キミニワズラウ

(４がつ２５にちのあさ)

4月25日の朝

(いつものばしょでばすをまっている)

いつもの場所でバスを待っている

(やけにおそいなってじこくひょうをみる)

やけに遅いなって時刻表を見る

(どうやらすこしおくれてるようだ)

どうやら少し遅れてるようだ

(じこくひょうをみているそのはしに)

時刻表を見ているその端に

(うつりこんだじはんきとせいふく)

うつりこんだ自販機と制服

(まずそうにこーひーをすすってる)

不味そうにコーヒーをすすってる

(きみになぜかめをうばわれた)

君に何故か目を奪われた

(ひとめぼれとはいえ)

一目惚れ？　とはいえ

(きみのことまだしらない)

君のこと　まだ知らない

(あのせいふくどこだっけ)

あの制服　どこだっけ

(ああばすがきた)

ああバスが来た

(いつかであうのが)

いつか出会うのが

(うんめいだっていうなら)

運命だっていうなら

(いまこそそのときだって)

今こそそのときだって

(がらにもなくおもってしまった)

柄にもなく思ってしまった

(こえかけるゆうきなんて)

声掛ける勇気なんて

(ありゃしないけれど)

ありゃしないけれど

(きみのことみてるだけじゃ)

君のこと見てるだけじゃ

(だめなきがした)

ダメな気がした

(４がつ２８にちはれ)

4月28日、晴れ

(てんきよほうじゃあめだってかいてたのに)

天気予報じゃ雨だって書いてたのに

(よくみたらひづけがちがうな)

よく見たら日付が違うな

(かさまでもってきてわらえないな)

傘まで持ってきて笑えないな

(きみはやっぱりこーひーを)

君はやっぱりコーヒーを

(とてもまずそうにすすってる)

とても不味そうにすすってる

(さいきんのしゅうかくといえばそうだな)

最近の収穫といえばそうだな

(じつはおなじばすだったこと)

実は同じバスだったこと

(そらはむかつくほどあおいし)

空はムカつくほど青いし

(あいかわらずきみにはなしかけるゆうきもない)

相変わらず君に話し掛ける勇気もない

(どきょうもない)

度胸もない

(じぶんじゃなにもできない)

自分じゃ何もできない

(いつかだれかとこいをする)

いつか誰かと恋をする

(うんめいなんてものがあるなら)

運命なんてものがあるなら

(いまここでつかいたいなんておもうよ)

いまここで使いたいなんて思うよ

(さすがにちょっとおかしいかな)

さすがにちょっと可笑しいかな

(きみはどこまでのるんだろうか)

君はどこまで乗るんだろうか

(きになってしまうよ)

気になってしまうよ

(しゅうてんよっつまえのばすていについた)

終点四つ前のバス停に着いた

(ひとめぼれとはいえ)

一目惚れ　とはいえ

(きみのことよくしらない)

君のこと　よく知らない

(あのせいふくどこだっけ)

あの制服　どこだっけ

(そうだたしか)

そうだ、確か

(いつかだれかとこいをする)

いつか誰かと恋をする

(うんめいなんてものがあるなら)

運命なんてものがあるなら

(きみとがいいなんておもうけれど)

君とが良いなんて思うけれど

(あいかわらずなまえもしらないし)

相変わらず名前も知らないし

(やっぱりむりなのかなあ)

やっぱり無理なのかなあ

(あとすこしでもくてきちきみともおわかれ)

あと少しで目的地、君ともお別れ

(ああねむくなってきた)

…ああ、眠くなってきた

(だれかがかたをゆすっている)

誰かが肩を揺すっている

(どうやらねすごしてしまったらしい)

どうやら寝過ごしてしまったらしい

(しゅうてんですよこえがきこえて)

終点ですよ 声が聞こえて

(すこしこまったかおのきみがそこにいた)

少し困った顔の君がそこにいた