春咲センチメンタル

(はいけいきみはげんきですか？はじめててがみなんかかきます)

拝啓　君は元気ですか？　初めて手紙なんか書きます

(ぼくはなんとなくげんきですひとりにもすこしなれました)

僕はなんとなく元気です　独りにも少し慣れました

(かえりみち、よるのこうえんがまんかいのさくらだったんで、)

帰り道、夜の公園が　満開の櫻だったんで、

(きみのことをおもったりしてます)

君の事を想ったりしてます

(まっくろいそらにうかんでさくらはあえいでいるようです)

まっ黒い空にうかんで　櫻はあえいでいるようです

(せかいのびねつがあがるからけしきがゆがんでみえてきます)

世界の微熱があがるから　景色が歪んで見えてきます

(それがこいのせいなら、きっと、いつかぼくらはむしのいき)

それが恋のせいなら、きっと、いつか僕らは虫の息

(さいごのつぼみがひらいていきます)

最期の蕾がひらいていきます

(はろーはろーきこえますか？ぼくはぼくでいれますか？)

ハローハロー聞こえますか？　僕は僕でいれますか？

(いのるてにはなびらですきみにふれたようです)

祈る手に花びらです　君に触れたようです

(あざやかないろでおとをたててさくらがさく)

あざやかな色で　音をたてて櫻が咲く

(きみのこえをおいかけてくこぼれてくるこいのかけら)

君の声を追いかけてく　こぼれてくる恋のカケラ

(みあげたなら、はなふるはる)

見上げたなら、花降る春

(あったかいかぜがふいてきますもうすぐはるのあらしがきます)

あったかい風が吹いてきます　もうすぐ春の嵐が来ます

(くるったようにさいてるけどいずれはちりゆくうんめいです)

狂ったように咲いてるけど　いずれは散りゆく運命です

(それがこいにもよくにていていつかのぼくらにそっくりで)

それが恋にもよく似ていて　いつかの僕らにそっくりで

(おもいだしわらいしてしまいます)

思い出し笑いしてしまいます

(はろーはろーどこですか？ぼくになにができますか？)

ハローハローどこですか？　僕に何ができますか？

(さがすてにはなびらですきみにふれたようです)

探す手に花びらです　君に触れたようです

(あざやかないろでおとをたててさくらがさく)

あざやかな色で　音をたてて櫻が咲く

(つないだてがはなれていくこぼれてくるせんのねがい)

繋いだ手が離れていく　こぼれてくる千の願い

(みあげたなら、はなふるはる)

見上げたなら、花降る春

(まいちるさくらできみのかおがみえなくなる)

舞い散る櫻で君の顔が見えなくなる

(あわいゆめがさめてくから、こぼれるのはなみだで)

淡い夢が覚めてくから、こぼれるのは涙で-

(あざやかないろでおとをたててさくらがさく)

あざやかな色で　音をたてて櫻が咲く

(たいせつだったものはぜんぶ、このきのしたにうめていくよ)

大切だったものは全部、この木の下に埋めていくよ

(めのまえには、わかれるはる)

目の前には、別れる春

(みあげたなら、はなふるはる)

見上げたなら、花降る春

(ぼくのうえにぼくのうえにそっと)

僕の上に　僕の上に　そっと-