-EPILOGUE FILES-
ジル・クリス・バリー・レオン・クレア・シェリー・エイダ・ハンクのエピソードになります。
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問題文
(じけんのあとじるばれんたいんはたびだった。)
事件の後 ジル・バレンタインは旅立った。
(くりすれっどふぃーるどとごうりゅうするためである。)
クリス・レッドフィールドと合流するためである。
(だがじるをまっていたのは、もぬけのからとなったかくれがであった。)
だが...ジルを待っていたのは、もぬけの殻となった隠れ家であった。
(ゆかにはくりすのないふがみちしるべのごとくにびいろにひかりをはなっている。)
床にはクリスのナイフが道標のごとく鈍色に光を放っている。
(じるはまよいなくそのばをたちさった。かのじょはしんじている。)
ジルは迷いなくその場を立ち去った。彼女は信じている。
(かならずいきてさいかいする、そうめいゆうとちかったのだ。)
必ず生きて再会する、そう盟友と誓ったのだ。
(くれあ、すまない)
「クレア、すまない」
(なんどめかのてがみをいつものことばでしめくくった。)
何度目かの手紙をいつもの言葉で締めくくった。
(さんぐらすをはずしてかふぇのあたたかいひざしにめをほそめると)
サングラスをはずしてカフェの温かい日差しに目を細めると
(めのまえをむすめがかろやかにとおりすぎていく。)
目の前を娘が軽やかに通り過ぎていく。
(としのころはいもうととおなじであろうか。)
......年の頃は妹と同じであろうか。
(そのあとくりすはじぶんのゆくえをおいいもうとがたたかいにみをとうじているじじつをしった。)
その後クリスは自分の行方を追い妹が戦いに身を投じている事実を知った。
(ばりーばーとんはおさないむすめたちのまえにかがみこむとゆっくりとかぶりをふった。)
バリー・バートンは幼い娘達の前にかがみ込むとゆっくりとかぶりをふった。
(すまない、なかまがまっている)
「すまない、仲間が待っている」
(いちどはかぞくのため、うらぎりにてをそめようとしたこともあった。)
一度は家族のため、裏切りに手を染めようとしたこともあった。
(それがなかまにゆるされたとき、おとこはかぞくとはなれてもしんらいにむくいるいしをみとめたのだ。)
それが仲間に許された時、男は家族と離れても信頼に報いる意志を認めたのだ。
(あなた、わたしたちはだいじょうぶ)
「あなた、私達は大丈夫......」
(つまははなのようなえみをうかべ、せいいっぱいのせのびでおっとにくちづけした。)
妻は花のような笑みを浮かべ、精一杯の背伸びで夫にくちづけした。
(れおんすこっとけねでぃはあめりかせいふじょうほうきょくいんをなのるおとこを)
レオン・スコット・ケネディはアメリカ政府情報局員を名乗る男を
(まえにしていた。)
前にしていた。
(おれをころすのか)
「俺を殺すのか......」
(おとこはゆるくくちびるをえみのかたちにゆがませる。)
男はゆるく唇を笑みの形にゆがませる。
(しぇりーはよせ。あのこにつみはない。)
「シェリーはよせ。あの子に罪はない。」
(ああ、だがしりすぎている)
「ああ、だが知り過ぎている」
(おとこはめせんをあげれおんのかおをしょうめんからみすえた。)
男は目線を上げレオンの顔を正面から見据えた。
(そっちょくにいう。われわれはきみののうりょくをたかくひょうかしている。)
「率直に言う。我々は君の能力を高く評価している。
(わるいはなしではない。おんびんにすませるならせんたくはひとつだ)
悪い話ではない。穏便にすませるなら選択は一つだ」
(れおんはめをとじ、そしてこたえた。)
レオンは目を閉じ、そして答えた。
(おれとしぇりーをおいていくんだ)
「俺とシェリーを置いていくんだ」
(くれあれっどふぃーるどはれおんのことばにみみをうたがった。)
クレア・レッドフィールドはレオンの言葉に耳を疑った。
(れおん、どうして?)
「レオン、どうして?」
(きみはあにきをさがしているんだろう?)
「君は兄貴を探しているんだろう?」
(ふしょうしているれおんとすいじゃくしたしぇりーはいっこくもはやいほごをひつようとしている。)
負傷しているレオンと衰弱したシェリーは一刻も早い保護を必要としている。
(しかしかのじょにはこれいじょうのじかんてきよゆうはなかった。)
しかし彼女にはこれ以上の時間的余裕はなかった。
(わたしかならずかえる。やくそくする!)
「私...必ず帰る。約束する!」
(くれあはひとりこうやへきえた。)
クレアはひとり荒野へ消えた。
(みよりは?)
「身寄りは?」
(ぐんしょうこうがつとめておだやかにといかけてもしぇりーばーきんはこたえなかった。)
軍将校がつとめて穏やかに問いかけてもシェリー・バーキンは答えなかった。
(しょうじょににくしんはいない。)
少女に肉親はいない。
(みずからがうみだしたぐんようういるすgによってむざんなさいごをとげたのだ。)
自らが生み出した軍用ウイルス”G”によって無残な最後をとげたのだ。
(しょうじょはじしんのりょううででからだをだきしめるとちいさなくちびるをかみしめた。)
少女は自身の両腕で身体を抱きしめると小さな唇をかみしめた。
(きっともどってきてくれる)
きっと戻ってきてくれる......。
(こどくなしぇりーにとってくれあののこしたあかいかわじゃけっとだけが)
孤独なシェリーにとってクレアの残した赤い皮ジャケットだけが
(ただひとつのこされたひととのきずなであった。)
ただひとつ残された人との絆であった。
(おんなはかがみにうつるじぶんのすがたをみつめていた。えいだうぉんとよばれたおんな)
女は鏡に映る自分の姿を見つめていた。エイダ・ウォンと呼ばれた女...。
(しかしそのなまえにわかれをつげるあさがおとずれていた。)
しかしその名前に別れを告げる朝が訪れていた。
(つぎのしごとまで、あとすうこく。)
次の仕事まで、あと数刻。
(わたしはもう、えいだじゃない)
「私はもう、エイダじゃない......」
(わきばらにはまあたらしいれっしょうがあった。)
わき腹には真新しい裂傷があった。
(おんながえいだであったときあいしたおとこをまもるためにうけたきずである。)
女がエイダであった時 愛した男を守るために受けた傷である。
(これはえいだのきず、わたしのきずじゃない)
「これはエイダの傷、私の傷じゃない」
(えいだうぉんでなくなるあさおんなはとめどないなみだをながしていた。)
エイダ・ウォンで無くなる朝 女はとめどない涙を流していた。
(またあんただけか、しにがみ)
「またあんただけか、死神」
(かいしゅうしたゆいいつのへいしがはんくであることがわかると)
回収した唯一の兵士がハンクであることがわかると
(へりのぱいろっとはどくづくようにいった。)
ヘリのパイロットは毒づくように言った。
(いつもだ。あんただけがいきのびる。どんなじごくのようなせんじょうでも)
「いつもだ。あんただけが生き延びる。どんな地獄のような戦場でも」
(はんくはぱいろっとにはおうじず、)
ハンクはパイロットには応じず、
(かいしゅうしたかぷせるをてのひらにとりだしてもてあそんだ。)
回収したカプセルを掌に取り出してもてあそんだ。
(じごくはしにがみのりょういきである。)
地獄は死神の領域である。
(しにがみはしなず、か)
「死神は死なず、か......」
(せいかんしゃはかすかなえみをうかべていた。)
生還者はかすかな笑みを浮かべていた。
(らくーんしてぃをぶたいにしたものがたりはかんけつした。)
ラクーンシティを舞台にした物語は完結した。
(しかし、よくぼうほんいのけんきゅうがつづけられるかぎり)
しかし、欲望本位の研究が続けられるかぎり
(ばいおはざーどのきょうふはおわらない。)
バイオハザードの恐怖は終わらない。
(えいえんに)
永遠に......。