刑法 総論1

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問題文
(けっかてきかじゅうはん)
・結果的加重犯
(きほんおかたるこいはんのなかにおもいけっかはっせいのこうどのきけんせいがないほう)
基本犯たる故意犯の中に重い結果発生の高度の危険性が内包
(つきかしつふよう)
→重い結果につき過失不要
(じゅうはんがせいりつ)
→基本行為と重い結果との間に因果関係があれば結果的加重犯が成立
(ふさくいはんのじっこうこういせい)
・不作為犯の実行行為性
(じっこうこういとはこうせいようけんてきけっかはっせいのげんじつてききけんせいをゆうするこうい)
実行行為とは構成要件的結果発生の現実的危険性を有する行為
(える)
→不作為もかかる危険性を惹起できるから実行行為足り得る
(もっとも、じゆうほしょうきのうのかんてんからしょばつはんいげんていのひつよう)
もっとも、自由保障機能の観点から処罰範囲限定の必要
(わち、ほうてきさくいぎ)
→作為との構成要件的同価値性が認められる場合、すなわち、法的作為義
(つとめがあったのにそのぎむにいはんし、さくいがかのうかつよういであったのにさくい)
務があったのにその義務に違反し、作為が可能かつ容易であったのに作為
(をしなかったばあいにかぎりじっこうこういせいがみとめられる。)
をしなかった場合に限り実行行為性が認められる。
(かんせつせいはんのじっこうこういせい)
・間接正犯の実行行為性
(かんせつせいはんのじっこうのちゃくしゅじき)
・間接正犯の実行の着手時期
(いんがかんけい)
・因果関係
(いんがかんけいはぐうはつてきなけっかをはいじょしててきせいなきせきはんいをかくてい)
因果関係は偶発的な結果を排除して適正な帰責範囲を確定
(じじょうをきそにいざいこと)
→条件関係があることを前提に、行為時に存在した全事情を基礎に/介在事
(じょうのいじょうせいいんがてききよどをこうりょし、そのこういのきけんせいがけっかへとげんじつか)
情の異常性・因果的寄与度を考慮し、その行為の危険性が結果へと現実化
(しているばあいにみとめられる)
している場合に認められる
(かくせいざいといみのにんしき)
・覚〇剤と意味の認識
(こいせきにんのほんしつ)
故意責任の本質
(うなやくぶつるいであ)
→覚〇剤という種類の認識がなくても、身体に有害な違法な薬物類であ
(るとのにんしきさえあればきはんにちょくめんしたといえる)
るとの認識さえあれば規範に直面したといえる
(あればこいがみとめられる。)
→かかる認識があれば故意が認められる。
(ぐたいてきじじつのさくご)
・具体的事実の錯誤
(こいせきにんのほんしつ)
故意責任の本質
(のかたちでいっぱんじんにあたえられている)
→規範は構成要件の形で一般人に与えられている
(んにちょくめんしたといえゆえ)
→主観と客観が同一構成要件内で符合する限り、規範に直面したといえ故
(いがみとめられる。)
意が認められる。
(そして、こうせいようけんのはんいないでこいをちゅうしょうかするいじょう、こいのこすうはかんねんで)
そして、構成要件の範囲内で故意を抽象化する以上、故意の個数は観念で
(きないから、はっせいしたけっかのかずだけこいはんがせいりつする)
きないから、発生した結果の数だけ故意犯が成立する
(いんがかんけいのさくご)
・因果関係の錯誤
(いんがかんけいはきゃっかんてきこうせいようけんようそ)
因果関係は客観的構成要件要素
(こいせきにんのほんしつきはんはこうせいようけんのかたちでいっぱんじんにあたえられている)
故意責任の本質 規範は構成要件の形で一般人に与えられている
(り、ぐたいてきにはいんがかんけい)
→主観と客観が構成要件内の範囲内で符合する限り、具体的には因果関係
(がみとめられることにつきしゅかんときゃっかんがふごうすれば、きはんにちょくめんしたといえ)
が認められることにつき主観と客観が符合すれば、規範に直面したといえ
(こいがみとめられる)
故意が認められる
(はやすぎたこうせいようけん)
・早すぎた構成要件
(じっこうこういとはこうせいようけんてきけっかはっせいのげんじつてききけんせいをゆうするこういをいうた)
実行行為とは構成要件的結果発生の現実的危険性を有する行為をいうた
(め、かかるきけんせいをひきおこしたじてんでじっこうこういせいがみとめられる。そしてはんにん)
め、かかる危険性を惹起した時点で実行行為性が認められる。そして犯人
(のしゅかんもかかるきけんせいにえいきょうすることから、はんにんのしゅかんはんこうけいかくもこうりょ)
の主観もかかる危険性に影響することから、犯人の主観・犯行計画も考慮
(すべき。)
すべき。
(とくだんのしょうがいの)
(あてはめ 第一行為の必要性第一行為と第二行為の間の特段の障害の
(じかんてきばしょてききんせつせい))
不存在時間的場所的近接性)
(かるいこいにたいおうしたきゃっかんてきこうせいようけんがいとうせい)
・軽い故意に対応した客観的構成要件該当性
(つてきにかんがえ、こうせいようけんがたもつ)
法益保護の観点から客観的構成要件該当性は実質的に考え、構成要件が保
(ごほうえきとこういたいようにちゃくもくしてるいけいかされたものであることから、これらの)
護法益と行為態様に着目して類型化されたものであることから、これらの
(てんでかさなりあいがみとめられればそのげんどできゃっかんてきこうせいようけんがいとうせいがみとめら)
点で重なり合いが認められればその限度で客観的構成要件該当性が認めら
(れる。)
れる。
(ちゅうしょうてきじじつのさくご)
・抽象的事実の錯誤
(こいせきにんのほんしつきはんはこうせいようけんのかたちでいっぱんじんにあたえられているこうせいようけん)
故意責任の本質 規範は構成要件の形で一般人に与えられている 構成要件
(はほごほうえきとこういたいようにちゃくもくしてるいけいか)
は保護法益と行為態様に着目して類型化
(うのてんでかさなりあいがみとめ)
→行為者の主観と客観との間に保護法益・行為態様の点で重なり合いが認
(められればそのげんどでこいがみとめられる。)
められればその限度で故意が認められる。
(かしつはん)
・過失犯
(しゃかいてきにゆうようなこういについてのかしつはんのせいりつをひていすべく、かしつとはこうせい)
社会的に有用な行為についての過失犯の成立を否定すべく、過失とは構成
(ようけんようそであり、よけんかのうせいをぜんていとするよけんぎむいはん、およびけっかかいひか)
要件要素であり、予見可能性を前提とする予見義務違反、及び結果回避可
(のうせいをぜんていとするけっかかいひぎむいはんからなる。)
能性を前提とする結果回避義務違反からなる。
(よけんかのうせい)
・予見可能性
(たんなるきぐかんをしょばつするとなればせきにんしゅぎにはんする)
単なる危惧感を処罰するとなれば責任主義に反する
(てきぶぶんのよけんかのうせい)
→具体的な結果及び当該結果にかかる因果関係の基本的部分の予見可能性
(がひつよう。もっとも、よけんかのうせいはけっかかいひぎむをきそづけるためのもの)
が必要。もっとも、予見可能性は結果回避義務を基礎づけるためのもの
(いがあればたりる)
→一般人をして結果回避へと動機づける程度の予見可能性があれば足りる
(ほんてきぶぶんのよけんか)
→因果関係についても、結果の発生に至る因果関係の基本的部分の予見可
(のうせいがあればたりる)
能性があれば足りる
(しんらいのげんそく)
・信頼の原則
(たしゃのてきせつなこうどうへのしんらいがしゃかいてきにそうとうなばあいには、しんらいのげんそくのてきよう)
他者の適切な行動への信頼が社会的に相当な場合には、信頼の原則の適用
(があり、そのしんらいをぜんていとしてけっかかいひぎむがこうせいされる。なお、しんらいの)
があり、その信頼を前提として結果回避義務が構成される。なお、信頼の
(げんそくはけっかかいひぎむいはんのはんだんきじゅんにすぎないから、こういしゃがこうつうほうきなど)
原則は結果回避義務違反の判断基準にすぎないから、行為者が交通法規等
(のきそくにはんしたばあいでもそのてきようはひていされない。)
の規則に反した場合でもその適用は否定されない。
(しょうだくによるいほうせいそきゃく)
・承諾による違法性阻却
(いほうせいのじっしつ)
違法性の実質
(とうせいをゆうするばあいにはいほう)
→被害者の有効な承諾当該行為が社会的相当性を有する場合には違法
(せいがそきゃくされる。)
性が阻却される。
(さくごによるしょ)
錯誤による承諾→不充足
(しんがいのよきときゅうはくせい)
・侵害の予期と急迫性
(「きゅうはく」とはほうえきしんがいのげんじつてききけんがせっぱくしていることをいうところ、そ)
「急迫」とは法益侵害の現実的危険が切迫していることをいうところ、そ
(のはんだんはごぎどおりきゃっかんてきかんてんからおこなうべき)
の判断は語義通り客観的観点から行うべき
(されない)
→単に侵害を予期したにすぎない場合には、急迫性は否定されない
(ぼうえいのいし)
・防衛の意思
(「ため」というぶんげんからぼうえいのいしがひつようであり、そのないようとしてはきゅうはく)
「ため」という文言から防衛の意思が必要であり、その内容としては急迫
(ふせいのしんがいをにんしきしつつこれをさけようとするたんじゅんなしんりじょうたいでたりる)
不正の侵害を認識しつつこれを避けようとする単純な心理状態で足りる
(よりまねきぼうえい)
・自招防衛
(いほうせいのじっしつは・・・、せいたいふせいのかんけいにあるといえないかぎりせいとうぼうえいはせいりつ)
違法性の実質は…、正対不正の関係にあるといえない限り正当防衛は成立
(しない)
しない
(くごにおけるきんせつした)
→被害者の攻撃が行為者の行為に触発された、その直後における近接した
(ばしょでのいちれんいったいのじたいということができ、こういしゃのこういのていどをおおき)
場所での一連・一体の事態ということができ、行為者の行為の程度を大き
(くこえるものでないばあいには、これにたいする)
く超えるものでない場合には、これに対する
(こういはせいとうかされず、せいとうぼうえいはせいりつしない。)
行為は正当化されず、正当防衛は成立しない。
(かしつのかじょうぼうえいきょうぎのごそうぼうえい)
・過失の過剰防衛 狭義の誤想防衛
(こいせきにんのほんしついほうせいそきゃくじゆうをきそづけるじじつをごしんしているばあい、ぎょう)
故意責任の本質 違法性阻却事由を基礎づける事実を誤信している場合、行
(ためしゃはきはんにちょくめんしたといえない)
為者は規範に直面したといえない
(してせきにんこいがそきゃく)
→事実の錯誤として責任故意が阻却
(ぼうえいこういのいったいせい)
・防衛行為の一体性
(しんがいしゅうりょうぜんごのこういにいったいせいがあるならば、ほうてきにもどういつにひょうかすべき)
侵害終了前後の行為に一体性があるならば、法的にも同一に評価すべき
(められるばあいには、いちれん)
→客観的に行為態様が共通し、意思の連続性が認められる場合には、一連
(いったいのこういとしてぜんたいがかじょうぼうえいとなる。)
一体の行為として全体が過剰防衛となる。