怖い話《自分は一人だった》後編

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問題文

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(さいふをしらべてみるときのうのひづけのれしーとがあった。)

財布を調べてみると昨日の日付のレシートがあった。

(きのうのよるにいきつけのばーでのんだれしーとだ。)

昨日の夜に行きつけのバーで飲んだレシートだ。

(みるとかなりのりょうのおさけをちゅうもんしていた。)

見るとかなりの量のお酒を注文していた。

(これはおれひとりのりょうではない、だれかとのんでいたというしょうこだ。)

これは俺一人の量ではない、誰かと飲んでいたという証拠だ。

(おれはみせにいくことにした、そこのますたーとおれはなかがいい。)

俺は店に行くことにした、そこのマスターと俺は仲がいい。

(「いらっしゃい、きょうもきてくれたんですね。)

「いらっしゃい、今日も来てくれたんですね。

(きのうはだいぶのんでいましたけど、だいじょうぶですか?)

昨日はだいぶ飲んでいましたけど、大丈夫ですか?

(え?だれかといっしょにいたかですか?いえ、おひとりでのんでましたよ?)

え?誰かと一緒にいたかですか?いえ、お一人で飲んでましたよ?

(いつもよりかなりはやいぺーすでのんでましたね」)

いつもよりかなり早いペースで飲んでましたね」

(まただ、まただれもいなかったという。)

まただ、また誰もいなかったという。

(これはどういうことだろう、あのおとこはいったいなにものなんだ。)

これはどういうことだろう、あの男は一体何者なんだ。

(おれはそのあともいろいろしらべてみた。)

俺はその後も色々調べてみた。

(しかし、けっきょくなにもわからなかった。)

しかし、結局何も分からなかった。

(まさか、あれはゆうれいのようなものだったのではないか)

まさか、あれは幽霊のようなものだったのではないか

(そんなことをかんがえはじめたときだった。)

そんなことを考え始めた時だった。

(てれびでなにじゅうねんもまえにしっそうしたおとこがはっけんされたというにゅーすがながれた。)

テレビで何十年も前に失踪した男が発見されたというニュースが流れた。

(そのおとこはおれのすんでいるまちのとなりまちのはいかでみつかった。)

その男は俺の住んでいる街の隣町の廃家で見つかった。

(そのはっけんされたおとこのしゃしんがでてきたしゅんかん、おれはあっとこえをだしてしまった。)

その発見された男の写真が出てきた瞬間、俺はあっと声を出してしまった。

(こいつだ、おれのきゅうゆうをなのりおれのめのまえにあらわれたのは。)

こいつだ、俺の旧友を名乗り俺の目の前に現れたのは。

(やはりおとこはともだちなんかじゃなかった、あかのたにんだ。)

やはり男は友達なんかじゃなかった、赤の他人だ。

など

(みずしらずのおとこをおれはともだちだとおもいこんだのだ。)

見ず知らずの男を俺は友達だと思い込んだのだ。

(「なぁ!こっちにきてくれ!おれをいえまではこんだおとこがてれびにでている!」)

「なぁ!こっちにきてくれ!俺を家まで運んだ男がテレビに出ている!」

(おれはいえにいるはずのつまによびかけたがへんじがない、でかけているのか。)

俺は家にいるはずの妻に呼びかけたが返事がない、出かけているのか。

(にゅーすによると、そのおとこは25ねんまえにとつじょしっそうしたおとこで)

ニュースによると、その男は25年前に突如失踪した男で

(とうじこうこうせいだったという。)

当時高校生だったという。

(りょうしんのちょっとでかけてくるといって、)

両親のちょっと出かけてくると言って、

(それきりゆくえがわからなくなったらしい。)

それきり行方が分からなくなったらしい。

(かれははいかではっこつかしていたという、しご10ねんはたっているというはなしだ。)

彼は廃家で白骨化していたという、死後10年は経っているという話だ。

(つまりは、はんとしまえにあったのはやはりゆうれいだったのだ。)

つまりは、半年前に会ったのはやはり幽霊だったのだ。

(ずっとはいかにだれにもみつけられずにいて、)

ずっと廃家に誰にも見つけられずにいて、

(みつけてほしくておれにちかづいてきたのだろうか。)

見つけてほしくて俺に近づいてきたのだろうか。

(わざわざおれにじぶんがともだちとおもいこませて、いいめいわくだ。)

わざわざ俺に自分が友達と思い込ませて、いい迷惑だ。

(おれにはゆうじんはいない、こどくなおとこだ。)

俺には友人はいない、孤独な男だ。

(そんなおれにともひとがいるというげんかくをみさせたのだ、なんてやつだ。)

そんな俺に友人がいるという幻覚を見させたのだ、なんて奴だ。

(いやもうそれはいい、それより・・・)

いやもうそれはいい、それより・・・

(おれはゆうれいをいえにいれてしまった、これはだいじょうぶなのか)

俺は幽霊を家に入れてしまった、これは大丈夫なのか

(なにかのろわれてはいないだろうか。)

何か呪われてはいないだろうか。

(おれはつぎのひ、ばーのますたーにことのてんまつをはなすことにした。)

俺は次の日、バーのマスターに事の顛末を話すことにした。

(ますたーはかなりかおがひろいじんぶつだ)

マスターはかなり顔が広い人物だ

(こういったおかるとがらみにくわしいひとをしっているかもしれない。)

こういったオカルトがらみに詳しい人を知っているかもしれない。

(「えぇ?まえにいっていたにせのともだちってのは)

「えぇ?前に言っていた偽の友達ってのは

(ずいぶんまえにしっそうしてしんでいたおとこだったっていうんですか?」)

随分前に失踪して死んでいた男だったっていうんですか?」

(ますたーはかなりおどろいていた。)

マスターはかなり驚いていた。

(「あぁ、ほんとうだ。このきんじょでみつかったってのはしっているだろ」)

「あぁ、本当だ。この近所で見つかったってのは知っているだろ」

(「にゅーすでやっていましたからね、それがあなたに)

「ニュースでやっていましたからね、それがあなたに

(とりついていたってことですか?にわかにはしんじられませんが」)

とりついていたってことですか?にわかには信じられませんが」

(「まぁそうだよな、ただこれはまじなはなしなんだ。)

「まぁそうだよな、ただこれはマジな話なんだ。

(それでそうだんなんだけど、そいつよりわかちにいれてしまってな。)

それで相談なんだけど、そいつ自分ちに入れてしまってな。

(なんかのろわれてないかしんぱいでさ、おかるとにくわしいひとしらないか?」)

なんか呪われてないか心配でさ、オカルトに詳しい人知らないか?」

(ますたーはこまったようなかおをした。)

マスターは困ったような顔をした。

(「いやー、わたしもかおはひろいつもりだけどさすがにそのほうめんはあかるくないですね。)

「いやー、私も顔は広いつもりだけど流石にその方面は明るくないですね。

(けど、まさかそんなことがみぢかでおきるとは・・・)

けど、まさかそんなことが身近で起きるとは・・・

(もうひとりのほうもばけてきてないといいですけど」)

もう一人の方も化けてきてないといいですけど」

(ん?もうひとり?)

ん?もう一人?

(「もうひとり?なんのことだ?」)

「もう一人?なんのことだ?」

(「はっけんされたひとのことですよ、ふたりってはなしでしょう?おとことおんなのふたり」)

「発見された人のことですよ、二人って話でしょう?男と女の二人」

(「ふたり?いや、ひとりだろ?きのうのひるににゅーすでそういっていた」)

「二人?いや、一人だろ?昨日の昼にニュースでそう言っていた」

(「なるほど、それからにゅーすをみていないのですね。)

「なるほど、それからニュースを見ていないのですね。

(あれからじょうほうがこうしんされたんです、おなじばしょでもうひとりはっけんされたんですよ。)

あれから情報が更新されたんです、同じ場所でもう一人発見されたんですよ。

(おなじくはっこつかしてたってはなしです、もうひとりはじょせいだったようで」)

同じく白骨化してたって話です、もう一人は女性だったようで」

(そうだったのか、おれはそのおとこのかおがでたしゅんかんに)

そうだったのか、俺はその男の顔が出た瞬間に

(てれびからはなれてしまったからしらなかった。)

テレビから離れてしまったから知らなかった。

(ますたーはすまほをとりだしてかるくそうさしておれにがめんをみせてきた。)

マスターはスマホを取り出して軽く操作して俺に画面を見せてきた。

(「それがそのふたりです、だいじょうぶですか?)

「それがその二人です、大丈夫ですか?

(まさか、じょせいのほうもあなたにちかづいたりしてませんか?」)

まさか、女性の方もあなたに近づいたりしてませんか?」

(おれはがめんをみた。)

俺は画面を見た。

(ますたーのいうとおりだった、はっけんされたのはふたり。)

マスターの言う通りだった、発見されたのは二人。

(ふたりのしゃしんがひょうじされている。)

二人の写真が表示されている。

(ひとりはおれのゆうじんだとちかづいてきたおとこ、もうひとりは・・・)

一人は俺の友人だと近づいてきた男、もう一人は・・・

(おれはそのもうひとりをみたしゅんかん、みせからとびだした。)

俺はそのもう一人を見た瞬間、店から飛び出した。

(まさか、そんなまさか)

まさか、そんなまさか

(こんなのなにかのまちがいだ、こんなことあっていいはずがない。)

こんなの何かの間違いだ、こんなことあっていいはずがない。

(そうおもいながら、しかし)

そう思いながら、しかし

(これまでなんかいかかんじていたいわかんのひとつひとつがおもいうかんでいく。)

これまで何回か感じていた違和感の一つ一つが思い浮かんでいく。

(なぜ、おれはひるまでげんかんでほうちされていたのか)

何故、俺は昼まで玄関で放置されていたのか

(なぜ、そのおとこはおれともうひとりいがいにはみえなかったのか)

何故、その男は俺ともう一人以外には見えなかったのか

(つぎつぎうかぶこれまでのいじょうに、おれはちがうちがうといいつづけた。)

次々浮かぶこれまでの以上に、俺は違う違うと言い続けた。

(やがていえについた。)

やがて家に着いた。

(おれはあいするかぞくの、つまのなまえをいおうとした。)

俺は愛する家族の、妻の名前を言おうとした。

(だがいえなかった、はしってきていきがあがっていたからではない。)

だが言えなかった、走ってきて息が上がっていたからではない。

(おもいだせなかった、つまのなまえを。)

思い出せなかった、妻の名前を。

(なまえだけじゃない、かのじょとこれまでどうすごしてきたかおもいだせない。)

名前だけじゃない、彼女とこれまでどう過ごしてきたか思い出せない。

(ずっとつれそってきたとおもっていたが、)

ずっと連れ添ってきたと思っていたが、

(しかしだんぺんてきにすらおもいだせない。)

しかし断片的にすら思い出せない。

(ゆいいつかおだけはおもいだせる、なぜならさっきみたから。)

唯一顔だけは思い出せる、何故ならさっき見たから。

(しっそうしたもうひとり、それがおれのつまだったはずのじょせいだった。)

失踪したもう一人、それが俺の妻だったはずの女性だった。

(きづいてしまった、おれにつまなんてさいしょからいなかったのだ。)

気付いてしまった、俺に妻なんて最初からいなかったのだ。

(おれのゆうじんとおもっていたやつがしっそうしてしんでしまったべつじんだったように。)

俺の友人と思っていた奴が失踪して死んでしまった別人だったように。

(おれのつまとおもっていたやつはおなじくしっそうしていたべつじんだった。)

俺の妻と思っていた奴は同じく失踪していた別人だった。

(おれはずっとこどくだった、そのこどくになれたつもりだった。)

俺はずっと孤独だった、その孤独に慣れたつもりだった。

(それがくずされた。)

それが崩された。

(おれはのろわれてしまった。)

俺は呪われてしまった。

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