常世の気まぐれ

(みつけたあなたみつけた)

見つけた　あなた見つけた

(かくれているむしたよるのはなび)

隠れている　蒸した夜の花火

(わたしはなにをしてんだろう)

私は何をしてんだろう

(もうあなたにはみえっこないでしょ)

もうあなたには見えっこないでしょ

(あーあみえないよねたのしくないのねあなた)

あ〜あ　見えないよね…楽しくないのね　あなた

(それじゃあいたずらしちゃうわ)

それじゃあ　悪戯しちゃうわ

(けけけ)

けけけ

(ひゅーひゅーどろどろ)

ひゅ〜ひゅ〜どろどろ

(ぺったんたんではいよって)

ぺったんたんで這い寄って

(さああなたのうしろにも)

さあ あなたの後ろにも

(それきのせいじゃない)

それ気のせいじゃない

(なんだったらもういっかい)

何だったらもう一回

(そうあなたにつきたいの)

そう あなたに憑きたいの

(はぐれたすこしはぐれた)

逸れた　少し逸れた

(ひとりになるむしたよのしずく)

独りになる　蒸した夜の雫

(わたしはゆびをちかづけてそっとにぎるように)

私は指を近づけて　そっと握るように

(あなたのおんどをそうぞうしてみたりね)

あなたの温度を想像してみたりね

(さびしくないのはうそね)

寂しくないのは嘘ね

(それじゃあいじわるしちゃうわ)

それじゃあ　意地悪しちゃうわ

(けけけ)

けけけ

(ひゅーひゅーどろどろ)

ひゅ〜ひゅ〜どろどろ

(ぺったんたんではいよって)

ぺったんたんで這い寄って

(ささやくのみみもとで)

囁くの耳元で

(それきのせいじゃない)

それ気のせいじゃない

(なんだったらもういっかい)

何だったらもう一回

(ねぇあなたにききたいの)

ねぇ あなたに聞きたいの

(そらくもかぜねこはなそのにおい)

空 雲 風 猫 花 その匂い

(あのときとおなじせみとすずも)

あの時と同じ　蝉と鈴も

(つんつんいじいじ)

つんつんいじいじ

(せいいっぱいでひっぱって)

精一杯で引っ張って

(おねがいふりむいてよ)

お願い振り向いてよ

(そりゃばかみたいでしょう)

そりゃ馬鹿みたいでしょう

(こうなってからいったって)

こうなってから言ったって

(むなしいだけ)

虚しいだけ

(ねねいまだけだよ)

"ねね　今だけだよ"

(さあひゅーひゅーどろどろ)

さあ ひゅ〜ひゅ〜どろどろ

(ぴったんたんであいまして)

ぴったんたんで合いまして

(そりゃいみふめいなのです)

そりゃ意味不明なのです

(でもきのせいじゃない)

でも気のせいじゃない

(かんじゃったんでもういっかい)

噛んじゃったんでもう一回

(あのあなたがすきでした)

あの あなたが好きでした

(ばいばいさよならまたらいせ)

ばいばい さよなら また来世

(うやむやどものねがいをつたう)

有耶無耶どもの願いを伝う

(なつはきまぐれ)

夏は気紛れ