孤独ノ隠レンボ

(ものがたりのはじまりあけるまく)

物語の始まり　開ける幕

(しゅやくぎみっくぴえろのひげきのわらいあめ)

主役　ギミックピエロの悲劇の笑い雨

(にごったどろみずにうつったきみのかお)

濁った泥水に　映った君の顔

(へいぼんなにちじょううんざりだった)

平凡な日常　うんざりだった

(えんぶんこうぶつですいそくはきちらし)

艶聞好物で　推測吐き散らし

(ゆめがうつつかにさたいしゅうしんり)

夢がうつつかにさ　大衆心理

(ひいたばつのしおりから)

引いた罰のしおりから

(あふれだすおもちゃそっとひろげて１７１３)

溢れだすオモチャそっと広げて １７１３

(みつけだしたおとぎばなしうれたかじつのように)

見つけ出したおとぎ話　熟れた果実のように

(あまいみつむらがりくるうかんじょうせいふく)

甘い蜜　群がり　狂う　感情征服

(あめあがりなんでもないわらうかげがほらゆれる)

雨上がり 何でもない 笑う陰がほら揺れる

(ほんをあけたむじゃきなどうけい)

本を開けた無邪気な憧憬

(たいくつしのぎにさはじめるこのげーむ)

退屈しのぎにさ　始めるこのゲーム

(へいぼんなにちじょうへだたるだいしょう)

平凡な日常　隔たる代償

(おにのめをかくしてきりさくてつのあじ)

鬼の目を隠して　切り裂く鉄の味

(あかくつむぎいればじゅんびかんりょう？)

赤く紡ぎいれば　準備完了？

(じょうしゃけんにぎりしめて)

乗車券握りしめて

(つげるはりきみのめうばう１２０３)

告げる針　君の目奪う　１２０３

(はじめようかかくれんぼ「さいしょのおにはぼくだ」)

始めようか かくれんぼ 「最初の鬼は僕だ」

(のいずうつすてれびはなくそんざいしょうめい)

ノイズ映す　テレビは泣く　存在証明

(１２０のなんでもないわらうきみがほらもらす)

１２０のなんでもない　笑う君がほら漏らす

(「つぎはきみがおにのばん」だと)

「次は君が鬼の番」だと

(こんばんわ。)

こんばんわ。

(ｎｎｎりんじそくほうからきょうのぎせいしゃをおつたえします。)

ＮＮＮ臨時速報から今日の犠牲者をお伝えします。

(きょうあるきながらけいたいをみていたひと)

今日歩きながら携帯を見ていた人

(せいかつがさびしくてわしつにうさぎをかったひと)

生活が寂しくて和室にうさぎを飼った人

(まんぽけいで、いちまんぽあるくのをたっせいしたひと)

万歩計で、一万歩歩くのを達成した人

(ずっときになっていたことをほんにんにちょくせつつたえたひと)

ずっと気になっていたことを本人に直接伝えた人

(ひとりかくれんぼを「おこなってしまった」ひと)

ひとりかくれんぼを「行ってしまった」人

(いま、あおざめているあなた)

今、青ざめているあなた

(あしたのぎせいしゃはこのかたがたです。)

明日の犠牲者はこの方々です。

(ごめいふくをおいのりいたします。)

ご冥福をお祈りいたします。

(おやすみなさい。)

おやすみなさい。

(どこかできいたふしぎなはなし)

どこかで聴いた不思議な話

(なるひとなきひとりんじそくほう)

生る人　亡き人　臨時速報

(「さてほんじつしぬのはむじゃきなあなた」)

「さて本日死ぬのは無邪気なあなた」

(よち？よち？よち？かいむひょうじょうくるったおにがくる)

予知？　余地？　与知？　皆無表情狂った鬼が来る

(ほらかさなったほらかおみせた)

ほら重なった　ほら顔見せた

(さありみっとせまったさいしゅうしょう)

さあリミット迫った最終章

(ああおにがくるもうおにがくる)

ああ鬼が来る　もう鬼が来る

(ねえむじゃきにくるったおにがくる)

ねえ　無邪気に狂った鬼が来る

(みつけだしたおとぎばなし)

見つけ出したおとぎ話

(うれたかじつはかれて)

熟れた果実は枯れて

(あまいみつゆうだちさそうちょうじょうげんしょう)

甘い蜜　夕立　誘う　超常現象

(しゅうえんのひとりあそびび)

終焉ノ独リ遊ビ

(なつのかげがほらそばに)

夏の陰がほら傍に

(そこにいたおにがわらった「ぼくのかち」)

そこにいた鬼が嗤った「僕の勝ち」

(はじめようさあかくれんぼを「ほんとうのおにはだれだ？」)

始めよう　さあ　かくれんぼを「本当の鬼は誰だ？」

(ぷろろーぐはひにくにつげるかんぜんはんざい)

プロローグは皮肉に告げる　完全犯罪

(しょかのうわさひとりあそびりんねするしおりねこ)

初夏の噂　一人遊び　輪廻するしおり猫

(「つぎはきみがおにのばんだ」と)

「次ハ君ガ鬼ノ番ダ」と