偉人たちのラブレター#1

(あんぷーりんへ)

―アン・プーリンへ

(わがじょおう、そしてわがゆうじんへ)

我が女王、そして我が友人へ

(わたしのこころとわたしじしんのどちらもあなたにささげ、)

私の心と私自身のどちらもあなたに捧げ、

(それであなたがこうふくになるよう、)

それであなたが幸福になるよう、

(そしてあえぬからといってあなたのきもちがはなれぬよういのろう。)

そして会えぬからと言ってあなたの気持ちが離れぬよう祈ろう。

(あえないだけでもいたむというのに、)

会えないだけでも痛むというのに、

(それをおもうとわたしのこころはますますそのいたみをまし、)

それを思うと私のこころはますますその痛みを増し、

(よもやこれほどまでとわれながらおもうほどなのだ。)

よもやこれほどまでと我ながら思うほどなのだ。

(そんなことをかんがえながら、ふとてんもんがくのはなしをおもいだす。)

そんなことを考えながら、ふと天文学の話を思い出す。

(たいようからとおくなればなるほど、)

太陽から遠くなればなるほど、

(きょりははなれるというのによけいにたいようねつがあつくかんじられるというものだ。)

距離は離れると言うのによけいに太陽熱が熱く感じられるというものだ。

(これぞわたしたちのあいじょうとおなじである。)

これぞ私たちの愛情と同じである。

(きみのふざいでわたしたちのあいだにきょりがあき、ねつはたかまるのである。)

君の不在で私たちの間に距離が空き、熱は高まるのである。

(すくなくとも、わたしのがわでは。)

少なくとも、私の側では。

(あなたのがわもおなじであればいいとねがわずにいられない。)

あなたの側も同じであればいいと願わずにいられない。

(はなれていることでかんじるくつうははかりしれず、)

離れていることで感じる苦痛は計り知れず、

(あなたのかわらぬあいじょうがわたしにむけられますようにとねがわなければ、)

あなたの変わらぬ愛情が私に向けられますようにと願わなければ、

(とてもたえられるようなものではない。)

とても耐えられるようなものではない。

(これをあなたにわすれずにいていただきたいが、)

これをあなたに忘れずにいていただきたいが、

(あなたのまえにいくこともわたしにはできぬので、)

あなたの前に行くことも私にはできぬので、