前髪

(きまらないまえがみをまたかぜがみだしてゆく)

決まらない前髪を　また風が乱してゆく

(いつまでもわたしたちきっときまることなんてないんだろう)

いつまでも私たちきっと　決まることなんてないんだろう

(ぶんしゅうにのせたしょうらいのゆめはいそいでつくったおもちゃみたいでもすきとおってる)

文集に載せた将来の夢は　急いで作ったおもちゃみたい　でも透き通ってる

(ひこうきぐものようにみおくったさいごのしゅーとはおもいだすとまたちくっとするよ)

飛行機雲のように見送った最後のシュートは　思い出すとまたチクッとするよ

(でもすきとおってる)

でも透き通ってる

(はのきょうせいつらかったけどやってよかったな)

歯の矯正つらかったけど　やってよかったな

(なにかがかわるときはわからないものあとからきづくよあおいとんねるのさきで)

何かが変わる時はわからないもの　あとから気付くよ青いトンネルの先で

(じぶんになりたいとあせればあせるほどひとりぼっちがせまってきていじわるなせかい)

自分になりたいと焦れば焦るほど　ひとりぼっちが迫って来て　いじわるな世界

(ひとりでもへいきとつきはなしてみるけど)

ひとりでも平気と　突き放してみるけど

(きみがいつもどおりでほっとしちゃうんだせいかいはやさしい)

君がいつも通りで　ほっとしちゃうんだ　正解はやさしい

(たくさんとってたしゃしんゆびすべらせたらひろがるなんでもないとくべつなけしき)

たくさん撮ってた写真　指すべらせたら　広がる何でもない特別な景色

(もどれないとんねるのむこうをおもうよ)

戻れないトンネルの向こうを思うよ

(きまらないまえがみをまたかぜがみだしてゆく)

決まらない前髪を　また風が乱してゆく

(いつまでもわたしたちきっときまることなんてないんだろう)

いつまでも私たちきっと　決まることなんてないんだろう

(うしなったまほうのこときえてしまったひかりのこと)

失った魔法のこと　消えてしまった光のこと

(いとおしくおもってもなにもあきらめないで)

愛おしく思っても　何もあきらめないで

(それでいいよそれでいいの)

それでいいよ　それでいいの

(ゆめのことこいのことなやみごとみんなでもちよった)

夢のこと　恋のこと　悩みごと　みんなで持ち寄った

(あのなつのよるがずっとむねのおくできらきら)

あの夏の夜がずっと　胸の奥できらきら

(きこえなくなったおともうあえなくなったこのこと)

きこえなくなった音　もう会えなくなった子のこと

(さみしくおもってもなにもあきらめないで)

さみしく思っても　何もあきらめないで

(きまらないまえがみをまたかぜがみだしてゆく)

決まらない前髪を　また風が乱してゆく

(いつまでもわたしたちきっととどまることなんてないまま)

いつまでも私たちきっと　とどまることなんてないまま

(はしろうかぜのなかを)

走ろう　風の中を