すまきの話 -8-

cicciさんのアカウント
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順位 | 名前 | スコア | 称号 | 打鍵/秒 | 正誤率 | 時間(秒) | 打鍵数 | ミス | 問題 | 日付 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | りく | 6293 | S | 6.4 | 98.0% | 319.2 | 2050 | 41 | 56 | 2025/08/03 |
2 | kuma | 3960 | D++ | 4.3 | 92.6% | 467.6 | 2012 | 160 | 56 | 2025/08/23 |
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問題文
(「どうしてわかってくれないの。これがゆめだってことはどういうことかわかる?)
「どうしてわかってくれないの。これが夢だってことはどういうことかわかる?
(げんじつだとおもっているいまのじぶんが、にせものだってことよ」)
現実だと思っている今の自分が、贋物だってことよ」
(つかれたように、かべにもたれかかる。)
疲れたように、壁にもたれかかる。
(「あなたにとってげんじつってなに?」)
「あなたにとって現実ってなに?」
(くろいひとみがまっすぐむけられる。)
黒い瞳が真っ直ぐ向けられる。
(「よくかんがえてこたえなさい。するべきことは、そのけがのてあてをして、)
「よく考えて答えなさい。するべきことは、その怪我の手当てをして、
(もんだいをいっしょにかいけつすることではないの?」)
問題を一緒に解決することではないの?」
(おれはいっぽ、どそくでかのじょのくうかんにちかづいて、いった。)
俺は一歩、土足で彼女の空間に近づいて、言った。
(「これはゆめですね」)
「これは夢ですね」
(そのしゅんかん、かのじょはひょうじょうをゆがめ、そうはくになったかおをつきだした。)
その瞬間、彼女は表情を歪め、蒼白になった顔を突き出した。
(そしてたったひとこと、)
そしてたった一言、
(「よくわかったわね」)
「よくわかったわね」
(といった。)
と言った。
(しずかなこえだった。)
静かな声だった。
(せかいはくらくなった。)
世界は暗くなった。
(めはあいている。)
目は開いている。
(うすやみのなか、てんじょうがみえる。)
薄闇の中、天井が見える。
(まばたきをする。)
瞬きをする。
(せなかに、たたみのかんしょく。からだをおこす。)
背中に、畳の感触。身体を起こす。
(ししょうのへやだ。あかりのきえたしつないに、もうふにくるまったあるくさんと)
師匠の部屋だ。明かりの消えた室内に、毛布にくるまった歩くさんと
(すまきになったししょうがいる。)
簀巻きになった師匠がいる。
(むねがどきどきしている。しずかなよるのくうきにもれでるくらい。)
胸がドキドキしている。静かな夜の空気に漏れ出るくらい。
(すまきのししょうから、みだれたこきゅうのけはいがした。)
簀巻きの師匠から、乱れた呼吸の気配がした。
(よびかけてみる。)
呼びかけてみる。
(はんのうはないが、あきらかにねたふりだ。)
反応はないが、あきらかに寝たふりだ。
(ぬけでようとしてもがいているときに、おれがいきなりおきあがったから)
抜け出ようとしてもがいている時に、俺がいきなり起き上がったから
(おどろいたというところか。)
驚いたというところか。
(すまきをばしばしとたたく。)
簀巻きをバシバシと叩く。
(「わかったおきてる。おきてる」)
「わかった起きてる。起きてる」
(ししょうに、いまあったことをつたえた。)
師匠に、今あったことを伝えた。
(さいごまでみじろぎせずにきいていたししょうは、)
最後まで身じろぎせずに聞いていた師匠は、
(ひとこと「まきこまれたな」といった。)
ひとこと「巻き込まれたな」と言った。
(のうりに、いぜんあったことがよみがえる。)
脳裏に、以前あったことが蘇る。
(ふゆにゆめをみた。おそろしいゆめだった。げんじつのつづきのような。)
冬に夢を見た。恐ろしい夢だった。現実の続きのような。
(けれどめがさめたとき、じかんがまきもどっていた。)
けれど目が覚めたとき、時間が巻き戻っていた。
(おれはおそろしいゆめがげんみにならないように、べつのせんたくをした。)
俺は恐ろしい夢が現実にならないように、別の選択をした。
(あのときもあるくさんとおなじへやでねていた。)
あのときも歩くさんと同じ部屋で寝ていた。
(あるくさんのみるよちむにまきこまれたのだとししょうはいう。)
歩くさんの見る予知夢に巻き込まれたのだと師匠はいう。
(あの、こうえんのべんちのそばのごみばこがふらっしゅばっくする。)
あの、公園のベンチのそばのゴミ箱がフラッシュバックする。
(あのにおいのなまなましさも、ゆめだったのか。)
あの匂いの生々しさも、夢だったのか。
(けがをしたいたみも。いまがげんじつだとおもったあのはんだんも。)
怪我をした痛みも。今が現実だと思ったあの判断も。
(では、いまのじぶんはどうだ。)
では、今の自分はどうだ。
(てのひらをひろげてじっとみつめる。)
手のひらを広げてじっと見つめる。
(あれがゆめならなにもしんじられないじゃないかとおもう。)
あれが夢ならなにも信じられないじゃないかと思う。
(あぶらあせがながれる。)
油汗が流れる。
(おれはあるくさんのふしぎなちからについて、)
俺はアルクさんの不思議な力について、
(ずっとじゅうだいなかんちがいをしていたのではないかというよかんがした。)
ずっと重大な勘違いをしていたのではないかという予感がした。
(「とにかく、これ、ほどいて」)
「とにかく、これ、ほどいて」
(ししょうがもじもじする。)
師匠がモジモジする。
(「だめです。ほどくとしぬらしいですから」)
「だめです。ほどくと死ぬらしいですから」
(そういってからきづく。)
そう言ってから気づく。
(「こころあたりは?」)
「心当たりは?」
(「え?」)
「え?」
(「いのちのきけんがあるようなめにあう、こころあたりです」)
「命の危険があるような目に遭う、心当たりです」
(ししょうはかんがえるそぶりをみせていたが、やがてくびをふった。)
師匠は考えるそぶりを見せていたが、やがて首を振った。
(「こんやはよあそびをするつもりだったけど、いくさきはきめてない」)
「今夜は夜遊びをするつもりだったけど、行く先は決めてない」