刑法 各論2

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問題文

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(しょぶんこういのようひ)

・処分行為の要否

(ごうとうりとくざいは)

強盗利得罪は被害者の意思を抑圧して財産上の利益を得る犯罪であり、被

(がいしゃによるに)

害者による任意の処分行為は予定されていないから、被害者の処分行為は

(ふよう)

不要

(つかつぐたいてきな)

→もっとも、処罰範囲限定のため「暴行または脅迫」は確実かつ具体的な

(りえきいてんにむけられたものであ?)

利益移転に向けられたものである必要=氏を者?

(せっとうのきかい)

・窃盗の機会

(るぼうこうなどが、ごうとうざい)

238 条の趣旨は、窃盗の機会に一定の目的の下行われる暴行等が、強盗罪

(におけるぼうこうとどうししうるてんにある)

における暴行と同視しうる点にある

(くのこうしであって、ひそか)

→「暴行」とは相手方の反抗を抑圧する程度の有形力の行使であって、窃

(ぬすみのきかいにおこなわれたものをいう)

盗の機会に行われたものをいう

(、はんにんがあんぜんけんにいり)

→窃盗の機会性は時間的場所的近接性などを考慮して、犯人が安全圏に入

(ったかいなかによってはんだん)

ったか否かによって判断

(じょうほうのざいぶつせいざいぶつ=ざいさんてきかちをゆうするゆうたいぶつ)

・情報の財物性 財物=財産的価値を有する有体物

(かいぶつにざいさんてきかち)

→情報自体は財物に当たらないが、情報が記録された媒介物に財産的価値

(がみとめられれば、かかるばいかいぶつはざいものにあたる)

が認められれば、係る媒介物は財物に当たる

(せいとうなけんりこうし)

・正当な権利行使

(いほうせいのじっしつはしゃかいてきそうとうせいをいつだつするほうえきしんがい)

違法性の実質は社会的相当性を逸脱する法益侵害

(かいてきそうとうせいのはんいない)

→権利行使の正当な目的権利の範囲内手段が社会的相当性の範囲内

(であればいほうせいそきゃく)

であれば違法性阻却

など

(ごうとうのきかい)

・強盗の機会

(けっかをはっせいさせることが)

240 条は刑事学的に見て強盗の機会に犯人が死傷結果を発生させることが

(おおいてんにかんがみきていされたもの)

多い点に鑑み規定されたもの

(でたりる)

→死傷結果は強盗の機会に行われた行為から生じたもので足りる

(んれんをゆうするこうい)

→もっとも、処罰範囲限定のため、強盗行為と密接な関連を有する行為

(かんてきばしょてききんせつせい、はんいのけいぞくせい)

(時間的場所的近接性、犯意の継続性)

(さついのあるばあいの240くだりてきようのかひ)

・殺意のある場合の 240 条適用の可否

(240くだりはけいじがくてきにみてごうとうのきかいにはんにんがししょうけっかをはっせいさせることが)

240 条は刑事学的に見て強盗の機会に犯人が死傷結果を発生させることが

(おおいてんにかんがみきていされたもの)

多い点に鑑み規定されたもの→故意に殺傷する場合

(ついあるばあいにもてきよう)

こそ典型的な事例として立法者が予定→殺意ある場合にも適用

(じごごうとうつみのよび)

・事後強盗罪の予備

(れるぼうこうなどが、ごうとうざい)

238 条の趣旨は、窃盗の機会に一定の目的の下行われる暴行等が、強盗罪

(におけるぼうこうとどうししうるてんにある)

における暴行と同視しうる点にある

(びざいせいりつ)

→予備罪の成否についても強盗と同様に扱うべき→予備罪成立

(ざいさんじょうのそんがい)

・財産上の損害

(さぎざいもざいさんつみであるいじくこういはじっしつてきなざいさんそんがいにむけられ)

詐欺罪も財産罪である以上、「欺」く行為は実質的な財産損害に向けられ

(ているひつよう)

ている必要

(ざいてきもくてきがたっせいできなかったこと)

→具体的には被詐欺者の経済的目的が達成できなかったこと

(さぎりとくつみにおけるしょぶんいしのようひ)

・詐欺利得罪における処分意思の要否

(あいてかたにいてんするかく)

相手方に移転する客体を認識させないというもっとも典型的な類型を詐欺

(つみからじょがいするのはだとうではない)

罪から除外するのは妥当ではない

(いしきてきなものでたり、あいてかたにりえきがいてんするじょうきょう)

→同罪の処分行為は無意識的なもので足り、相手方に利益が移転する状況

(のにんしきがあればしょぶんこういはみとめられる。)

の認識があれば処分行為は認められる。

(いのしょぶんこうい)

・1 項詐欺罪の処分行為

(あざむくこういとはこうふのはん)

欺く行為とは交付の判断の基礎となる重要な事実を偽る行為をいい、窃盗

(つみとさぎざいのげんかいをかくすべく、ひきもうしゃのいしにもとづき)

罪と詐欺罪の限界を画すべく、被欺罔者の意思に基づき財物の占有が終局

(まとにいてんするばあいにしょぶんこういがみとめられる)

的に移転する場合に処分行為が認められる

(ごふりこみ)

・誤振込み

(あ)

銀行は誤振込みの可能性がある場合には㏿やかに払い戻し請求に応じない

(はず)

はず

(うにこくちす)

→誤振込みであることを知っている受取人にはかかる事実を銀行に告知す

(るしんぎのりじょうのぎむがある)

る信義則上の義務がある

(んをひきだすこういはふさくいのあざむくこうい)

→かかる事実を知りながらあえて預金を引き出す行為は不作為の欺く行為

(じこめいぎのくれかしよう)

・自己名義のクレカ使用

(あざむくこうい=こうふのきそとなるじゅうようなじじつをいつわるこうい)

欺く行為=交付の基礎となる重要な事実を偽る行為

(ぎにんにたいするこじんてきなしんようをきそ)

→クレカシステムはカード名義人に対する個人的な信用を基礎

(ぎのりじょうしょうひん)

→加盟店は使用者に支払い能力・意思がないと知っていれば信義則上商品

(のこうふをきょぜつすべき)

の交付を拒絶すべき

(いつわるこうい)

→これを偽ることは交付の判断の基礎となる重要な事実を偽る行為

(ざむくこうい)

→欺く行為

(きなざいさんそんがいにむけられ)

詐欺罪も財産罪である以上、「欺」く行為は実質的な財産損害に向けられ

(ているひつよう)

ている必要

(いてきにはひさぎしゃのけいざいてきもくてきがたっせいできなかったこと)

→具体的には被詐欺者の経済的目的が達成できなかったこと

(しんぎのりじょうのあきら)

→支払い意思・能力が無い者にクレカ使用を許した加盟店は信義則上の確

(みとめぎむのふりこうをりゆうにしんたくがいしゃからしはらいをうけられないりすくをおう)

認義務の不履行を理由に信託会社から支払いを受けられないリスクを負う

(いできなかっ)

→かかるリスクを負わずに商品を売るという経済的目的を達成できなかっ

(たといえ、ざいさんじょうのそんがいにむけられたといえる)

たといえ、財産上の損害に向けられたといえる

(ふほうげんいんきゅうふとさぎ)

・不法原因給付と詐欺

(ふほうげんいんきゅうふのばあいでもこうふするざいぶつじたいにはこうふ)

不法原因給付の場合でも交付する財物自体には交付するまで不法性はな

(く、じゅえきしゃがふほうのげんいんをつくりだしているのであるから、どうくだりた)

く、受益者が不法の原因を作り出しているのであるから、同条ただし書き

(によってなおひがいしゃにへ)

によってなお被害者に返還請求権が認められる→財産上の損害に向けられている

(きんせんひしょうこういにおうりょうざいがせいりつするか)

・金銭費消行為に横領罪が成立するか

(けいほうはみんぽうとことなりせいてきけんりかんけいのほごをもくてき&りゅうようしてはならないとい)

刑法は民法と異なり静的権利関係の保護を目的&流用してはならないとい

(ういたくしゃのいしはなおけいほうじょうほごにあたいする)

う委託者の意思はなお刑法上保護に値する

(れたきんせんのしょゆうけんはなおいたくしゃにある)

→委託された金銭の所有権はなお委託者にある

(にんのもの」)

→「他人の物」

(ふほうげんいんきゅうふとおうりょう)

・不法原因給付と横領

(ざいさんほうちつじょいじというけいほうのもくてきからは、みんじほうとことなりこうふしゃのしょゆうけん)

財産法秩序維持という刑法の目的からは、民事法と異なり交付者の所有権

(はなおけいほうじょうほごにあたいする)

はなお刑法上保護に値する

(「たにんのもの」)

→「他人の物」

(せっとうはんにんとのいたくしんにんかんけい)

・窃盗犯人との委託信任関係

(ふくざつかしたげんだいしゃかいにおけるざいさんちつじょほごのかんてんから、ざいぶつのしょゆうしゃでな)

複雑化した現代社会における財産秩序保護の観点から、財物の所有者でな

(いものとのいたくしんにんかんけいもけいほうじょうほごされる)

いものとの委託信任関係も刑法上保護される

(あいだのいたくしんにんかんけいもみとめられる。)

→窃盗犯人との間の委託信任関係も認められる。

(おうりょうごのおうりょう)

・横領後の横領

(ていとうけんせっていこういにおうりょうざいがせいりつ)

抵当権設定行為に横領罪が成立

(ういはふかばつてきじごこういともおもえる)

→売却行為は不可罰的事後行為とも思える

(のほうがしょゆうけんしんがいのどあいがつよいので、ていとうけんせっていこういによってところ)

→後者の方が所有権侵害の度合いが強いので、抵当権設定行為によって所

(ゆうけんしんがいがひょうかしつくされているとはいえない)

有権侵害が評価しつくされているとは言えない

(こにおうりょうざいせいりつ)

→別個に横領罪成立

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