長文特訓5　日本の武道

(にほんのぶどうは、たんなるかくとうぎやきょうぎとしてではなく、)

日本の武道は、単なる格闘技や競技としてではなく、

(にんげんけいせいをじゅうしするぶんかとしてはってんしてきた。)

人間形成を重視する文化として発展してきた。

(けんどうやじゅうどう、きゅうどう、からてどうなどにきょうつうするとくちょうは、)

剣道や柔道、弓道、空手道などに共通する特徴は、

(しょうはいやぎじゅつのゆうれつだけでなく、れいせつやこころがまえをおもんじるてんにある。)

勝敗や技術の優劣だけでなく、礼節や心構えを重んじる点にある。

(けいこのはじまりとおわりにれいをおこなうのは、)

稽古の始まりと終わりに礼を行うのは、

(あいてへのけいいとみずからのこころをととのえるいみをもつためである。)

相手への敬意と自らの心を整える意味を持つためである。

(ぶどうにおいてじゅうようとされるのは、あいてにかつこといじょうに、)

武道において重要とされるのは、相手に勝つこと以上に、

(じぶんじしんにかつしせいである。おそれやまんしん、あせりといったかんじょうをせいぎょし、)

自分自身に克つ姿勢である。恐れや慢心、焦りといった感情を制御し、

(れいせいさをたもつことがもとめられる。)

冷静さを保つことが求められる。

(そのため、わざのしゅうとくとどうじにせいしんめんのたんれんがふかけつとなる。)

そのため、技の習得と同時に精神面の鍛錬が不可欠となる。

(ながねんのはんぷくけいこをつうじて、からだのうごきだけでなく、)

長年の反復稽古を通じて、身体の動きだけでなく、

(はんだんりょくやしゅうちゅうりょくもみがかれていく。)

判断力や集中力も磨かれていく。

(また、にほんのぶどうはしていかんけいをじゅうしするぶんかでもある。)

また、日本の武道は師弟関係を重視する文化でもある。

(しはわざをおしえるそんざいであるとどうじに、いきかたのししんをしめすそんざいとされてきた。)

師は技を教える存在であると同時に、生き方の指針を示す存在とされてきた。

(でしはおしえをすなおにうけいれ、じみちなどりょくをつみかさねることでせいちょうしていく。)

弟子は教えを素直に受け入れ、地道な努力を積み重ねることで成長していく。

(このようなかんけいせいは、げんだいしゃかいにおいてもまなぶべきてんがおおい。)

このような関係性は、現代社会においても学ぶべき点が多い。

(ぶどうはじだいとともにかたちをかえながらも、)

武道は時代とともに形を変えながらも、

(しんしんのちょうわをめざすというほんしつはかわらない。きょうぎかやこくさいかがすすむなかでも、)

心身の調和を目指すという本質は変わらない。競技化や国際化が進む中でも、

(にほんのぶどうがもつせいしんせいは、いまなおおおくのひとびとをひきつけつづけている。)

日本の武道が持つ精神性は、今なお多くの人々を惹きつけ続けている。