プラネテス　キタニタツヤ

(しらないくににまよいこんだみたいだ)

知らない国に迷い込んだみたいだ

(だれもがきれいなうそではなしてる)

誰もが綺麗な嘘で話してる

(このてをどこにもつなげないまま、わたしは)

この手をどこにも繋げないまま、私は

(もがくようにあなたをさがしている)

もがくようにあなたを探している

(しんでしまっただれかのにゅーすに)

死んでしまった誰かのニュースに

(なみだしたやさしいひとたち)

涙した優しい人たち

(はいつくばっていきるだれかの)

這いつくばって生きる誰かの

(いきているざまにはしたうちをした)

生きているざまには舌打ちをした

(わたしはどこにいるの？)

私はどこにいるの？

(あのね、)

あのね、

(あなたとふたりでいきをしていたい)

あなたとふたりで息をしていたい

(あなたとふたりでおよいでゆきたい)

あなたとふたりで泳いでゆきたい

(どこかとおくのはてにながれつくまで)

どこか遠くの果てに流れ着くまで

(まだみぬせかいでわらえるまで)

まだ見ぬ世界で笑えるまで

(ただあなたとだけてをつなげるなら)

ただあなたとだけ手を繋げるなら

(ただあなたとだけよるをやりすごせたら)

ただあなたとだけ夜をやり過ごせたら

(しんじられるものなどひとつもなくても)

信じられるものなどひとつもなくても

(ふたつのさびしさでも)

ふたつの寂しさでも

(なにもないうちゅうにほうりだされたみたいだ)

何もない宇宙に放り出されたみたいだ

(ぜんごもさゆうもわからなくなる)

前後も左右もわからなくなる

(へそのおをきったあかごのように、わたしは)

へその緒を切った赤子のように、私は

(おぼえたてのこどくにかみついている)

覚えたての孤独に噛みついている

(うみのむこうでおきたひげきに)

海の向こうで起きた悲劇に

(じひをかけあわれむひとたち)

慈悲をかけ憐れむ人たち

(おなじことばではなすだれかを)

同じ言葉で話す誰かを

(きずつけてどうしてわらえてしまうの？)

傷つけてどうして笑えてしまうの？

(それでもいきているの？)

それでも生きているの？

(だれもがひとりでいきてはゆけない)

誰もが独りで生きてはゆけない

(かなしみのおもさをうけとめきれない)

悲しみの重さを受け止めきれない

(いてつくびるかぜにみをふるわせて)

凍てつくビル風に身を震わせて

(かじかむこころにいきをふいて)

かじかむ心に息を吹いて

(いまよりすこしだけやさしくなれたら)

今より少しだけ優しくなれたら

(つながりあうことをおそれずにいられたら)

繋がり合うことを恐れずにいられたら

(めにみえないあくいにさいなまれようとも)

目に見えない悪意に苛まれようとも

(ただしくあれなくとも)

正しくあれなくとも

(あのむーんりばーをわたって)

あのムーンリバーを渡って

(まよいながらすすもう)

迷いながら進もう

(たくさんのせかいをあなたとみたいよ)

沢山の世界をあなたと見たいよ

(みちしるべはいらない)

道標は要らない

(となりにあなたがいて)

隣にあなたがいて

(わたしはここにいるから)

私はここにいるから

(あなたとふたりでいきをしていたい)

あなたとふたりで息をしていたい

(あなたとふたりでおよいでゆきたい)

あなたとふたりで泳いでゆきたい

(どこかとおくのはてにながれつくまで)

どこか遠くの果てに流れ着くまで

(まだみぬせかいでわらえるまで)

まだ見ぬ世界で笑えるまで

(ただあなたとだけてをつなげるなら)

ただあなたとだけ手を繋げるなら

(ただあなたとだけよるをやりすごせたら)

ただあなたとだけ夜をやり過ごせたら

(しんじられるものなどひとつもなくても)

信じられるものなどひとつもなくても

(ふたつのさびしさでも)

ふたつの寂しさでも

(あなたといきてゆける)

あなたと生きてゆける