心霊写真 -60-

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プレイ回数77順位871位  難易度(4.3) 2554打 長文 長文モードのみ
師匠シリーズ
以前cicciさんが更新してくださっていましたが、更新が止まってしまってしまったので、続きを代わりにアップさせていただきます。
cicciさんのアカウント
https://typing.twi1.me/profile/userId/130158
全部手打ちのため、読みなどによく間違いがあります。いつも修正ありがとうございます。
順位 名前 スコア 称号 打鍵/秒 正誤率 時間(秒) 打鍵数 ミス 問題 日付
1 berry 8039 8.1 98.8% 309.1 2514 29 53 2026/08/30
2 HAKU 7947 8.1 98.0% 314.7 2552 51 53 2026/08/30
3 kaa 7106 7.3 96.5% 346.6 2554 91 53 2026/08/31
4 Jyo 5734 A 5.9 95.7% 420.1 2520 111 53 2026/08/31
5 Par2 4699 C++ 4.8 97.0% 519.0 2515 76 53 2026/08/31

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問題文

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(そうふられ、まつうらははっときづいたようなかおをして「べんごしが」といいかけた。) そう振られ、松浦はハッと気づいたような顔をして「弁護士が」と言いかけた。 (そのままくちをつぐむ。) そのまま口をつぐむ。 (「なんだ、べんごしせんせいもどうにかなったのか。おもしろいな。) 「なんだ、弁護士先生もどうにかなったのか。面白いな。 (ふかくかかわったにんげんでぶじなのは、わたしとあんたくらいじゃないか。) 深く関わった人間で無事なのは、わたしとあんたくらいじゃないか。 (こいつはよっぽどつよいしゅごれいをもっていないと、たいこうできないらしい」) こいつはよっぽど強い守護霊を持っていないと、対抗できないらしい」 (ははは、とししょうはわらったが、まつうらはそのじょうだんをわらいもせず、) ははは、と師匠は笑ったが、松浦はその冗談を笑いもせず、 (いるようにすっとめをほそめた。) 射るようにスッと目を細めた。 (ししょうはばつがわるそうにしせんをそらすと、てーぶるのうえにさんらんした) 師匠はばつが悪そうに視線を逸らすと、テーブルの上に散乱した (こぴーようしをかたづけはじめる。) コピー用紙を片付け始める。 (「こいつはもやすよ。) 「こいつは燃やすよ。 (あんたも、そのおりじなるをどうするつもりかしらないが、てばなしたほうがいい。) あんたも、そのオリジナルをどうするつもりか知らないが、手放した方がいい。 (いまはにぎりつぶすつもりだといっても、あんたらのかぎょうは、) 今は握りつぶすつもりだと言っても、あんたらの稼業は、 (あしたはどっちにむくかわからないんだろう。) 明日はどっちに向くか分からないんだろう。 (だからといって、ずっともっているのはまずい」) だからと言って、ずっと持っているのはまずい」 (じつにまずい。ししょうはそうくりかえしたが、ちゅうこくはきかれるようすはなかった。) 実にまずい。師匠はそう繰り返したが、忠告は聞かれる様子はなかった。 (まつうらはしゃしんをふところにしまい、こんどこそこしをうかせる。) 松浦は写真を懐に仕舞い、今度こそ腰を浮かせる。 (「むしかよ。ゆうれいやらおんりょうやらというなまやさしいものじゃないぞ。こいつは」) 「無視かよ。幽霊やら怨霊やらという生易しいものじゃないぞ。こいつは」 (「では、なんですか」) 「では、なんですか」 (ししょうはことばにつまった。) 師匠は言葉に詰まった。 (「わからない。しんでいるのに、しんでいない。) 「分からない。死んでいるのに、死んでいない。
など
(ししてなお、そのしそうがいきている、とかそういうちゅうしょうてきなはなしじゃない。) 死してなお、その思想が生きている、とかそういう抽象的な話じゃない。 (なんらかのそんざいとして、このよにある。そんなきがする。) なんらかの存在として、この世にある。そんな気がする。 (はんがんにうっすらひらかれため。いまもしのふちのむこうから、このよをのぞいている」) 半眼に薄っすら開かれた目。今も死の淵の向こうから、この世を覗いている」 (ごりょう・・・・・) 御霊・・・・・ (ふと、そのことばがあたまにうかび、ぼくはぼそりとくちにする。) ふと、その言葉が頭に浮かび、僕はぼそりと口にする。 (ししょうとまつうらがこちらにかおをむけたので、「いや、その」とてをふった。) 師匠と松浦がこちらに顔を向けたので、「いや、その」と手を振った。 (ししょうのいうおんりょうということばから、れきしじょうのすさまじいたたりがみであった、) 師匠の言う怨霊という言葉から、歴史上の凄まじい祟り神であった、 (すがわらのみちざねやすとくじょうこう、そしてたいらのまさかどなどのことがふいにれんそうされたのだ。) 菅原道真や崇徳上皇、そして平将門などのことがふいに連想されたのだ。 (よにおんねんをまきちらしたかれらはまた、しごうをされ、) 世に怨念を撒き散らした彼らはまた、諡号をされ、 (かみとしてまつりあげられることでしずめられた。) 神として祀り上げられることで鎮められた。 (だがそのたましずめは、きょうふにふたをしたものであり、かれらのおんねんが) だがその鎮魂(たましずめ)は、恐怖に蓋をしたものであり、彼らの怨念が (いつまたよにあふれだすかわからないといういふのうえになりたっている。) いつまた世に溢れ出すか分からないという畏怖の上に成り立っている。 (「ごりょうか」) 「御霊か」 (ししょうはそうつぶやいてかんがえこんだ。) 師匠はそう呟いて考え込んだ。 (まつうらは、ふ、とわらい、すーつのずぼんにできたわずかなしわをてではらった。) 松浦は、ふ、と笑い、スーツのズボンに出来たわずかな皺を手で払った。 (「おじょうさん、おはなしができてたのしかった。) 「お嬢さん、お話が出来て楽しかった。 (やくそくのほうしゅうは、このじむしょのせいきのりょうきんぶんでも、) 約束の報酬は、この事務所の正規の料金分でも、 (うけとってくれないのでしょうね」) 受け取ってくれないのでしょうね」 (「わたしがほしいのは、やくざのいないにちじょうだ。) 「わたしが欲しいのは、ヤクザのいない日常だ。 (もうにどとかおをみせないでくれ」) もう二度と顔を見せないでくれ」 (さいごまでししょうはくちょうをあらためなかった。) 最後まで師匠は口調を改めなかった。 (まつうらはかおいろをかえることもなく、) 松浦は顔色を変えることもなく、 (ただ「さようなら」といってぼくらにせをむけた。) ただ「さようなら」と言って僕らに背を向けた。 (どあのぶにてをふれかけたとき、じっとみていたししょうがこえをあげる。) ドアノブに手を触れかけた時、じっと見ていた師匠が声を上げる。 (「なあ、ひとつだけおしえてくれ」) 「なあ、一つだけ教えてくれ」 (「・・・・・なんです」) 「・・・・・なんです」 (まつうらはじょうはんしんをひねってかおをはんぶんこちらにむけた。) 松浦は上半身を捻って顔を半分こちらに向けた。 (「ほんけりっこうかいのせんだいのおとしだねだってうわさ。わざわざひろめてるのは、あんたか?」) 「本家立光会の先代の落し種だって噂。わざわざ広めてるのは、あんたか?」 (ちょうはつてきなそのことばに、まつうらはなにもこたえなかった。) 挑発的なその言葉に、松浦はなにも答えなかった。 (ただじっとししょうのほうをみたあとで、まったくべつのことをいった。) ただじっと師匠の方を見た後で、全く別のことを言った。 (「わたしがみているせかいは、あなたのみているせかいとにているだろうか」) 「私が見ている世界は、あなたの見ている世界と似ているだろうか」 (まだ、どこかで。ひとりごとのようにそうくちにしてどあをあけた。) まだ、どこかで。独り言のようにそう口にしてドアを開けた。 (そのうしろすがたがきえていくのを、ぼくとししょうはしずかにみおくった。) その後ろ姿が消えて行くのを、僕と師匠は静かに見送った。
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