フィナーレ

(しゅうじんはぱりにふほうにしんにゅうし だいせいどうけいびたいのへいしをさし)

囚人はパリに不法に侵入し 大聖堂警備隊の兵士を刺し

(まじゅつをつかったかどでゆうざいである)

魔術を使った廉で有罪である

(はんけつはしけい)

判決は　死刑

(そのしゅんかんかじもどはけついした)

その瞬間カジモドは決意した

(もういしではいられなかった)

もう石ではいられなかった

(やめろ)

やめろ！

(さんくちゅあり)

サンクチュアリ！

(せいいきだ)

聖域だ！

(たいちょうだいせいどうをしゅうげきしろ)

隊長　大聖堂を襲撃しろ

(せいいきはほうりつでまもられています)

聖域は法律で守られています

(わたしはだいじょさいだ ほうりつなどどうでもいいとびらをあけろ)

私は大助祭だ 法律などどうでもいい　扉をあけろ

(つきやぶってもかまわん)

突き破っても構わん

(だがとびらをつきやぶろうとしたへいしたちはふいうちをくらった)

だが扉を突き破ろうとした兵士達は不意打ちを食らった

(かじもどがきょだいないしやきをなげつけたのだ)

カジモドが巨大な石や木を投げつけたのだ

(そしてかれらはひとびとにたたかうようよびかけた)

そして彼らは人々に戦うよう呼び掛けた

(ぱりのひとびとよ)

パリの人々よ

(こんなことをゆるすのか)

こんなことを許すのか

(もうたえるのはやめよう)

もう耐えるのはやめよう

(たちあがれ)

立ちあがれ

(せいぎのために)

正義のために

(ひとびとはへいしとたたかった)

人々は兵士と戦った

(だがくいとめられなかった)

だが食い止められなかった

(さいごのいちげきで)

最後の一撃で

(とびらはやぶられた)

扉は破られた

(かじもどははしりまわり へいしたちをおいはらうほうほうをさがした)

カジモドは走り回り 兵士たちを追い払う方法を探した

(そして)

そして

(とけたなまりのはいったきょだいなかまをみつけた)

溶けた鉛の入った巨大な窯を見つけた

(おいみろあそこだ あんなところにいる)

おい見ろあそこだ！ あんなところにいる！

(いしのせいじんよ)

石の聖人よ

(しゅごしんとがーごいる)

守護神とガーゴイル

(ほのおもやすんだ)

炎　燃やすんだ

(あかあかととけたなまりが あつくにえたぎる)

赤々と溶けた鉛が 熱く煮えたぎる

(ほのおよ)

炎よ

(こがせおおぞらを)

焦がせ　大空を

(ちからをかしてくれ いかりにもえるこのほのおをそそぎこむのだ)

力を貸してくれ 怒りに燃えるこの炎を　注ぎ込むのだ

(やったよえすめらるだ やつらをおいはらった)

やったよ　エスメラルダ やつらを追い払った

(えすめらるだ ここはきみのうちだよ)

エスメラルダ！ ここはきみの家だよ

(あたしのうち)

あたしの...家？

(ここにもどれたのね なんてうつくしいあさなの)

ここに戻れたのね なんて美しい朝なの

(あなたもうつくしいわ せかいのちょうじょうで)

あなたも美しいわ 世界の頂上で...

(ここにいればいいよ えいえんに)

ここにいればいいよ 永遠に

(えいえんにはいられないとおもう)

永遠にはいられないと思う

(あなたはほんとうにすてきなともだちよ かじもど)

あなたは本当に素敵な友達よ カジモド...

(ともだちだ)

友達だ！

(えすめらるだ)

エスメラルダ...？

(えすめらるだおきて)

エスメラルダ？　起きて？

(しんだのか)

死んだのか

(おまえのせいだ)

お前のせいだ...

(あれはぎむだった)

あれは義務だった

(ぎむ)

義務？

(これでやっともとのせいかつにもどれるな)

これでやっと元の生活に戻れるな

(いやぜったいにもどらない)

いや！　絶対に戻らない！

(もどるともいずれわかる)

戻るとも　いずれ分かる

(ついにまじょがしんでおそろしいのろいもきえた)

ついに魔女が死んで恐ろしい呪いも消えた

(もとどおりなかよくくらしてゆけるだろう)

元通り　仲良く　暮らしてゆけるだろう

(このせいいきでさんくちゅありー)

この聖域で　サンクチュアリー...

(せいいきせいいきなんてない かのじょがいなければ)

聖域？　聖域なんてない 彼女がいなければ

(そのおんながえらんだけつまつだかじもど)

その女が選んだ結末だ　カジモド

(わたしはたすけてやることもできた)

私は助けてやることもできた

(あいすることさえできた)

愛することさえできた

(あいおまえにあいのなにがわかる ひとをあいしたことがあるのか)

愛？　お前に愛の何が分かる 人を愛したことがあるのか

(おとうとをあいしていた おとうとをみちびこうとした)

弟を愛していた 弟を導こうとした

(みちびく)

導く？

(ああおまえとおなじように だがあいつはじゃあくだったよわかった)

ああ　お前と同じように だがあいつは邪悪だった　弱かった

(ちがうよわいのはおまえだ じゃあくなのもおまえだ)

違う　弱いのはお前だ 邪悪なのも　お前だ！

(あくにんはばつをうけるんだ)

悪人は罰を受けるんだ！

(あくにんはばつをうける)

"悪人は罰を受ける..."

(じゃあくなこころはわざわい)

"邪悪な心は災い..."

(あくにんはばつをうける)

悪人は罰を受ける

(てをはなせかじもど)

手を離せ　カジモド！

(かじもどはなせ)

カジモド離せ！

(いいましたよねごしゅじんさま ぼくはとてもつよいって)

言いましたよねご主人様 ぼくはとても強いって

(まさかわたしをきずつけるきじゃないだろうな)

まさか私を傷つける気じゃないだろうな

(いいやきみはそのきだ)

いいや　君はその気だ

(かじもどはふといりょううでをふりあげ)

カジモドは太い両腕を振り上げ

(おおきくうなるとふろろーをなげとばした)

大きくうなるとフロローを投げ飛ばした

(ふろろーはやねのはしをこえて)

フロローは屋根の端を超えて

(ならくのそこへ)

奈落の底へ

(せけんはざんこくだ)

世間は残酷だ

(ときにはひともざんこくになるが)

ときには人も残酷になるが

(それでもかけがえのないせかい)

それでもかけがえのない世界

(ひかりとやみの)

光と闇の

(せかい)

世界

(おりむでぃうすあちぇれれ おすせくるむすぺれんでぃどぅむ)

オリム　ディウス　アチェレレ オス　セクルム　スペレンディドゥム

(いつかあいにみちあたたかなじだいがくる)

いつか　愛に満ちあたたかな時代がくる

(どうかあかるいみらい)

どうか明るい未来

(もうすぐくるといのろう)

もうすぐ来ると祈ろう

(いつもう)

いつ　もう

(すぐ)

すぐ

(に)

に

(ぱりのあさいちにちのはじまりつげるかねのね)

パリの朝　一日の始まり告げる鐘の音

(さあそろそろこのものがたりもおわりがきた)

さあ　そろそろこの物語も終わりがきた

(あなたのこころになにかが)

あなたの心に何かが

(ひびいていますように)

響いていますように

(こたえてほしいなぞがあるにんげんとかいぶつ)

こたえてほしい謎がある人間と怪物

(どこにちがいがあるのだろう)

どこに違いがあるのだろう

(さあたからかに)

さあ高らかに

(かねのねいろみりょくあふれて ゆたかにきよらかにひびけ)

鐘の音色　魅力あふれて 豊かに　清らかに響け

(かねよ)

鐘よ

(のーとるだむ)

ノートルダム！