偉人たちのラブレター#3
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問題文
(みせすあらべらはんとへ)
―ミセス・アラベラ・ハントへ
(しんあいなるまだむ)
親愛なるマダム
(わたしがあなたをあいしていることがしんじられないだろうか?)
私があなたを愛していることが信じられないだろうか?
(そんなにうたがっているそぶりなど、しないでほしい。)
そんなに疑っているそぶりなど、しないでほしい。
(わたしのことばをしんじられないのならば、)
私の言葉を信じられないのならば、
(このめに、そしてあなたのめにとうてみてほしい。)
この目に、そしてあなたの目に問うてみてほしい。
(あなたのめをみればそこにやどるみりょくにきづくだろうし、)
あなたの目を見ればそこに宿る魅力に気づくだろうし、
(わたしのめをみれば、あなたにみりょくをかんじているわたしのこころがみえるはずなのだから。)
私の目を見れば、あなたに魅力を感じている私の心が見えるはずなのだから。
(さくばんのことをおもいだしてほしい。)
昨晩のことを思い出してほしい。
(あのきすは、こいびとどうしのきすだったのではないのだろうか。)
あのキスは、恋人同士のキスだったのではないのだろうか。
(あのじょうねつ、あのはげしさ、あのぬくもりに、)
あの情熱、あの激しさ、あのぬくもりに、
(わたしはかみのかごをかんじずにはいれなかった。)
私は神の加護を感じずにはいれなかった。
(それにしても、ああ!)
それにしても、ああ!
(あのあまさ、あのとろけるようなやわらかさは、)
あの甘さ、あのとろけるような柔らかさは、
(よりはっきりとかみのすがたをみせてくれるのだ。)
よりはっきりと神の姿を見せてくれるのだ。
(てあしがふるえ、たましいはねつをおび、わたしはわれをわすれてしまった。)
手足が震え、魂は熱をおび、私は我を忘れてしまった。
(けいれんとあえぎのなか、わたしはむねのなかにおおきなはらんをかんじた。)
けいれんとあえぎの中、私は胸の中に大きな波乱を感じた。
(そしてかみのすがたにそのはらんはますますおおきくなるばかりなのだ。)
そして神の姿にその波乱はますます大きくなるばかりなのだ。
(そのいとしいくちびるがわたしのしんぞうを、そしてちをながすわたしのいのちをつらぬき、)
その愛しい唇が私の心臓を、そして血を流す私の命を貫き、
(びみなるどくをさけようのないあまいはめつとをもたらさんとしている。)
美味なる毒を避けようのない甘い破滅とをもたらさんとしている。
(たった1にちでも、すべてががらりとかわってしまうことがある。)
たった1日でも、すべてががらりと変わってしまうことがある。
(おとといのよる、わたしはじぶんをしあわせなおとこだとおもっていた。)
おとといの夜、私は自分を幸せな男だと思っていた。
(かけるものはなにもなく、しょうらいもぜんとようよう、)
欠けるものは何もなく、将来も前途洋々、
(けんじんたちにもみとめられ、ひとびとのしょうさんもうけている。)
賢人たちにも認められ、人々の賞賛も受けている。
(どんなちいさなよろこびにもかんしゃをわすれぬ、いずれすべてをてにおさめるであろう、)
どんな小さな喜びにも感謝を忘れぬ、いずれすべてを手に収めるであろう、
(もっともけいあいすべきゆうじんたちとひびをおうかしていたのだ。)
もっとも敬愛すべき友人たちと日々を謳歌していたのだ。
(しかしあい、、、そこしれぬあいが、)
しかし愛……底知れぬ愛が、
(わたしをあなたいがいのなにもかもからはるかかなたへとおいやってしまいそうだ。)
私をあなた以外のなにもかもからはるか彼方へと追いやってしまいそうだ。
(くものなかでわたしはただひとりとりのこされている。)
雲の中で私はただひとり取り残されている。
(あなただけがわたしのこころをてにいれることができるのであり、)
あなただけが私の心を手に入れることができるのであり、
(そしてわたしのこころにはあなたいがいなにもひつようない。)
そして私の心にはあなた以外何も必要ない。
(わたしはどこかいこくのさばくにはこばれでもしてしまったかのようだ)
私はどこか異国の砂漠に運ばれでもしてしまったかのようだ
((そう、ごらんのとおりわたしはすっかりはこばれてしまった!))
(そう、ごらんの通り私はすっかり運ばれてしまった!)
(あらゆるものでみたされたばしょ、それはあなたのなか。)
あらゆるもので満たされた場所、それはあなたの中。
(ここでわたしはなにものにもじゃまされず、)
ここで私は何物にも邪魔されず、
(こうこつのなかでいきつづけることができるだろう。)
恍惚の中で生き続けることができるだろう。
(あのすばらしいせかいのぶたいが、いきなりかなしくかわりはててしまった。)
あのすばらしい世界の舞台が、いきなり悲しく変わり果ててしまった。
(わたしのしゅういにはみにくいものばかり。)
私の周囲には醜いものばかり。
(まるでせかいじゅうのみりょくがあなたにあつまってしまったかのように。)
まるで世界中の魅力があなたに集まってしまったかのように。
(このようにかなしくも、、、ああいや、よろこびにあふれたせかいよ!)
このように悲しくも……ああいや、喜びにあふれた世界よ!
(わたしのたましいのゆきばしょは、あなたのもとだけだ。)
私の魂の行き場所は、あなたの元だけだ。
(このたましいはあなただけをみつめ、すうはいし、うやまい、)
この魂はあなただけを見つめ、崇拝し、敬い、
(むしろいぞんし、しんらいしているのだ。)
むしろ依存し、信頼しているのだ。
(あなたときぼうにみはなされてしまえば、)
あなたと希望に見放されてしまえば、
(あとにはただえいえんのくのうがのこるばかりである。)
後にはただ永遠の苦悩が残るばかりである。