一生不幸でかまわない／まふまふ

(わらいかたわすれましたわらわれはじめてから)

笑い方わすれました　笑われはじめてから

(なきかたわすれましたなにもがかなしいから)

泣きかたわすれました　何もが悲しいから

(うすぐらいへやのすみでかきならすろくげんには)

薄暗い部屋の隅でかき鳴らす六弦には

(あしたをかえるほどのねうちはないってわかってんだ)

明日を変えるほどの値打ちはないってわかってんだ

(いやいや)

厭々

(ふめいなせんてんすふきょうわおんここではなしたかぎりじゃないや)

不明なセンテンス　不協和音　ここで話した限りじゃないや

(さいていをびかもできずにあたまのなかみがぐるぐるまわるだけ)

最低を美化もできずに　頭の中身がぐるぐる回るだけ

(ごめんなさいねえ、ごめんなさい)

ごめんなさい　ねえ、ごめんなさい

(だれもかれもがうしろゆびをさしているきたいはずれのにんげんしっかくなんです)

誰も彼もが後ろ指を指している　期待外れの人間失格なんです

(ごめんなさいごめんなさい)

ごめんなさい　ごめんなさい

(かれたのどをひきさいてふらっしゅばっくする)

枯れた喉を引き裂いてフラッシュバックする

(もういいんだいっしょうふこうでもかまわない)

もういいんだ　一生不幸でもかまわない

(なりやまぬばせいのきげんをとれたならゆるしてくれますか)

鳴り止まぬ罵声の機嫌を取れたなら　許してくれますか

(あれなんであやまっているんだっけ)

あれ　なんで謝っているんだっけ

(なにかしたんだっけ)

何かしたんだっけ

(まあいいやきっとぼくがわるいのだから)

まあいいや　きっとボクが悪いのだから

(にごったすいそうであいわなくわえてがすらいてぃんぐがはいけい)

濁った水槽でアイワナ　加えてガスライティングが背景

(はっきょうしたぴえろのかげにふるえるりんごがいっこにこいたむだけ)

発狂したピエロの影に　震える林檎が　一個　二個　傷むだけ

(ごめんなさいねえ、ごめんなさい)

ごめんなさい　ねえ、ごめんなさい

(みにおぼえのないつみをあがなっているぼくをうらぎるぼくがうそをついた)

身に覚えのない罪を贖っている　ボクを裏切るボクが嘘を吐いた

(ごめんなさいごめんなさい)

ごめんなさい　ごめんなさい

(おねがいだれかきがついてそうしたらもう)

お願い誰か気がついて　そうしたらもう

(もういいんだいっそわるものでもかまわない)

もういいんだ　いっそ悪者でもかまわない

(おわらないあくむのるーぷしめんのかべにはりついたむすうのめ)

終わらない悪夢のループ　四面の壁に張り付いた無数の目

(しびれたあたまのなかでじゅわきがなっている)

痺れた頭の中で受話器が鳴っている

(どこへどこへにげばしょもないくせに)

どこへ　どこへ　逃げ場所もないくせに

(わかっているわかっているよこのいのちはおしまいなんだろう？)

わかっている　わかっているよ　この命はお終いなんだろう？

(もういやいやいや)

もう厭々々

(ごめんなさいごめんなさい)

ごめんなさい　ごめんなさい

(ごめんなさいごめんなさい)

ごめんなさい　ごめんなさい

(うまれてきてごめんなさいいまじゃそれしかたしかにうたえなさそうだ)

生まれてきてごめんなさい　今じゃそれしか確かに歌えなさそうだ

(ごめんなさいごめんなさい)

ごめんなさい　ごめんなさい

(かれたのどをひきさいてふらっしゅばっくする)

枯れた喉を引き裂いてフラッシュバックする

(もういいんだいっしょうすくいのないふこうでもかまわないや)

もういいんだ　一生救いのない不幸でもかまわないや