怪人の隠れ家（二幕）

(これがあなたののぞんだことねそう)

これが　あなたの望んだことね　そう

(うえたあくまのえじきのわたし)

飢えた悪魔のえじきの私

(ちにのろわれたうんめい)

血に呪われた運命

(みにくくゆがんだこのかお それがわたしをこうした)

醜くゆがんだこの顔　 それが私をこうした

(ははにもきらいぬかれて ますくでみにくさかくされ)

母にも嫌いぬかれて　 マスクで醜さ隠され

(あわれみはいらぬ このうんめいにはしたがわねばならぬ)

あわれみはいらぬ　 この運命には従わねばならぬ

(みにくさはかおにはないわ けがれはこころのなかよ)

醜さは顔にはないわ　 けがれは心の中よ

(ほらどうやらおきゃくさんだ)

ほらどうやら　お客さんだ

(らうる くりすてぃーぬ)

ラウル！ クリスティーヌ！

(さあこちらへおまちしてたぞ)

さあ　こちらへ　お待ちしてたぞ

(あいのためにいのちがけ こよいはすばらしいよるになりそうだ)

愛のために命がけ　 今宵はすばらしい夜になりそうだ

(あくまこのひとをかえせ さあかえしてくれ)

悪魔　この人を返せ さあ　返してくれ

(こいびとをよくみろ らうるやめて)

恋人をよく見ろ ラウル　やめて

(さあこのひとをかえせ あくとうなさけしらず)

さあ　この人を返せ　 悪党　情け知らず

(なさけなどもたない)

情けなど持たない

(くりすてぃーぬくりすてぃーぬ いれろ)

クリスティーヌ　クリスティーヌ 入れろ

(さあいれ ようこそおいでを)

さあ入れ ようこそおいでを

(かのじょのかわりに このつぐないはおまえがするのだ)

彼女の代わりに　 この償いはお前がするのだ

(したくはできたてをあわせてたのむのだ)

支度は出来た　手を合わせて頼むのだ

(たすけてくださいどうか くりすてぃーぬ)

助けて下さい　どうか クリスティーヌ

(おれをきらえばこいつをころすぞ)

俺を嫌えば　こいつを殺すぞ

(さあえらべどちらかどうする)

さあ　選べどちらか　どうする

(もはやひけないぞ)

もはや退けないぞ

(かなしみのなみだいまにくしみにかわる)

悲しみの涙　今、憎しみにかわる

(くりすてぃーぬゆるしてくれ きみをおもってやったのだ)

クリスティーヌ　許してくれ 君を思ってやったのだ

(さようならうらぎりのともゆめはすべてこわされ)

さようなら裏切りの友、夢はすべて壊され

(いのちはここできえても きみへのあいにいきる)

命はここで消えても 君への愛に生きる

(もうだめだとりかえしはつかぬ のぞみはもうないあがいても)

もうだめだ取り返しはつかぬ 望みはもうない　あがいても

(ぬけだすことはできぬ)

抜け出すことはできぬ

(わたしをえらぶかこいつをえらぶか いのちはおしくない)

私を選ぶか　こいつを選ぶか 命は惜しくない

(えんじぇるおぶみゅーじっく どうしてくるしめるの)

エンジェル・オブ・ミュージック どうして苦しめるの

(もはやひけないこのいのちすくえるのはきみだけ)

もはや退けない　この命救えるのは　君だけ

(いけないくりすてぃーぬさあ いうことをきいては)

いけない　クリスティーヌ　さあ いうことを聞いては

(ぼくをみすてろ そうもはやひけない)

僕を見捨てろ そう　もはや退けない

(えんじぇるおぶみゅーじっく むかしはこころささげた)

エンジェル・オブ・ミュージック 昔は心ささげた

(ゆるさないえらべ)

許さない　選べ

(ぜつぼうにいきたあわれなあなた)

絶望に生きた　哀れなあなた

(いまみせてあげるわたしのこころ)

今見せてあげる　私の心

(ひとごろしをつかまえろ ふたりしてでていけ)

（人殺しを捕まえろ） 二人して出て行け

(ひとりにしてほしいあのふねにのれ)

独りにしてほしい　あの舟にのれ

(なにもしゃべるなちかうのだ このじごくのひみつのすべてを)

何も喋るな　誓うのだ この地獄の秘密のすべてを

(いけいけいってくれおねがいだ)

行け、行け、行ってくれ、お願いだ

(ますかれーどかめんにかくれて)

マスカレード！　仮面に隠れて

(ますかれーどいきてきたこのじんせい)

マスカレード！　生きてきた　この人生

(くりすてぃーぬあいらぶゆー)

クリスティーヌ　アイラブユー

(どんなときでもふたりのあいは けっしてかわらないと)

どんな時でも二人の愛は 決して変わらないと

(どんなときでもふたりはともに)

どんな時でも　二人は共に

(わがあいはおわりぬ)

わが愛は終わりぬ

(よるのしらべとともに)

夜の調べとともに