禁じられた遊び/東京事変

(かんじているしっている)

感じている　知っている

(ほおづえでかたむいてよこがおをつかまえている)

頬杖で傾いて　横顔を捕まえている

(いっそうひとおもいにさあ)

一層ひと思いにさあ

(うなずいてやきついて)

頷いて　焼き付いて

(てまえでわきまえちゃ)

手前で弁別(わきま)えちゃ

(きたいがくだけるわ)

期待が砕けるわ

(ああみているさしている)

噫　視ている　刺している

(まなざしがほほえんでこののどをゆわえている)

眼差しが微笑んで この喉を結わえている

(いっそうひとおもいにさあ)

一層ひと思いにさあ

(つらぬいてかみついて)

貫いて　噛み付いて

(おくばでためらっちゃ)

奥歯で躊躇っちゃ

(きかんがくびれるわ)

気管が縊れるわ

(よいやみはかたそでをにげだすつゆだまかくまった)

宵闇は片袖を逃げ出す露玉匿った

(これまでもこのさきも)

これまでもこのさきも

(あなたはひとりしかいないの)

あなたは一人しか居ないの

(ああきこえるはっしている)

噫　聴こえる　発している

(くちぶりははなやいでこのみみをそばえている)

口振りは華やいで　この耳を戯えている

(いっそうひとおもいにさあ)

一層ひと思いにさあ

(あざむいてまきついて)

欺いて　巻き付いて

(くろめでうろたえちゃ)

黒眼で狼狽えちゃ

(こまくがこわばるわ)

鼓膜が強ばるわ

(あまおとはえりあしのわずかなことばうばっていった)

雨音は襟足の僅かな言葉奪って行った

(どうしてもいますぐに)

どうしてもいますぐに

(あなたをめちゃくちゃにしたいの)

あなたを滅茶苦茶にしたいの

(かぎりあるとき)

限りある時間(とき)

(さかさにかぞえてはなれられない)

逆さに数えて　離れられない

(こどくがきわだつのに)

孤独が際立つのに

(かわいたままだまってよりそうかさだけにみえてる)

乾いた侭　黙って寄り添う傘だけに見えてる

(ぬれたふたりのさきへのこされたけつまつならば)

濡れた二人の前途(さき)へ残された結末ならば

(はつかぜはふりむいたさみだれがみをもてあそんだ)

初風は振り向いた　さ乱れ髪を弄んだ

(ほんとうならおしみなく)

ほんとうならおしみなく

(あなたをひとりじめしたいの)

あなたを独り占めしたいの