ルックバック

(いまおわらせたら)

今、終わらせたら

(きみはどうなってしまうかな)

君はどうなってしまうかな

(わすれられないひとがまだいるとか)

忘れられない人がまだいるとか

(くちがさけてもいえはしないよな)

口が裂けても言えはしないよな

(おおきなくちをあけてわらうとこも)

大きな口を開けて笑うとこも

(じょしゅせきでねむってしまうとこも)

助手席で眠ってしまうとこも

(ふてくされたそのかおも)

不貞腐れたその顔も

(かさなってしかたないのです)

重なって仕方ないのです

(なつのにおいがしたって)

「夏の匂いがした」って

(あのうたでてをつなぎなみだながしたとき)

あの歌で手を繋ぎ涙流した時

(うかんだのはきみじゃない)

浮かんだのは君じゃない

(ごめんなぼくらおなじなみだながしていないんだ)

ごめんな僕ら同じ涙流していないんだ

(じつはしゃしんとかぜんぶのこっている)

実は写真とか全部残っている

(あのひとにもらったくつをはいている)

あの人に貰った靴を履いている

(これでもそばにいてくれるかい)

これでも側にいてくれるかい

(なつかしい)

「懐かしい」

(いつかはかってにそうおもうとおもっていた)

いつかは勝手にそう思うと思っていた

(さんざんきずついたのに)

散々傷ついたのに

(たいせつにしてしまうな)

大切にしてしまうな

(うつくしいひびだった)

美しい日々だった

(はじめてをすべてささげたひとよ)

初めてを全て捧げた人よ

(ただそれだけ)

ただそれだけ

(だけど)

だけど

(いちどしかあげられないんだぜ)

一度しかあげられないんだぜ

(じかんはかいけつしない)

時間は解決しない

(きずがなおっているけはいもしない)

傷が治っている気配もしない

(これじゃあすすめないねいたいね)

これじゃあ進めないね、痛いね

(てをはなすしかないのか)

手を離すしかないのか

(ぼくもはやくあいたいよというたび)

「僕もはやく会いたいよ」と言うたび

(すこしずつなにかがすりへっていく)

少しずつ何かがすり減っていく

(うそをつくつもりはないのに)

嘘をつくつもりはないのに

(うそをついているようなきがする)

嘘をついているような気がする

(もうみがもたないね)

もう身が持たないね

(すこしおもいだしただけですまなかった)

少し思い出しただけで済まなかった

(いっしょになるべきじゃなかったんだ)

一緒になるべきじゃなかったんだ

(ほんとうにすまなかった)

本当にすまなかった

(ただこれだけはわかっていてほしい)

ただこれだけはわかっていて欲しい

(きみはなにもわるくないってこと)

君は何も悪くないってこと

(なつかしい)

「懐かしい」

(いつかはかってにそうおもうとおもっていた)

いつかは勝手にそう思うと思っていた

(さんざんきずついたのに)

散々傷ついたのに

(たいせつにしてしまうな)

大切にしてしまうな

(うつくしいひびだった)

美しい日々だった

(はじめてをすべてささげたひとよ)

初めてを全て捧げた人よ

(ただそれだけ)

ただそれだけ

(だけど)

だけど

(だれにももうあげられないんだぜ)

誰にももうあげられないんだぜ

(あのひびをかんがえないひはない)

あの日々を考えない日はない

(もうめをみてはなせない)

もう目を見て話せない

(これじゃあすすめないねいたいね)

これじゃあ進めないね、痛いね

(きみもたいせつなんだけど)

君も大切なんだけど

(ごめんねわかってね)

ごめんね、わかってね

(てをはなすしかないのだ)

手を離すしかないのだ