわがそこく)

お芝居どころじゃありません 救いたいの我が祖国

(ことしいじょうのはくりょくでますますぺろんをとりこんでゆく そうだね)

今年以上の迫力で　増々ペロンを取り込んでゆく そうだね

(おやすみごくろうさん)

お休み御苦労さん

(べっどじゃおさまらないのだ おおきなちからをつかむぞ)

ベッドじゃ収まらないのだ 大きな力を掴むぞ

(おいかえせまちへ しばりつけとけべっどにかたく)

追い返せ街へ 縛り付けとけ　ベッドに固く

(こえあげさすなべっどのそとで のさばらせるなくにのはじだぞ)

声上げさすな　ベッドの外で のさばらせるな　国の恥だぞ

(ちからずくでも たたきつぶすぞ)

力ずくでも 叩き潰すぞ

(なりあがりおんなにわたすなけんりょくを きぞくのこけんにかけてみとめてはならぬ)

成り上がり女に渡すな権力を 貴族の沽券に懸けて認めてはならぬ