夏目漱石「こころ」3-24

夏目漱石の「こころ」(下)でございます。
なるべく原文ママで問題を設定しておりますので、誤字なのか原文なのかややこしいとは思われますが最後までお付き合い下さい。
次:https://typing.twi1.me/game/386649
オリジナルの書き方・読み方については以下に載せますので、参考の程よろしくお願い致します。
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16:笑談(じょうだん)
19:殖えた(ふえた)
22:閑人(ひまじん)
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問題文
(じゅうさん)
十三
(「おくさんのこのたいどがしぜんわたくしのきぶんにえいきょうしてきました。)
「奥さんのこの態度が自然私の気分に影響して来ました。
(しばらくするうちに、わたくしのめはもとほどきょろつかなくなりました。)
しばらくするうちに、私の眼はもと程きょろ付かなくなりました。
(じぶんのこころがじぶんのすわっているところに、)
自分の心が自分の坐っている所に、
(ちゃんとおちついているようなきにもなれました。)
ちゃんと落ち着いているような気にもなれました。
(ようするにおくさんはじめうちのものが、ひがんだわたくしのめやうたがいぶかいわたくしのようすに、)
要するに奥さん始め家のものが、僻んだ私の眼や疑い深い私の様子に、
(てんからとりあわなかったのが、わたくしにおおきなこうふくをあたえたのでしょう。)
てんから取り合わなかったのが、私に大きな幸福を与えたのでしょう。
(わたくしのしんけいはあいてからてりかえしてくるはんしゃのないためにだんだんしずまりました。)
私の神経は相手から照り返して来る反射のないために段々静まりました。
(おくさんはこころえのあるひとでしたから、)
奥さんは心得のある人でしたから、
(わざとわたくしをそんなふうにとりあつかってくれたものともおもわれますし、)
わざと私をそんな風に取り扱ってくれたものとも思われますし、
(またじぶんでこうげんするごとく、じっさいわたくしをおうようだとかんさつしていたのかもしれません。)
又自分で公言する如く、実際私を鷹揚だと観察していたのかも知れません。
(わたくしのこせつきかたはあたまのなかのげんしょうで、)
私のこせつき方は頭の中の現象で、
(それほどそとへでなかったようにもかんがえられますから、)
それ程外へ出なかったようにも考えられますから、
(あるいはおくさんのほうでごまかされていたのかもわかりません。)
或は奥さんの方で誤魔化されていたのかも解りません。
(わたくしのこころがしずまるとともに、わたくしはだんだんかぞくのものとせっきんしてきました。)
私の心が静まると共に、私は段々家族のものと接近して来ました。
(おくさんともおじょうさんともじょうだんをいうようになりました。)
奥さんとも御嬢さんとも笑談を云うようになりました。
(ちゃをいれたからといってむこうのへやへよばれるひもありました。)
茶を入れたからと云って向うの室へ呼ばれる日もありました。
(またわたくしのほうでかしをかってきて、ふたりをこちらへまねいたりするばんもありました。)
また私の方で菓子を買って来て、二人を此方へ招いたりする晩もありました。
(わたくしはきゅうにこうさいのくいきがふえたようにかんじました。)
私は急に交際の区域が殖えたように感じました。
(それがためにたいせつなべんきょうのじかんをつぶされることもなんどとなくありました。)
それがために大切な勉強の時間を潰される事も何度となくありました。
(ふしぎにも、そのぼうがいがわたくしにはいっこうじゃまにならなかったのです。)
不思議にも、その妨害が私には一向邪魔にならなかったのです。
(おくさんはもとよりひまじんでした。)
奥さんはもとより閑人でした。
(おじょうさんはがっこうへいくうえに、はなだのことだのをならっているんだから、)
御嬢さんは学校へ行く上に、花だの琴だのを習っているんだから、
(さだめていそがしかろうとおもうと、それがまたあんがいなもので、)
定めて忙がしかろうと思うと、それがまた案外なもので、
(いくらでもじかんによゆうをもっているようにみえました。)
いくらでも時間に余裕を有っているように見えました。
(それでさんにんはかおさえみるといっしょにあつまって、せけんばなしをしながらあそんだのです。)
それで三人は顔さえ見ると一所に集まって、世間話をしながら遊んだのです。