無間嫉妬劇場『６６６』

(ならくのそこでまくがあがったぜつぼうてきなきげき)

奈落の底で幕が上がった 絶望的な喜劇

(このばをかりておはなしをいたしましょうか)

この場を借りて お話を致しましょうか

(だいいちまく「かんせいなにちじょう」)

第一幕『閑静な日常』

(きゃすとはありふれたもぶで)

キャストは有り触れたモブで

(ぶきようなひかげものにやくめはない)

不器用な日陰者に 役目はない

(かれはてたはなはおちて)

枯れ果てた 華は落ちて

(ああ)

嗚呼

(どうしてうまくできないんだろう)

どうして うまくできないんだろう

(どうしてこころむしばまれてく)

どうして 心 蝕まれてく

(だれよりもどりょくしているだれよりふつうをしらべた)

誰よりも努力している 誰より普通を調べた

(それでもだれよりふつうをできない)

それでも 誰より普通をできない

(ふつうにみんなとはなしてふつうにいきてみたいのに)

普通にみんなと話して 普通に生きてみたいのに

(かわらないこれはほんとうにわたし？)

変わらない これは本当に私？

(ぎこちなくわらうふなれなえんぎ)

ぎこちなく笑う 不慣れな演技

(「もうすこししぜんにしたら？」)

「もう少し自然にしたら？」

(だいにまく「かくせい」)

第二幕『覚醒』

(「なにもしらないでふざけるな」)

「何も知らないで ふざけるな」

(きいてもないごうまんなあどばいす)

聞いてもない 傲慢なアドバイス

(それはけんじょうしゃのりくつ)

それは健常者の理屈

(こころがしずんでく)

心が 沈んでく

(あなたがいえみんなが)

貴方が いえ皆が

(なにもかもがすべてが)

何もかもが 全てが

(まぶしい)

眩しい

(ねたましいこのせかいが)

妬ましい この世界が

(ぜんぶのろいつくすわ)

全部 呪い尽くすわ

(みつけたいちばんとくいなことを)

見つけた 一番 得意なコトを

(わらってまわりにあわせてわらってむりをするよりも)

偽って 周りに合わせて 造って 無理をするよりも

(なんだかしぜんにわらえるきがする)

なんだか 自然に笑える気がする

(ねたんでこころをよごしてうらんでこころをこわして)

妬んで心を汚して 恨んで心を壊して

(かわれたこれがほんとうのわたし)

変われた これが本当の私

(じゅんぱくのどれすにきらびやかなあくせさりー)

純白のドレスに 綺羅びやかなアクセサリー

(ちょっぴりきかざったら)

ちょっぴり 着飾ったら

(さいごのまくあけ)

最後の 幕開け

(しっとうらみさらけだして)

嫉妬 恨み　曝け出して

(ああ)

嗚呼

(どうしてうまくできちゃうんだろう)

どうして うまくできちゃうんだろう

(どうしてこころはれわたってく)

どうして 心 晴れ渡ってく

(このせかいを)

この世界を

(すべてのろいつくして)

凡て 呪い尽くして

(みつけたいちばんしあわせなこと)

見つけた 一番幸せなこと

(だれよりもしっとにまみれてるだれよりもひがみにみちている)

誰よりも嫉妬に塗れてる 誰よりも僻みに満ちている

(それでもだれよりもしぜんにわらえる)

それでも 誰よりも自然に笑える

(ねたんでこころをたもってうらんでこころをみたして)

妬んで心を保って 恨んで心を満たして

(かわれたこれがほんとうのわたし)

変われた これが本当の私

(どうしてみたされる)

どうして 満たされる

(しぜんにわらえているものみんなほめてくれるわ)

自然に笑えているもの みんな褒めてくれるわ

(なんだか)

なんだか

(これってとってもこうふく)

これって とっても幸福

(だれしもかかえこんでる)

誰しも抱え込んでる

(くうきょなねたみにてぃ)

空虚な 無間嫉妬