成れの果てのグリフ

(なじみあるようなまるでないような)

馴染みあるようなまるでないような

(なとろんでかわくもつやくのにおい)

ナトロンで乾く没薬の匂い

(ばちあたりだなうまれおちたときから)

罰当たりだな　生まれ落ちた時から

(いまをてばなしたみらいへいく)

今を手放した未来へ行く

(とうすいじょうたいとはんていじぶんいがいであれ)

陶酔状態と判定　自分以外で在れ

(とうすいじょうたいとはんていじぶんいがいになれ)

陶酔状態と判定　自分以外になれ

(いっさいがっさいをさいていじょうじょうしゃくりょうのよちも)

一切合切を裁定　情状酌量の余地も

(しっこうしたりびどー)

失効したリビドー

(さつびらたばねてぴえろのうめん)

札びら束ねて　ピエロ　能面

(かどまちすらむでどころはどこだ)

角待ちスラム　出所は何処だ？

(まやかしまみれのゆめはてはずで)

瞞し塗れの夢は手筈で

(いれかえはじめましてのかお)

入れ替えはじめましての顔

(ばらまくそあくなかんじょうなれのはては)

ばら撒く粗悪な感情　成れの果ては

(ゆりかごでとうぶがしずみこんでいる)

揺り籠で頭部が沈み込んでいる

(だってなんどでもだってなんどでも)

だって何度でも　だって何度でも

(かぎしっぽのよめにおびえてしまうよ)

鍵しっぽの夜目に怯えてしまうよ

(どこかにきっとでぐちがあるはずだ)

何処かにきっと出口があるはずだ

(てをつけるきんきとひごうほうのあお)

手を付ける禁忌と非合法の青

(ぼくをつくりかえていくうみなおしていく)

ボクを作り替えていく　生み直していく

(ゆえんになったぐりーふ)

所以になったグリーフ

(めにみえるようなさきがないような)

目に見えるような　先が無いような

(めいていどうぜんのじんせいならくのそこ)

酩酊同然の人生　奈落の底

(ばちあたりだなうまれおちたときから)

罰当たりだな　生まれ落ちた時から

(いまをてばなしたみらいへいく)

今を手放した未来へ行く

(とうすいじょうたいとはんていじぶんいがいであれ)

陶酔状態と判定　自分以外で在れ

(とうすいじょうたいとはんていじぶんいがいになれ)

陶酔状態と判定　自分以外になれ

(こんなのじゃとうぜんとうていじょうあいへのこころも)

こんなのじゃ当然到底　情愛への心も

(しっこうしたりびどー)

失効したリビドー

(がらくたつらねてうたうらくいん)

我楽多列ねて歌う烙印

(くるえるよるほどかくしておくれ)

狂える夜ほど隠しておくれ

(きりとりせんからむこうは)

キリトリ線から向こうは

(ふぁてぃまのてではまもられないせかいだ)

ファティマの手では守られない世界だ

(このちいさなせいのゆくえにかちはない)

この小さな生の行方に価値はない

(あらがってもがいてもどうせいみはない)

抗って藻掻いてもどうせ意味はない

(だってだれもだってだれも)

だって誰も　だって誰も

(しんだあとのことはおしえてくれない)

死んだ後のことは教えてくれない

(どこかにきっとでぐちがあるはずだ)

何処かにきっと出口があるはずだ

(くりかえすいつかのきおくをすてて)

繰り返すいつかの記憶を捨てて

(ぼくをつくりかえていくうみなおしていく)

ボクを作り替えていく　生み直していく

(ゆえんになったぐりーふ)

所以になったグリーフ

(わるいゆめならさましてください)

悪い夢なら覚ましてください

(しっかんれこんきすたおまじないは)

疾患レコンキスタ　お呪いは

(だってそうたいてきにふこうでありたいだけ)

だって相対的に不幸でありたいだけ

(ばらまくそあくなかんじょうなれのはては)

ばら撒く粗悪な感情　成れの果ては

(ゆりかごでとうぶがしずみこんでいる)

揺り籠で頭部が沈み込んでいる

(だってなんどでもだってなんどでも)

だって何度でも　だって何度でも

(かぎしっぽのよめにおびえてしまうよ)

鍵しっぽの夜目に怯えてしまうよ

(ぽっかりあいたこころをぬいあわせ)

ぽっかり空いた心を縫い合わせ

(えきじょうかのあいからじゅんにあふれだす)

液状化の愛から順に溢れ出す

(ぼくをつくりかえていくうみなおしていく)

ボクを作り替えていく　生み直していく

(ゆえんになったぐりーふ)

所以になったグリーフ