新しい花粉~ミュージカル「見知らぬ世界」より~
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歌詞(問題文)
(なにか、たべものをくれ)
「何か、食べ物をくれ」
(よそものはごめんだ)
「…よそ者はごめんだ」
(かねならある)
「金ならある」
(どこか、よそのまちにいってくれ)
「…どこか、よその街に行ってくれ」
(いちばん、ちかいまちでもみっかはかかる。かんたんなものでいい)
「…一番、近い街でも三日はかかる。簡単なものでいい」
(ことわる)
「断る」
(わーにゃ!ひさしぶりのおきゃくさまでしょ?)
「ワーニャ!久しぶりのお客様でしょ?」
(なにをいっているんだ、えれーな?)
「何を言っているんだ、エレーナ?
(うちは、このとおり、いつだってまんいんだ)
うちは、この通り、いつだって満員だ」
(まいにち、まいにち、おなじかおぶればかり)
「毎日、毎日、同じ顔ぶればかり…
(わたしは、ここじゃないどこかのはなしをききたいの!)
私は、ここじゃないどこかの話を聞きたいの!
(そこにすわって!)
…そこに座って!」
(たびびとよきかせてくれきょうまでのひびのものがたりを)
旅人よ 聞かせてくれ 今日までの日々の物語を…
(このぱんやあかわいんにあたいするほどのはなしがない)
このパンや赤ワインに 値するほどの話がない
(しあわせだけどなにかがたりない)
しあわせだけど 何かが足りない
(おしえてここにないのは)
教えて ここにないのは
(あたらしいかふんもとめてるんだ)
新しい花粉 求めてるんだ
(まだみたことがないはなをさかそう)
まだ見たことがない花を咲かそう
(ぐうぜんはこばれたきせきのそのたね)
偶然 運ばれた奇跡のその種
(だれにもきづかれずにあすはかわってく)
誰にも気付かれずに 明日(あす)は変わってく
(あのやまのむこうがわには、)
「あの山の向こう側には、
(どんなせかいがひろがっているの?)
どんな世界が広がっているの?」
(また、つぎのやまがある)
「また、次の山がある」
(そのやまをこえると?)
「その山を越えると?」
(また、つぎのやまがあるんだ)
「また、次の山があるんだ」
(たびびとはねがっている)
旅人は 願っている
(やすらぎのばしょをみつけたいと)
やすらぎの場所を見つけたいと…
(なんびゃくねんこのけしきは)
何百年 この景色は
(あたらしいかげをうけいれてない)
新しい影を受け入れてない
(あいされたいとはじめておもった)
愛されたいと 初めて思った
(えいえんもそんなにわるくない)
永遠もそんなに悪くない
(たいくつなかぜはいつもやさしい)
退屈な風はいつも優しい
(どんなときもおなじあたたかさで)
どんな時も同じ温かさで
(あたりまえのようにふきぬけてくよ)
当たり前のように吹き抜けてくよ
(きのうをくりかえしてみらいはうまれる)
昨日を繰り返して 未来は生まれる
(わたしをつれていって!あのやまのむこうに)
「私を連れて行って!あの山の向こうに…
(ここではないどこかへ)
ここではないどこかへ…」
(おまえはきづいていない)
「おまえは気づいていない」
(なにが?)
「何が?」
(このさかばが、あのやまのむこうってことを)
「この酒場が、あの山の向こうってことを…」
(いくつものやまをこえてみたって)
いくつもの山を越えてみたって
(つぎのやまがそこにみえるだけ)
次の山がそこに見えるだけ
(わたしたちがすむこのまちいじょうの)
私たちが住むこの街以上の
(はなさくゆーとぴあはどこにもないんだ)
花咲くユートピアは どこにもないんだ
(あたらしいかふんもとめてるんだ)
新しい花粉 求めてるんだ
(まだみたことがないはなをさかそう)
まだ見たことがない花を咲かそう
(ぐうぜんはこばれたきせきのそのたね)
偶然 運ばれた奇跡のその種
(だれにもきづかれずにあすはかわってく)
誰にも気付かれずに 明日(あす)は変わってく
(そうだ。)
「そうだ。
(おまえがいま、たいくつにくらすこのまちこそが、)
おまえが今、退屈に暮らすこの街こそが、
(あのやまのむこうからみれば、きぼうのまちなんだ)
あの山の向こうから見れば、希望の街なんだ」
(ここがりそうきょうって、せっきょうくせえ~!)
「ここが理想郷…って、説教くせえ~!」