銀の祈誓

(さいのめできまるようなざんこくなほどにきまぐれなせかいで)

賽の目で決まるような残酷なほどに気まぐれな世界で

(かみさまにあたえられたちっぽけなこのてを)

神様に与えられたちっぽけなこの手を

(きせきはうしなわれたそのえみをまもることもできなかった)

奇跡は失われたその笑みを守ることもできなかった

(あこがれたえいゆうたんなどちせつなえそらごとだった)

憧れた英雄譚など稚拙な絵空事だった

(いのりわすれたけだものよ)

祈り忘れた獣よ

(このいのちかれるまであがいてやる)

この命枯れるまで足掻いてやる

(どうしてどうしてどうしてこびりついてきえてくれない)

どうしてどうしてどうしてこびり付いて消えてくれない

(はりさけるようなどうこくが)

張り裂けるような慟哭が

(ねえかえしてかえしてかえしておきわすれてきたやくそくを)

ねえ返して返して返して置き忘れてきた約束を

(うばわれたあしたを)

奪われた明日を

(おもちゃばこにかくされたきれいごとなどただのがらくたで)

おもちゃ箱に隠された綺麗事などただのガラクタで

(むりょくさにたそがれたえいえんなんてありはしないってわかってた)

無力さに黄昏た永遠なんてありはしないってわかってた

(いのちかれるまであらがえ)

命枯れるまで抗え

(むじひにわらうせかいがかわらないとしても)

無慈悲に笑う世界が変わらないとしても

(ふりあげたやいばがくだけるひがきても)

振り上げた刃が砕ける日が来ても

(ぎんのちかいだけはうばわせないうばわせなどしない)

銀の誓いだけは奪わせない奪わせなどしない

(けだかきたましいのはたふみにじられようと)

気高き魂の旗踏み躙られようと

(このこころけがれることなどありはしない)

この心汚れることなどありはしない

(どうしてどうしてどうしてこばもうともはなれてくれない)

どうしてどうしてどうして拒もうとも離れてくれない

(やわらかくにじむまなざしが)

柔らかく滲む眼差しが

(ああどんなにどんなにこのあしがきずついてもとまりはしない)

ああどんなにどんなにこの足が傷ついても止まりはしない

(ぜつぼうのさきまで)

絶望の先まで

(とぎれてくいしきのなかで)

途切れてく意識の中で

(みみなりだけ、やまない)

耳鳴りだけ、止まない