喰病しのイデア

(あなたのさいのういただきにきました)

「あなたの才能いただきに来ました。」

(いぜんしたさきさんずんごたくはひとかどで)

依然舌先三寸御託は一角で

(たたきあげってつじつまあわせたら)

叩き上げって辻褄合わせたら

(やめるいぶくろのなかへ)

病める胃袋の中へ

(みずがほしいかゆえんはたいがい)

水が欲しいか所似は大概

(しおけきかせたよくぼうで)

塩気利かせた欲望で

(だれかのなみだでにつめたすーぷを)

誰かの涙で煮詰めたスープを

(のどをかわかせていく)

喉を乾かせていく

(こよいでぃなーはなににいたしますか)

今宵ディナーは何に致しますか

(おのみものはどなたでつくりますか)

お飲み物はどなたで作りますか

(だれかのゆめをほどいてにこんで)

誰かの夢を解いて煮込んで

(おあじはおいしいかい)

お味は美味しいかい

(のどもとにぬいつきはきだしても)

喉元に縫いつき吐き出しても

(けっしててをとめることはできぬように)

決して手を止めることはできぬように

(まだまだきみはまだたべたりない)

まだまだ君はまだ食べたりない

(つみをしょくせしょくせ)

罪を食せ食せ

(だれかれかまわずみさかいはないさ)

誰彼構わず見境はないさ

(どんよくなやみわずらいがならわしなんだ)

貧欲な病み煩いが習わしなんだ

(いんすたんとみーむでにがつえんめい)

インスタントミームで２月延命

(よせあつめのでぃすくはどうだい)

寄せ集めのディスクはどうだい？

(あたまかずあわせてしたなめずりしている)

頭数合わせて舌なめずりしている

(あのこのしょうらいうわずみすすって)

あの子の将来上澄みすすって

(ころあいになっちゃぽいするの)

頃合いになっちゃポイするの？

(ゆめをみるほどにしんじるこころは)

夢を見るほどに信じる心は

(おあつらえむきですね)

お誂え向きですね

(どろだらけはだれでぬぐいますか)

泥だらけは誰で拭いますか？

(またえーよんのかみでしばりますか)

またA4の紙で縛りますか？

(かりとるきみはかりとられるめの)

刈り取る君は刈り取られる芽の

(こころをけりとばした)

心を蹴りとばした

(ごたいそうないすにこしをかけるだけ)

御大層な椅子に腰を掛けるだけ

(やくしゃきどりでいいきになるんじゃねぇ)

役者気取りでいい気になるんじゃねぇ

(まだまだきみはまだたべたりない)

まだまだ君はまだ食べたりない

(つみをしょくせしょくせ)

罪を食せ食せ

(きみのこどものころのゆめ)

君の子供の頃の夢

(ぼくにあまさずきかせてくれないかい)

ボクに余さず聞かせてくれないかい

(うわすべりをしてむくんだおとなに)

上滑りをして浮腫んだ大人に

(なりたかったのかいどうだろう)

なりたかったのかいどうだろう？

(こよいでぃなーはなににいたしますか)

今宵ディナーは何に致しますか

(おのみものはどなたでつくりますか)

お飲み物はどなたで作りますか

(だれかのゆめをほどいてにこんで)

誰かの夢を解いて煮込んで

(おあじはおいしいかい)

お味は美味しいかい

(はきだせどたべたりぬくうふくは)

吐き出せど食べ足りぬ空腹は

(やがてきみじしんにすらきばをむく)

やがて君自身にすら牙を剥く

(さよならおわかれのばんさんだ)

さよならお別れの晩餐だ

(つみをしょくせしょくせ)

罪を食せ食せ